祐介と電波(ガサ入れ!!)  投稿者:川村飛翔


このSSにおける注意

注1:何も知らない雫崇拝者は読まない方がいいです
注2:難しいお話アレルギーの方は読まない方がいいです
注3:専門家の方は重大なミス以外は突っ込まないでください(--;
注4:TAHファンは場所を気にしないでください
注5:彼らは朝早く起こされているので口調がおかしくなっています
注6:わからない単語は大志君に聞いてください


2000年1月×日某所。
リーフが今まで作ってきた作品の主役キャラが
某所こと風芽丘高校の教室の一角にて緊急召集が掛けられた。
時刻は5:40を過ぎている。
ん?風芽丘ってどこだって?何でそんな場所にって?
細かい事は気にしないで欲しい。
色々あって場所が他に取れなかったのだ。
とにかく、教室内に学習机を6個並べて簡易会議室を作成した。
教卓側の右から長瀬祐介、柏木耕一、伯斗龍二。
同所の左から藤田浩之、藤井冬弥、千堂和樹。
皆それぞれヒロインクリアと考えてくれ(龍二除く)。
まあ、とりあえず簡易囲みテーブルから少し教卓側に寄った所に
同じく学習机を置いた、議長席が置いてると思って欲しい。
え?ティリアはどうしたって?
異世界キャラをそうそうこっちの世界に呼べますかって。
新キャラ?
まだ呼べないよ。

冬弥「んで?結果的に男ばかりな訳?」
予想通りのツッコミ。

浩之「っていうか、人を冬休みの真っ最中に呼び出すな」
お怒りはごもっとも。

耕一「ところで、あんた誰?」
ナレーターにツッコミを入れないで。
とりあえず今回の司会進行はこいつなんだから…。

大志「あろ〜は〜諸君!よく集まってくれた!」
冬弥「…一人だけ、主人公外が混ざってる…」
それは言わない約束ですぜ、冬弥君…。

そう、今回のお話の司会進行は、和樹君と同様に
こみっくパーティーのキャラクターである九品仏大志氏である。

大志「その通りである!」
和樹「何だかなぁ…」
浩之「それで、一体何の用で俺達を?」
大志「まあ…焦らずに落ち着いて聞いてくれたまえ。
   今回は一部の人間のみに報告しておく、重要事項だ」
祐介「…重要…事項?」
眠そうな目の祐介君。

大志「ところで…我々ゲームキャラが生きていくために必要な物は、何か解るかね?」
祐介「う…制作者?」
耕一「女の子か?」
浩之「メシ」
冬弥「会社と資本金」
龍二「麻雀などの娯楽」
和樹「お前の基準じゃなかったらユーザー」
大志「フム。確かにそれも必要ではあるが…もう一つ忘れていないかね?
   吾輩らが生きていくために…と言うより、生きてきた証を立てるための物が!」
大志以外『生きてきた証?』
大志「その通りだ!ここまで言えば、諸君もお分かりであろう」
祐介「…分かりますか?耕一さん」
耕一「さあな…浩之はわかるか?」
浩之「いーえ」
冬弥「わかりません」
和樹「あいつの考えてる事はよく分からん」
龍二「点棒」
お前はだまっとれ、龍二。

大志「フッ…!判らぬのならば教えて進ぜよう」
浩之「早く教えろよ」
大志「それは……」
耕一「それは?」
大志「…設定だ!」
大志以外『せ、設定〜!?』

ズデッ!

大志「設定を甘く見てはいけないぞ諸君!我々ゲームキャラには、
   譬え些細なことでも、設定がなければただの抜け殻!
   そんじょそこいらにいるような街人Aにしか過ぎないのだ!」
和樹「あ〜、お前の言いたいことはわかった!んで、その設定がどうかしたんだ?」
大志「さすがはまい同志。吾輩の捲し立てにも動じぬか…。
   まあよかろう。その方が吾輩としても話を進めやすいからな」
冬弥「いつもこんな感じなんですか?」
和樹「ああ」
浩之「確かにそうだけどな…設定がなきゃ、俺達がナニモンかすらもわかんねーしな」
大志「物わかりが良くてよろしい。今回諸君に集まって貰ったのは、
   今も解説して進ぜた設定について、少々話して置かねばならないことがあるのだ」
耕一「話しておかないといけないこと?」
大志「うむ。諸君らの設定には、それぞれ特技と呼べる物があるだろう?」
耕一「俺は鬼(エルクゥ)の変身能力がある」
浩之「モノマネ…かな」
冬弥「…ない。普通の大学生だし」
龍二「麻雀」
和樹「俺は絵を描くこと」
祐介「…僕は電波使い」
大志「そう。若干一名を除いて諸君らはそれぞれ特技を持っている。
   だが…諸君らの事を調べていて、やや腑に落ちない点があった…」
和樹「腑に落ちない点?」
大志「その通りだ、同志よ」
冬弥「何で俺達のことを?」
大志「簡単だ…吾輩がヒマだったからだ」
耕一「なんだそりゃ」
祐介「どうやって調べたんですか?」
大志「なに、吾輩の知り合いに頼んで、諸君らの住む地域が
管轄の市役所にアクセスして、諸君らの資料を頂戴して貰ったのだよ」
和樹「それって、世に言うハッきむぐっ!」
大志氏の手によって和樹君は口を封じられております。

