有閑マダム・芹香3 投稿者:SRS
 今日のSRSさんの晩ご飯はお粥。ごちそうです。
 ふんふんふーん。こぽこぽこぽ。
 鼻歌まじりにヘッドホンでm○3を鑑賞しているSRSさんの背後では、い
い感じに炊飯器が活動しています(←部屋が狭いので)。
 こぽこぽ……こぽ……ごぽ、ごぽごぽ、ごぼ……。
 SRSさんは異変に気づきません。
 ……。
 30分後。
 そういや、そろそろ炊けたかにゃ!?
 ふと、お粥のことを思い出して振り返ると……。
 クワッ! ふとんに大量のねばねばした白濁液がッ!!
 万年床の敷ふとんの上で(←部屋が狭いので)お粥を炊かせていた炊飯器を
中心に、ナニかどろどろしたモノが氾濫していル!?
 犯サレテル!? オラの大切なふとんが犯サレテル!?
 成人男性一回分(ナンの?)単位で換算して50人前はあろうかという白い
ねっちょりとしたものがそこにはあふれかえっていた。
 狭い蒸気孔から噴き出したソイツは、たけだけしいアレを連想させてちょっ
とナニだった。
 もう、たくさん出たのね……少し目を離した隙にこんなに……。
 ……って、ぶっかけるのは大好きだがぶっかけられるのはイヤだぁぁーーー。
 この根性無しがァ、たかが1合半で吹きこぼしてんじゃねェェェーーー!
 うう……もうヤダ、こんな生活……(すべて実話、脚色無し(涙))。

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 うららかな陽射しは過ぎ去っていく夏の名残りをとどめて、淡いヴェールを
投げかけてくる。
 秋も間近に迫った、移り行く時節が一時垣間見せる、優しい時間。
 来栖川邸のテラスでは、ふたりの淑女が優雅な語らいに興じている。
 執侍のセバスチャンは黙したまま、手慣れた仕種でお茶の支度を進める。
 円テーブルを挟んでゆったりとくつろいでいるマダム芹香と、彼女の実の妹
である綾香は、すずやかに午後のひとときに身をまかせている。
 過ごしやすい健やかな微風にダージリンの薫りが溶け出して、心にまで染み
てくるようだった。
 マイセンの白磁のティーカップに軽やかに紅茶を注ぎ終えると、一礼してセ
バスチャンは少しく離れて脇に持する。
 綾香は微笑してカップをすっと通った鼻筋に近づけると、しばらく茶葉の奏
でる微妙なシンフォニーを堪能したのち、
「いただきマッスル」
 そうお行儀よくつぶやいて一口お茶をすすりこむ。
「うん、おいしいわ……さすがはセバスチャンね。文句のつけようのない煎れ
方だわ」
 セバスチャンは黙然と頭を下げる。
「……」
 芹香もそれにならい、紅茶に口をつける。
「え? 姉さん、いまなんて……? いただきマンモス? ナニいってるのよ、
ものをいただくときは『いただきマッスル』に決まってるでしょ?」
 ふるふる。
 困ったようにかぶりを振る芹香。
「いくら姉さんでもコレだけは譲れないわ……来栖川家の伝統と誇りにかけて
も……」
 ふってわいたような綾香のかたくなな態度に、芹香は表情を愁眉に曇らせる。
「そう……そうなのね……浩之ね……浩之さんが姉さんを変えてしまったのね
……。結婚してから、姉さんは変わってしまった……」
 おだやかなハズのお茶の席は一転、気まずいムードに支配されてしまった。
……といってもマダム芹香の様子はさしていつもと変わりはなかったのだけれ
ど。
 困惑したような、それでいてぼぅっとした悠揚迫らぬ調子で芹香はお茶を飲
んでいる。
「あの頃の姉さんはどこにいったの! 浩之ぃ、返してよっ、あの頃の姉さん
を返してよおっ!」
 あの頃というのがいつのことかは定かではないが、まさか浩之もこんなとこ
ろで悪者扱いされているとは夢にも思うまい。
 ……風はすこしずつ秋の気配を運んでくる。
 こうして来栖川邸の午後は今日も過ぎていく……。

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 ……うーん、ちとピカソの青の時代入ってたじゃろかー。モナムー。
 つうか前口上長すぎ。