良い子の社会風刺SS「東鳩革命」 投稿者:鈴木R静
  199X年、日本にて政変が勃発。
  議会は過激な思想を持つことで知られる政治団体、葉っぱ党によって占拠さ
れた。
  彼らはすぐさま内閣を組織すると、政治の改革に乗り出した。
  俗にいう東鳩革命の始まりである。
  悪名高いロリ法案の廃止。
  生類皆ふきふき法の制定。
  一家に一台メイドロボットを。
  次々と断行される改革に、当初はもろ手をあげて歓迎を示していた国民も、
次第に暴走していく葉っぱ党のやり方に疑念の目を向けはじめた。
  暴走――すなわち内部分裂の表面化である。

  革命政府では新しい貨幣発行の準備が進んでいた。
  ちなみに通貨単位は「円」から「リーフ」に変更されることがすでに決まっ
ている。
  1リーフ、2リーフ、3リーフ……なんだか間抜けだが、まあいいだろう。
政府のなかでも特に過激な考えを持つ某などは、単位を「楓」にしろと首相に
直談判するような一幕もあったが、これはつつしんで却下された。
  しかしそれは、崩壊の前兆にしか過ぎなかったのだ。

  臨時国会は荒れた。

「どうして一万リーフ札の肖像がマルチなんです!  納得のいく説明をしても
らいたい!」
  ――はい、同士ふきふき君。
「え〜その件につきましては現在鋭意随時調査中でありまして……」
「議長っ!」
  ――はい、同士ないとじゃんき君。
「まだ決まってないんでしたら、ぜひマンシュウの肖像は美咲さんで……」
「横暴だ!」
  ――え〜、がちゃぴん同士。
「……わかった、こうしよう……透かしの肖像は君たちの案を呑もう。しかし
額面のところはマルチにするということで手を打ってくれないか」
「そんな紙幣があるかー!」
「そもそもマルチマルチと、いったいどのマルチだ!  俺は量産方マルチの生
気のない目が大好きなんダ!  ハァ、ハァ」
  ――発言は挙手して願います……。
「……五千リーフを委員長にしてもらえるなら、妥協も考えよう(ぼそっ)」
「無茶いうなーーあんな人気がビリッケツのやつ」
「なんだと、志保の悪口いったやつァ誰だあ」
「いってねー」
「いっそ雅史にしちまえよ」
「馬鹿ーーー」
  ――え〜その〜〜……。
「国民投票を要求する!」
「汚ねえぞ、数にモノをいわせる気か!  そんなことしたら俺の琴音が……ハ
ァ、ハァ」
「いや、案外大穴ということも……」
「誰だァ 志保の悪口いったやつァ」
「いってねー」
「かえでぇぇぇぇぇぇぇっっっっっ!!!!」
「あ、こいつずりぃぞ……だったら俺も……ちづるさぁぁぁぁぁぁんっっっ」
「痕派閥は引っ込んでろ、これは東鳩グループの問題だ」
「意義あり!」
「だからぁ……」
  ――……(ぐぅ)。

  ……。

  彼らが萌えキャラにうつつをぬかしているその影で……。
  新たな時代の波は静かに押し寄せていた。
  レジスタンス組織「ONE」……。
  歴史はまた繰り返すのか……。
  つうかむしろ俺的にはいちょう萌えってことで、ひとつ(謎)。<結論。