大志「この緊急事態に比べれば、この様な行為の事件性など赤子の遊戯に等しい」
浩之「そんなに凄いのか?」
大志「無論だ。この事態が全てのユーザーに向けて発信されれば、
   この世に存在する全ての葉っぱ小説の内、約三分の一が矛盾をきたしてしまうからだ!」
冬弥「そりゃまたハードな…」
和樹「むぐっ!むぐぐっ!」
大志氏の手によって(以下同文)。

大志「よって、情報の伝達速度が男よりも激しい女性キャラには、
   今回の召集には遠慮して貰ったのだ。あまり八方に広がると後がまずい」
浩之「特に、志保なんかに知られたら、3日後には全部の女性キャラに広がってるぞ」
祐介「新城さんにも、気をつけないと」
耕一「つまり、情報の流出を防ぐためにこういう所に集まっていると」
大志「いかにも!」
浩之「どっかに隠しマイクでも仕掛けてあったりして」
大志「その心配は無い。吾輩が会議開始前に教室中を調べて置いた」
和樹「ぐぐっ…ぷはっ!…はぁ…はぁ…そこまでやるか…」
大志「先に断って置くが、この内容については…既知のユーザーもいる…」
冬弥「それじゃ、あまり意味がないじゃん」
大志「譬えそうであっても、我々はこの事態をきちんと認識しておかなければならないのだ!
   それが、常に設定に振り回されている我々に出来る事なのである!」
和樹「またあっちの世界にイッちゃってるぞ、大志の奴」
あの…そろそろ終わんないと、ここの教職員や生徒が来ちゃうぞ。
バスケ部や剣道部、護身道部の朝は早いんだから。

大志「ふむ。どうやら時間もあまり無いようだ。
   前置きはこのくらいにして置いて…そろそろ本題に入ろう」
浩之「おう」
大志「単刀直入に言おう。諸君らの中に、一人だけ設定がおかしな者がいる」
耕一「俺か?確かに現実的じゃ無いけどさぁ」
大志「キミでは無い。キミのような設定は例外中の例外だ。
   確かに、その人物の設定も、基本の物理法則的には例外なのだが…。
   現実で可能だとしても、実におかしな点がある」
和樹「しょっちゅう物理法則をねじ曲げているお前が言うな」
大志「そこら辺の事に関しては、吾輩独自の物理法則が働いているので問題はない。
   そう…。一人だけ、現実にある物理現象を使用しているそうだが、実は違うのだ」
冬弥「現実にある物理法則…?」
大志「…波動力学と電磁気学を身体で覚えた者…長瀬祐介君、キミだ!」
祐介「えっ、僕!?」
大志「過去に遡って、君がゲーム中に説明文で喋った事を書き留めさせて貰った」
祐介「どうやってそんな事を…?」
大志「吾輩の力だ」
耕一「げに恐るべしオタクの力…」
大志「吾輩の記したメモによるとだ…キミは電波が放出されるときは
   電気の粒子…即ち電子が見えていると言っていただろう?」
祐介「(回想中)…確かに、そんな事を言ってた様な…」
大志「…今はどうかは知らぬが、あの時本当にそう思っていたのならば…語るに落ちている」
祐介「それって、どういうことですか?」
おいおい…長くするなよ。

