スーパーLEAF大戦・第2話 投稿者:ジン・ジャザム


どぐぅわぁしゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!

  いきなりの爆音。そして爆風。
  耕一は吹き飛ばされた。
「だああああああっ! な、何だ、いったい!」
 地面を転がり、身体中を打たれながらも、耕一は立ち上がる。
 そして、見た。
 『それ』を。
「……な、何だよ、あれは……。」

 スーパーLEAF大戦 第2話『接触』

 町も駅と同様、まったくの無人だった。
 平日の午後。
 そこには買い物をする主婦の姿も、寄り道をする高校生たちの姿もない。
 店のシャッターもすべて下ろされている。
 ゴーストタウン。
「これはいったい……。」
 耕一の、その疑問の答えはすぐに出た。
ばらばらばらばらばらばらばらばらばらばら……
 頭上から聞こえるプロペラ音。
「……ヘリ?」
 ヘリはちょうど耕一にその影を落としていた。
 青空に映る、ヘリの迷彩色。
 そして、ヘリのスピーカーから聞こえる声。
『……本日12時30分、隆山全域に非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やか
に指定のシェルターへ避難して下さい。繰り返します……』
「非常事態!? どういうことだ!」
 疑問の答えは、新たな疑問を生み出した。
 そして今度の疑問の答えは、爆音と爆風であった。

 爆風に吹き飛ばされ、ようやく立ち上がった耕一が見た『それ』。
 2メートルをゆうに超える巨大な体躯。
 強靱な筋肉。
 金色に光る双眸。
「鬼……。」
 そう。
 鬼だった。
 そして爆発の正体。それはその鬼と交戦する十数体の戦乙女――来栖川の最高傑作の
メイドロボ『セリオ』の戦闘タイプが放ったビームが巻き起こしたものだった。
 ビーム砲の銃口は、鬼に向けられている。

ヴォォン ヴォォン ヴォォン ヴォォン……

 ビーム砲に再び、エネルギーが収束していくのが分かる。
「!……や、やばい! はやくここから逃げないと……!」
 呆気に取られていた耕一だったが、ようやく身の危険を感じ、逃げだそうとした。
 しかし、その間にもビーム砲のエネルギーは急速に収束する。
「くっ、間に合わねぇ!」
 そのとき!

きききききぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

 もの凄い、タイヤの擦れる音を鳴らせながら、耕一の目の前に自転車が止まった。
 ちなみにママチャリ。
 自転車に跨っているのは、気の強そうな、ショートヘアの少女である。
「間に合った!……耕一!」
「?……梓か!」
「はやく後ろに乗りな!」
「えっ……あ、ああっ!」
 少女の剣幕に押され、自転車の後ろに乗る耕一。
「よし!……しっかり掴まってろよ! でぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!」
「なっ、ちょ、ちょい待っ……うぎゃゃゃゃゃゃゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 耕一を乗せるや否や、自転車は猛スピードで戦場を離脱した。
 そのスピード、約時速300キロ。
 ……自転車の出せるスピードではなかった。
 自転車が戦場から遠ざかった、その直後。
 再び爆発が巻き起こった。


「殺ったか!?」
 一方、その戦場の様子をモニターから見守る者たちがいた。
「いえ……まったく効いていません! 目標、いまだ健在!」
「ちぃぃぃ! 化け物め!」
 目標――鬼に対し、こちらの攻撃が通用せず、場は騒然としていた。
 その喧噪の中、後ろでモニターを見守る二人だけは冷静だった。
「……ちーちゃん。やっぱり……。」
 二人のうち、初老の男の方がもう一人、黒髪の美人に囁きかける。
「ええ、私たちと同類です……となると、通常兵器では歯が立ちませんね……。」
「どうするつもりだい? ちーちゃんたちと同類と言ったって……」
「……向こうの方が、遥かに強大な力を有しています。」
「なら……!」
「心配ありません……今、戦士が届きますから。」
「……賢志さんの息子か」
「足立さん……あとを頼みます。」
 そう言い残し、女は近くにあったエレベーターから、下の階へ向かった。
 残された初老の男――足立は、女の背中を見送りながら物思いに耽った。
(数年ぶりの従兄弟との対面か……。)

 運命の輪が、静かに回りだした……。

                                      つづく

…………………………………………………………………………………………………………………

 はろはろ、ジン・ジャザムです。さて、2話目にして壊れてきましたね、この小説(汗)
 まあ、単なるおふざけに終わらず、熱い話を書ければな……と思っとります。
 頭の中では、今回の『痕』キャラ・メインの話から、『東鳩』キャラ・メインの話、『雫』
キャラ・メインの話まで出来上がっております。その通りになるかは分かりませんが(汗)
 あと今回のような、『アレ』のパロディだけでなく、いろいろな作品のパロディが、メチャ
クチャに混ざってきます。まぁ、しばらくは『アレ』ですけど(^^;)
 つーわけで、馬鹿にしてやって下さいませませ。かしこ。