『ToシスタープリンセスHeart』 投稿者:かづいつつ 投稿日:4月23日(月)04時43分
「急げ!酸欠を起こしているぞ!」
うるせーな〜、なんだってこんなに騒がしいんだ?
「すぐに酸素と輸血を!」
なんだ?誰か怪我をしたのか?
っていうかなんだ、俺の体が動かないぞ!まっくらだし
「浩之!しっかりして!!浩之!!」
母さん?えっと、なにか!もしかして俺が怪我をしてるのか?
「おにいちゃ〜〜〜ん」
ちょっとまて、俺に妹なんかいないぞ
「急いで小児ERへ」
おいおい、高校生は小児か?
「ピンポ〜ンピンポ〜ン」
なんだよ、病院に行くんじゃないのか?なんでチャイムが鳴ってるんだよ
つうか、うるせ〜〜〜ぞ!!
「ピンポンピッポンピンポ〜〜〜〜〜〜ン
「うるせ〜〜〜〜〜〜」
ん?知らない天井… じゃないな、俺んちじゃんつうかやっぱり夢だったか…
「おにいちゃ〜ん、おにいちゃ〜〜〜〜〜〜ん」
この声はあかりだな!って、おにいちゃんってなんだ!
「こらあかり!近所迷惑だ!!静かにしろ!!!」
「おはようおにいちゃん♪」
「それとなんだよ、お兄ちゃんってのは…」
「浩之ちゃんはお兄ちゃんなんだよ♪」
「何をいってるだこいつは…」
俺はあかりの戯言に軽い頭痛を感じながらとりあえず登校の準備を始めることにした

『ToシスタープリンセスHeart』

着替えを済ませた俺は、あかりがいるであろう玄関を開けた
「おはよう、おにいちゃん」
「なああかり、それは新しい『あかりギャグ』か?」
「違うよ、さっきもいったけどわたしと浩之ちゃんは兄妹なんだよ」
「はあ〜」
「とりあえずこの手紙を読んで」
そう言ってあかりがだした手紙の差出人を見ると俺のおやじだった。
『浩之へ この手紙を最初に誰から手渡されているかはわからないが
この子のいっていることは本当の事だ。
正確に言うと妹の可能性があるということなんだ。
当時、仕事がうまくいってなかったときにおまえのかーさんとは別の女性とそういうことがあった。
おまえが最近女性関係が活発だと聞いた俺はちょっと調べさせてもらったのだが
おまえのつき合いのある娘達が血を分けた妹の可能性があるとわかった。
というわけで、相手方の両親と協議の結果この手紙を書いた。
いま、DND検査中なので決してこの手紙をもってきたこと親密な関係に発展しないこと!

PS、今回のことであいても女の子(娘かもしれな…)に迷惑をかけた。
決して邪険にするな、女の子の方が傷つきやすいからな
それとおまえにも悪いと思っている。だが、おまえも人のことが言えないぞ!(笑)』

『(笑)』じゃね〜〜〜〜〜〜 なに考えてるんだ!
手紙自体はワープロのようだが最後に間違いようのないおやじの直筆の署名と
拇印があった(拇印に意味はあるのか?)
「はあ…」( ̄Д ̄;)
「大丈夫、お兄ちゃん?」
目の前のあかりは俺を心配げに見つめていた
「だいじょうぶだ…、それよりあかりの方こそショックじゃねーのか?」
「昨日お母さんから、話を聞いてその後わたし宛の手紙を読んだときはショックだったけど」
「わりいなあかり、うちの馬鹿おやじが」
「ううん、お兄ちゃんのせいじゃないよ」
「ところでその『お兄ちゃん』てのはよさないか?」
「あれ?そのこと書いてなかった?」
「なんのことだ?」
「あっ、それよりもおにいちゃん急がないと遅刻しちゃう!」
「げっ!いそぐぞ!!」
「うん♪」

通学路を走りながら俺は考え事をしていた。
俺の後ろを必死になってついてくるあかり、こいつが妹?
確かに、俺にとって妹のような存在だったが…
だが、最近あかりはちょっとずつ変わってきた
それにつれておれにとってもあかりはただの妹のような幼なじみってだけじゃ…
そんなことを考えていると

