スーパーリーフ大戦・第1話 投稿者:ジン・ジャザム


 闇夜を流星の光が引き裂いた。
 明るく、強く、輝く光の尾。
 光の刃。
 ……古来より、流星は凶兆とされ人々に忌まれてきた。
 流星は厄災をもたらす、災いの星だと。
 迷信?
 いや、違う。
 真実だ。
 少なくても今回の件に関しては、その流星はまぎれもなく死神の使者であるのだから。
 ……死神?
 いや、それも違う。
 死神は、宇宙に仕える忠実な農夫だ。
 生命という稲穂を刈る、ただの農夫。
 戯れに生命を『狩』ったりはするまい。
 そう、それは死神よりもおぞましきもの。
 悪魔の使者。
 ……悪魔?
 いや……それすら違うかもしれない。
 そう呼ぶよりはむしろ……。
 ……ともかく、その流星は真っ直ぐに地球を目指し、日本は隆山の山中へと墜ちた。
 それが、戦いの始まりを告げる鐘の音だった。

 スーパーLEAF大戦 第1話『始動』

「目標を肉眼で確認。これより攻撃に移ります。」
「セリオ戦闘タイプ、壱番機から七拾七番機すべて揃いました。」
「全機サテライト・キャノン発射準備。」

 ぐおおぉぉん ぐおおぉぉん ぐおおぉぉん……。

「全機エネルギー充填率120%を突破。発射準備完了!」
「よし……てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

 ぐふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!

 刹那、世界は白い闇に包まれた。そして天を劈(つんざ)く轟音。
「どうだ、やったか!?」
「……いえ……目標、かすり傷ひとつありません!」
「馬鹿な! 来栖川の最新兵器だぞ!? こんなことが……!」
「隊長! 目標の中心部に強大なエネルギーの収束を確認!」
「なっ……い、いかん! 総員退……」
「うああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

 ズザァァァァ! ジッジジィィィ! ブァンッ! ツーツーツーツーツー……

 ……通信が途絶えた。つい先程まで現場の映像を映しだしていたスクリーンも、今は
ただ電子の砂嵐を映すだけであった。
「………………。」
 スクリーンを見つめるひとりの男がいた。くたびれた白衣に眼鏡の、冴えない中年男。
「長瀬主任。目標の正体はやはり……。」
 男の後ろに控えていた部下が語りかける。しばしの沈黙の後、長瀬と呼ばれたその男は
口を開いた。
「ああ、おそらくな。目標は隆山か……となれば、鶴来屋の管轄だな。さて、柏木がどう
動くか、高見の見物といこうじゃないか……。」
 長瀬はそう言って、置いてあった茶をすすった。
 その瞳に鋭い光が走った。


「ちっ……何だってんだ。こんなところで足止めなんて。」
 青年は舌打ちした。時刻表を見上げる。

『全線不通』

 そう表示されていた。
「………………。」
 周りを見渡す。
 乗客はおろか、駅員の姿のない。
 奇妙な静寂であった。
「こんなときに待ち合わせなんてな……ったく。」
 ……青年が、隆山――父の実家に住む従姉妹たちから呼ばれたのが、つい先日。
 呼ばれた理由はわからない。
 話してはくれなかった。
 疑問を抱えたまま東京を発ち、電車に揺られること数時間。あと2駅というところで、
この足止めである。
「……こんなところでぼーっとしていても、しょうがない。歩くか。」
 電話で迎えに来てもらおうとも考えたが、無駄だった。
 電話も止められていたのだ。
「いったい何がどうなってんだか……。」
 そう言って青年は、もう何度目になるか分からない、ため息をついた。

 青年の名前は、柏木耕一。
 ここ隆山を治める柏木家の血を継ぐ者。
 そして、世界を救う運命を背負う者である。
 しかし今はまだ、その運命を知る術は、無い。

                                    つづく

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あとがき

 投稿小説・初挑戦のジン・ジャザムです。うーむ、原作があるものの小説って難しい。
 しかも、なんとなく『初ない』の『リーフファイト97』とネタが被っているよーな……。
 まっ、いいか。
 こっちは、もっと低俗なパロディ作品だし(←おひ)
 まあ、そーゆーワケなので、気楽にお読み下さい。
 シリアスも書きたいのですが、ネタがない。
 オリジナルでダークな話なら、わりと簡単に作れるのですが。
 とりあえず頑張ってみます。
 それでは、また。