堕説・痕 分岐@ 投稿者:司堂 馨


>素直に渡す。

そうだ、何も刃向かって犬死にするよりはマシだ。

俺は手に持っていたフロッピーを黒ずくめの男の一人に渡した。

「ふむ・・・。確かに・・・」

男はフロッピーを手に取ると踵を返して歩いていった。

っておい。

渡して良かったのか?

「何やってんだよ!!」

ガツン!!!!!

「ぎゃ!!」

梓を俺のドタマを思い切り殴ると男に突進した。

「うぅうおお・・!」

鬼の・・・チカラを開放していってる・・・

「おおおお!!!」

男は・・・手のひらをこちらに向けた。

ヴォオオオオオ・・・・!!

「!!」
強烈なノイズが頭を蝕んだかと思うと

梓は・・・突然空中で静止していた。

わが目を疑いながら、俺は男が何かやった事に気がついた。

「梓を放しやがれ!」

俺はエルクゥの力を解放し、突っ込んだ。

メキメキ・・・

身体中の細胞が、再構築されていく。鬼として。

常人ならば、避ける事も出来ずに吹っ飛ぶパワーだ。

だが・・・男は一瞬の内に消えた。

「何!?」

そして。

ヴォオオオオオオオ!!!!

「ぐうっあぁぁぁぁあああ!!!!」

身体中が激痛と痺れで悲鳴を上げる。

エルクゥの防御力を貫通して、脳にまで響き渡るノイズ。

俺はそのまま、地面に突っ伏した。

「実力というのをわかっていない生き物というのは・・・愚かですねえ・・・」
スッと痛みが取れる。

何なんだ・・・一体・・・

俺はまだ痺れが取れないまま、元の状態に戻った。

無論、動けるはずもない。

強烈な眠気が襲い、おれは意識を失った・・・・

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