「うわぁ!」
「…」
誰かにぶち当たったようだ
「わりぃわりぃって、先輩!」
またしても俺が体当たりをしてしまったのは来栖川のお嬢様、
芹香先輩だった。
「……‥・」
「なに、大丈夫ですにいやだって?
って、なに言ってるんだよ先輩」
「……‥・」
「この手紙を読んでくれって」
そういって、先輩は転んだまま手紙を差し出してきた。
手紙…。イヤな予感がする。ぐぁっ、どっかで見たぞこの手紙。
差出人は…、親父だった。Σ( ̄Д ̄;)
「…」
俺は閉口するしかなかった…。
内容は俺があかりから受け取った手紙とほとんど同じだった。
ただ最後にあかりの手紙にはなかった一文が添えられていた。
『おまえは忘れているだろうが、小さい頃に大けがをして長期入院していたことがある。
そのため、おまえは一年ほど遅れて小学校に入学したのだ。
だからこの子も、おまえの妹であることに間違いはない。』
おいおい、いくらなんでもそれって無理がねーか
「……‥・」
「そんな事言う人嫌いです、って、先輩キャラが全然違う…」
「……‥・」
「わたしのことは名前で呼んでくれって?そんな事言われても…」
拒否の構えをとろうとしたが、先輩が目を潤ませてきた…
卑怯だぜ先輩…。そう言えば、むげにするわけにも行かないのか…
「わかったよ芹香」
「……‥・」
「うれしいですにいや、だって、おっとせっかく走ってきたのに遅効しちまう
行こうぜ、芹香!っと、あかり」
あかりが今まで無視されていたためか、子犬チックな目で俺を見つめていた…

教室にはいると同時に、担任が入ってきた。あぶねーあぶねー。
隣を見ると委員長が、なにやら神妙な面もちで座っていた。
また、吉井達が何かやらかしたのか?そうだとしたらこりねー奴らだ。
おっと、担任と入れ違いに1時間目の先生が入ってきた。
委員長の様子が気になるが、授業が始まった以上仕方ない。
おとなしく授業を受けずに寝るとするか…
**寝るなよ**
何か言われたような気がするが寝る!! 断固として寝る!!
寝覚めが悪かったしな。
もしかしたら、起きたら布団の上で全部夢だったって事があるかもしんねーし。

「…ま …さま」
なんだ、せっかくいい気持ちで寝てるのに
「…いさま」
起こすなら大きな声で起こせ、そんな小声でいわれてもおきねーぞ
「おにいさま」
がばっ
俺は跳ね起きた。今とっても不穏な言葉を聞いた気がした。
隣の席から俺を揺すり起こしたの委員長だった。
「お昼休みやで、おにいさま」
「頭痛い…」
「えっ、おにいさま、もしかして具合わるいん?」
「いやその…」
「悪いんやけど、屋上までつきおうてもらえる?」
「ああかまわないぜ」
毒をくらわば皿までだ、すでに委員長から告げられであろう事を予想しつつ一緒に屋上へと向かった。