大志「いいかね?電波というのは導体に高い周波数の交流電流を…まあ、分かりやすく言えば
   導体の線の中を、電気の粒子がもの凄い速さで往復している所を想像して欲しい。
   とにかく、そうする事により、導体中に流れる+と−の電子の往復運動により、
   電子から発生する電界(電子のエネルギー)が高速で逐一空間に放出されていくのだ。
   動きが見たければ、風呂場で水面に両手を半分だけ入れ、拍手をすればいい。
   同時に、電子の流れによりアンペア右ねじの法則に従った磁界が、
   電流の流れる角度から直角方向に向かって放出される。
   次に、電磁波の一次放出が終了すると、今度は電界と磁界がそれぞれ反対の流れを
   組みながら、一次放射の後を追う形で電磁波の二次放射が行われる。
   我々が電波を表す線に波線を用いるのは、このためなのだ。
   電波というのはこれを繰り返して、我々が活動している空間に放出される。
   要約すれば、電波は電気の粒子ではなく、電気と磁気エネルギーで構成されているのだ!」
冬弥「な、長い…」
…同感。

祐介「…つまり、僕が操っているのは、電波じゃないと…」
大志「電波はあくまでエネルギーであって、電子が空間を飛んでいるわけではない…。
   1864年にマクスウェル氏が電波の存在を予測し、1888年にヘルツ氏が存在を確認。
   同年にはマルコーニ氏が電波の通信への応用と技術改良を発表している。
   今まで100余年の間に、電波の性質は彼らによって大まかではあるが解明されている。
   そこまで人類が研究してきた成果なのだ、間違いはあるまい」
耕一「細かいなぁ…」
耕一君は少々引いております。

大志「もしも…キミの使用している物が本当に電波だとしたら、無闇に使用してはいかん。
   電波は性質上、広い範囲に伝搬し、使用できる周波数帯も有限(0〜3000GHz)だ。
   すなわち、電波は絶対的な公共物なのだ!
   我が国の電波法(1950年6月1日に制定)や国際電気通信連合の定めた条約にも、
   電波は必要な通信以外に放出してはいけないことになっている」
祐介「…そうだったんですか?」
大志「キミの頭の大きさを想定すると、放出可能な周波数は…
   半波長で計算して…そうだな…750メガヘルツの辺りだろう。
   その辺りは確かテレビチャンネルの…UHF57チャンネルの周波数…。
   ふっふっふ…見事に公共物の周波数に引っかかっておるぞ…」
あーもーいーってば。

浩之「ところでさ、祐介が使ってる電波の正体って、結局何なんだ?」
和樹「そこまでウンチクたれるなら、答えられるんだろうなぁ?」
祐介「そうですよ!」
大志「…それはな」

シィー…ン…

大志「…知らん」
和樹「こらこらこらこらこら!」
浩之「テレパシーとか、そんなんじゃねーのか?」
祐介「僕が言うのも何ですが…それも違いますね」
龍二「…何、簡単な事だ」
ん?

龍二「祐介君の使っているのは、まごう事無く電波で、
   電波の性質が普通の物とは別物、だと考えればいい…」
大志「だが、それでは彼の見えている電気の粒子の説明が付かないが?」
龍二「なあに…それも簡単な事…」

ガサゴソ…ガサガサ…!

どうやら何か捜し物をしているようです。
龍二君が何かを取り出した様ですね。
彼の手には、何故か透明なビニール袋が握られています。

龍二「電波を使ってる時って、要はイッちゃってるんだろ?だったら…」

龍二君は手にしているビニール袋の口を手で締め、口元に袋の口を密着させます。
彼はそのまま、片手で袋のお尻を押さえ、袋の空気を吸ったり吐いたりしている様です。
この光景は…これは正しく、かつての不良の伝統芸…!

龍二「つまり…脳が侵された者だけが見える幻覚と言うことだ…」

オイオイオイオイ…。
だめだこりゃ。

                                      参考資料:コロナ社著作「通信技術」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ども、川村飛翔です
2000年初っ端のSSがこれかいと思いつつ(--;
一発系がネタ切れ起こしてたのでこんなのが出来ました(汗

ここしばらくの間もSSの書き溜めを続けております
次郎衛門が辿った時代の新説が語られ終わるのも
もうしばらくかかる事でしょう
500余年前の新事実が語られ終わる時…全ての謎が解けるはず(?)
ある程度書き進みましたら再度マルチライダーの方を再開いたします
興味がおありの方は過去ログにて
では

PS
レス及び感想を返すのは困難な為
今回はナシ m(__)m


>まさた館長様
タイトル:祐介と電波(ガサ入れ!!)
コメント:ええい!祐介の電波はパチモノか!?
ジャンル:ガサ入れ(?)/雫からこみパまで/祐介、大志、龍二等

にてお願いします

http://members3.cool.ne.jp/~khrj/