スーパーLEAF大戦・第16話 投稿者:ジン・ジャザム
 鬼。
 遥か昔、地球に飛来した異星人。
 命の炎に魅せられ、より激しい炎、より美しい炎を求め生命を狩る者。
 狩猟者。

 次郎衛門。
 鬼を滅ぼした者。
 鬼の血によって、自らも鬼と化した者。
 その末裔、柏木一族。
 鬼を継ぐ者。

 時代(とき)は流れ、現在。
 再び、地球に飛来する鬼。
 具現化した滅び。
 具現化した死。

 対する者、人間。
 弱き者。
 強き者。
 憎む者。
 愛する者。

 そして始まる物語。
 舞台は運命という名の宇宙。
 壮絶に
 鮮烈に
 それは悲劇?
 それとも惨劇?

 ……それは『大戦』。
 総ての戦う者たちに捧げられた、甘き憎悪と苦き愛の物語。


スーパーLEAF大戦 第16話『LEAF結成T―人と鬼―』


 1年前。
 この時から来栖川は、鬼と対抗するための戦力を整え始めた。
 ……まるで、これから起きる大戦を予測していたかのように。
 様々な兵器が造られる中で、2体の決戦兵器が完成した。
 1体は最強の装備と最高の頭脳を兼ね揃えた、HMX−13セリオ。
 1体は人の心を持つがゆえに無限の力を生み出す、HMX−12マルチ。
 この2体は、最新型メイドロボの試作機としてカモフラージュされ、来栖川と関わりの
深い学校へ通うことになる。
 そこでマルチが出会った少年、藤田浩之。
 『祖霊(トーテム)』に加護されし者。
 この出会いは運命の必然だったのだろうか?

 一方、鶴来屋――隆山温泉を母体とする企業団体というのは表向きで、その実体は謎に
包まれている――の会長代理、柏木賢治もまた、鬼の襲来を予測し、水面下で活動を開始
していた。
 『雨月山の鬼』の伝説が眠る隆山。
 その隆山を支配する柏木一族……鬼の血を継ぐ者たち。
 来栖川はその秘密を求め鶴来屋に接触し、鶴来屋もまたそれに応える。
 だが、その協力関係は決して強固なものではなかった。

 1ヶ月前。
 月島拓也という少年が、来栖川の重要施設のひとつに侵入。
 鬼に関する資料を盗み出した。
 その月島を追う者、長瀬祐介――マルチの開発者であり、鬼に関する一連の事項の責任
者でもある長瀬源五郎主任の甥に当たる少年――もまた、来栖川のコンピューターにハッ
キング、同様に鬼の資料を盗み出した。
 そのことにより、月島拓也と長瀬祐介が鬼と何らかの関わりを持つことが判明し、重要
人物に指定される。

 同時期、鶴来屋の会長代理、柏木賢治の事故死。
 その死に様は、かつての柏木会長夫婦と同じ、車による崖からの転落死だった。
 その死の真相は、ごく少数の関係者にしか知らされていない。
 これにより、柏木元会長の長女、柏木千鶴が会長に就任。
 鶴来屋の運営と共に鬼迎撃の総指揮を執る。

 そして、運命の日。
 宇宙より謎の飛来物。
 この未確認飛行物体は、隆山の山中に墜落。 
 来栖川の量産型セリオ戦闘タイプ、77機がサテライト・キャノンによる一斉攻撃を与
えるものの通用せず。セリオ戦闘タイプ全滅。
 隆山市内に鬼出現。住民はシェルターに避難。
 先程と同様にセリオ戦闘タイプによる迎撃を行うものの、再び通用せず。
 千鶴は従弟である柏木耕一を出撃させる。
 戦いの中で耕一は鬼に覚醒、敵を撃破する。

 数十時間後、今度はマルチの通う学校付近に鬼が出現。
 セリオ・プロトタイプが迎撃するが、人類の最強兵器であるセリオですら、鬼の力の前
にまったく歯が立たず、敗北。
 この戦いの最中、藤田浩之が重傷を負い、浩之を守るためにマルチは未完成であるバス
ターモードを発動させ、マルチバスターと化す。
 マルチバスターは無限の愛の力をもって鬼を圧倒するが、その優しさゆえに鬼にトドメ
を刺せず、逆襲を喰らう。さらには活動限界。破壊される。
 それを見た浩之は、祖霊(トーテム)の力を解放し、不死鳥となって鬼を攻撃するが、
力及ばず。
 ……万策尽きたと思われたそのとき、長瀬祐介が現れ、鬼の精神を『電波』で破壊し、
再び姿を消す。
 マルチとセリオは回収、浩之も来栖川の医療スタッフにより救助される。
 この戦いで鬼が自らを『エルクゥ』と名乗ることが判明。以後、敵の識別名はエルクゥ
と決定する。
 また精神崩壊した鬼……エルクゥも回収、重要なサンプルを入手したことになる。

 祐介はゴースト・タウンで月島と接触。
 彼の下僕である太田香奈子、吉田由紀、桂木美和子の3人との戦闘に突入。
 しかし3人は驚くべきことに鬼へと変貌、祐介は敗れる。
 祐介の危機を救ったのは、謎の覆面忍者るりるり。
 彼女は祐介に来栖川と接触をとるよう忠告し、去っていく。

 ……以上により明らかになったこと。
 人類の科学兵器はマルチバスターを除いて、ほとんど通用しない。
 そのマルチバスターもまだ未完成。さらにはマルチ自身の優しさも災いし、兵器として
は心許ない。
 柏木耕一は敵を圧倒したが、彼1人で全エルクゥと戦うわけにもいかない。
 祖霊(トーテム)は『4つの御霊が揃えば』重要な戦力となるだろう。
 ただ、浩之1人では戦力不足である。
 長瀬祐介。電波使いは間違いなく重要な戦力となる。
 だが、やはり絶対数が足りない。

 この状況下で人類が的と対抗しうる手段。
 現在の科学を超える、さらなる科学。
 その実現。
 鍵を握るのは、来栖川芹香。
 そう、人類の新たなる武器。

 『魔導科学』。

                                    つづく

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 どうも。
 ジン・ジャザムです。
 なんかまた総集編って感じになってしまった(汗)
 今回は自分のためにも書いてます……伏線をまとめあげるために(爆)
 この16話で背後の関係が少し見えるようになりました。伏線もちらほら。
 ……しかし、もともとは軽いノリで始めた連載ゆえに、世界観が未だに謎です(核爆)
 なんで街にシェルターがあるんだ?とか(笑)ゴースト・タウンが存在するとか(笑)

 多分、セカンド・インパクトでもあったんでしょう(メテオストライク的爆)

 もしかしたら上手く話に絡められるかもしれない(笑)
 あと政府の力は弱くなって、企業が力を付けていると思う。だから企業ごとに施設軍
隊を所有している。民主主義は表面上存在しているけど、実際は企業対個人の封建主義
……なんかとっても『シャド○・ラン』(←マイナーなネタ)
 日本の事実上の支配者は、間違いなく来栖川グループでしょう。

 なお今回の話はスパロボFのオープニングか、そうでなければ『ゼーレ、魂の座』の
ノリでお読み下さい(笑)


 次回予告どわっ!

 ……行き当たりばったりで、全然できてません(爆)
 多分、耕一が再登場。
 ……多分な。

次回・第17話『LEAF結成―血と心―(仮)』

 ばきっ!
「何だよ梓! 父さんにも殴られたことなかったのにィィィィ!」(笑)