「あのなおにいさま、これ読んでほしいんや」
「やっぱり…」
目の前には本日3通目の手紙、くらくらしてきたぞ。
裏を見れば差出人は同じく親父…
一応開いてざっと流し読みをする。
今回はあかりの手紙と全く同じだった。
出来れば違う文面が良かった…。
「つまり委員長も俺の妹いうわけだな…」
「そういうことやおにいさま」
委員長は複雑な顔をしていた、普通はそうだよな。
「おにいちゃん、っと、智子ちゃん」
「あかりか…。智子ちゃんって…」
「だって、お兄ちゃんとわたしが兄妹で智子ちゃんとお兄ちゃんが兄妹なら」
「そーゆことや、うちとあかりも姉妹っちゅーことやろ」
「そうだな…」
たすけてください…
「おにいちゃん、ご飯もってきたよ」
「ごはんって?おっ、弁当か!」
「そうだよ、今日はみんなでここで一緒にお弁当を食べるんだよ」
「みんなって?」
疑問を口に出したところで背中にやわらかいものが押しつけられてきた
「ハ〜〜〜イ、アニキ!元気してる?わたしはちょっぴり泣いたカラスの行水よ」
「レミィ!」
押しつけられているのはレミィのおっぱいのようだ、
制服越しでもその気持ちよさといったら…
っと、そんなことではちょっとしかごまかされねーぞ
**ちょっとはごまかされてるんじゃん**
うるせーっても
「今おれも事なんて呼んだ?」
「あれ?ブラザーはアニキでいいだよね?」
「あはははは…、さあ、さっさと手紙を出せ!」
「OH!アニキはエスパー?」
相変わらずレミィは俺の背中にひっついたままだった
「ちょっとレミィ」
あかりがちょっと不機嫌な顔をしている
委員長もだった
それに俺にしかわからないぐらい微妙だが先輩もって、いつのまに…
「そうだったよ、これを渡すんだった。はいアニキ」
レミィが俺から離れてごそごそとスカートのポケットから手紙を出した。
ちょっとくちゃくちゃになっているがそんなことはどうでもいい、
一応 仕方なく 義理で開いてやる。
やはり変わり映えがしない内容だった。
それはいいとして(4度目だからな、もうおどろかねーよ。つうか、麻痺してきた)
レミィを見ると、他の3人に比べてやけにすがすがしい気がする。
今回のこと、気にならねーのか?アメリカでは普通なのか?
「そんなことないよ、私だってショックだったよ、カラスの行水だよ!」
「最後は意味不明だが悪かったレミィ」
どう見てもあんまりショックを受けている気がしないのだが、あかりや委員長と先輩の視線が痛かったので
謝っておくことにした。
「と、とりあえずメシをくおーぜメシ!!」
話題転換でごまかすことにしよう、実際腹も減ってるし
「ちょっと待ち、おにいさま」
「なんで?」
「今日はお兄ちゃんと妹全員でお昼をすることになってるからだ」
ちょっとまて
「それって、まだ俺に…」
言いかけたとき、間合いを計ったか、あるいは予定調和なのか屋上の扉が開いた。
「すみません、遅れました〜〜」
「ハアハア、ごめんなさい私が転んでしまったせいで」
「ううん、私が琴音ちゃんを引っ張りすぎたから」
「ハアハア、でも、私の準備が遅かったから」
「仕方ないよ、琴音ちゃんのクラスは四時間目体育だったんだから」
琴音ちゃんと葵ちゃんだった…
ということは
「とにかくすみませんでした、兄上様」
「もし分けありません、おにいちゃま」
うっ、やっぱりそう言う展開だよな…
「…」
俺は無言で手を差し出した
「えっと〜」
「??」
二人とも困惑気味のようだ
「手紙、もってるんだろ」
「あっ、はい」
「ええ」
俺は受け取った手紙の差出人を確認した後、ポケットにしまった。
「読まないんですか?おにいちゃま」
とりあえず苦笑いで返事をした。
「さてと、これで全員だよな?」
おれは一同を見渡しながら言ってみた。
本当はわかっていた。
まだ他にもいるだろう事を…
だが、これ以上増えて欲しくないという願いを込めて言ってみたのだ。
「あかんあかん、まだ後一人くるはずや」
一人? 一人なのか! 良かった…
って、誰なんだ後一人って。可能性のあるのは…
たのむ、あいつだけは勘弁してくれ!頼む!!!
「あっ、やっとお昼たべられるよおにいちゃん」
「まっとったで、お兄さまも待ちきれないって感じやったわ」
待ちきれないのはメシであって、妹が増える事じゃないからな!!!
そんなことを思いつつ、視線を向けた先にいたのは
「ごめ〜ん、あにちゃま待ちました?」
お下げの少女がいた。
セ〜〜〜〜〜〜フ!!
「そんなことないぞ、さあめしだ、すぐ食おう、今食おう
妹全員で飯を食うぜ〜〜〜〜!!」
あいつが妹でないことに浮かれ気味な俺はハイテンションだった。
決してあいつが嫌いな訳じゃない、最近はごく偶にだがドキッとすることもある。
でもな、志保だけは妹であって欲しくない。あんな妹はイヤすぎる ヽ(TДT;)ノ
「……‥・」
「本当は妹はこれで全員じゃないって」
ちょっとまて、まさか!
「……‥・」
「綾香ちゃんも妹ですって、あそっか、芹香が妹なんだから綾香も俺の妹になるわけだよな
なるほどなるほど」
めちゃくちゃあせったぜ。
「……‥・」
「いつか本当に兄妹全員で食事がしたって、そうだな芹香」
やっぱり先輩(モノローグではまだ馴れないので先輩だ)はやさしいな〜
なでなでしてやろう!
「ぽっ」
「いいな〜」
あかりがつぶやいた、そしてあかりも含めて全員うらやましそうな顔をしている…

とりあえず、先輩をなでなでした後、色々と一悶着があったがメシはうまかった。
午後の授業を終えて、帰り支度。
そういえば、雅史にまで兄呼ばわりされないで良かった…
弟なんかいらんからな…
**\(`д´)**
…‥・
さすがに、今日はショックな事が多かったので一人になりたかったから速攻で帰ろうと走った。
あかり達の声が聞こえたような気もしたが、聞こえなかったことに決定。
俺だって傷ついてるんだよ〜〜〜〜!!
傷心の俺は、ちょっくら河原で叫んでいると
「兄くん♪」
はう〜〜、つかまってしまった…
「綾香か…」
「何よ、イヤそうな顔しちゃって、こんな可愛い妹が優しく呼びかけてあげたのに」
「わるかったな…」
「いいわよ、なんとなく気持ちも分かるし。私もここには叫びに来たんだもん」
そう言って綾香がぺろっと舌を出してはにかんだ。
みんな傷ついてるんだよな… 俺も妹たちも…
「なあ、ところで一つ聞きたいんだが」
「なに?兄くん」
「それだそれ、何でみんな無理にそう言う風に呼ぶんだ?」
「??」
「お兄ちゃんだのアニキだの兄くんだの」
「ああ、そのこと。」
視線で話しの先を促す
「それはね、私たちがみんな浩之のことを男性として意識してるからよ」
「っ!!」
「浩之だって私たちのこと、それなりに女性として意識してるでしょ。だから、検査の結果がでるまでこれ以上親密な関係にならないようにするため、兄妹という関係を意識させるようにって事で、そう呼ぶことになったよ。」
「なるほど…」
一応納得しておこう、めんどくさいし… 頭痛いし…
「妹には全員会った?」
「ああ、あかりに委員長って保科智子の事な、レミィに理緒ちゃんに芹香、そう呼ぶように頼まれたんだからな、あと葵ちゃんに琴音ちゃん の七人だな」
「そう、七人とあったんだ」
「ああ、この展開で志保まで妹だったら俺は首つってたぞ」
俺は、まじめな顔をしていった
「そっ、そう。それは大変だったわね」
「ああ、おっとそろそろ俺は帰るとするか、綾香はどうするんだ?」
「私はもう少しボーとしてる、じゃあね兄くん♪」
「うっ、じゃあな綾香」

俺はまだ知らなかった、この後に起こるべき悲劇を…

続く(事は決してありません)

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初めまして、かづといいます。
SSはまだ五本目の初心者です。
東鳩は初めてです。おかげで、キャラがつかめないまま書いてます。
某華音でシスプリシチュエーションのSSを読んで、それならと思いつきで書いてみましたが
すでに誰か、書いてますでしょうか?
シスプリを知らないと読んでいてもあんまりおもしろくないですね。
いや、そもそも初心者の文章なんでおもしろくないって方が…

設定的には、全員と仲良くなってる系です(笑)
同時攻略です(笑)

続編はもちろん書きませんのでネタばれを3つ。

冒頭の夢は過去の出来事です。
この辺は、オリジナル設定ですね。
単に、芹香先輩を妹にするための方便です。

志保ですが、彼女ももちろん妹です。九人目です。
何故志保がいないのに食事をはじめたかというと、志保はあまりのショックで学校を休んでいるからです。この時点で、学校にいる妹が七人で全員だったというわけです。
仮に志保が妹でなければ、志保ちゃんニュースで騒いでいたでしょうしね(笑)。

ちなみに、実は新妹もでる予定でした。セリオとマルチの二人。メイドロボの二人が何故妹かというと…。まだ設定はありません。マルチは「おにいたま」、セリオは「兄君様」と浩之を呼ばせることだけは決めてるんですけど。
十二人目は、坂下ちゃんです(笑)。「にいさま」と浩之を呼びます。
坂下ちゃんは修行の旅に出ているため不在なのです。
(葵ちゃんに負けてしまって)

ではでは 最後まで読んでいただいた方ありがとうございます

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