本当に起こったらイヤすぎる TH 編 投稿者:川村飛翔
CASE 1:来栖川芹香&藤田浩之

今日も俺は来栖川先輩に連れられて、このオカルト研究部にやってきた。
「………」
「えっ?今日は幽霊部員の皆さんを紹介しますって?」

…こくん。

先輩の所属するオカルト研究部の幽霊部員か…。
春休みの時の降霊会の時にもその部員達は居たみたいだけど、俺にはさっぱり見えてなかった。
やっぱり幽霊部員なだけに、本物の幽霊なんだろうな〜って言葉もギャグじゃ無くなるぜ。
俺の推測が正しけりゃ、あいつらモノホンの幽霊なんだろうな……。
「…………」
「え?それでは儀式を始めます…って先輩、儀式って?」
何も言わないまま、先輩は部室の戸棚の中から箱を取り出して、そっと箱を開けた。
箱の中には一本の針らしき物が大事に保管されていた。
「ねえ先輩、これ何?儀式の道具か何か?」
「………」
「え?この針を身体に刺すって?それが儀式なの?」

……こくこく。

「…………………」
「ふんふん。この針には特殊な魔法の薬が塗られています?
この針を刺す事により、彼らを見る事が出来ますって?」
「…………」
「え?個人によって副作用が変化しますって?それってどういう事?」
「………」
「え?やってみれば分かりますって?ふ〜ん。だったら早速やって見るか」
「……」
どうぞ、と言う先輩の言葉に従って、俺は箱の中の針を手に取った。
「ところで先輩。幽霊部員って、みんなこの部屋に来てるのか?」
「………」
「え?来てますって!?浩之さんと話がしたいだって?」
「…はい」
幽霊に好かれちまうとは……俺、本当は幽霊って苦手なんだよなぁ。
でも、こんな事が志保にバレちまったら、俺は数分後に全校内の生徒の笑いのタネにされる……。
…………やめよう。こんな事考えててもしゃーねーしな。
俺は手に取った針をぷすっ、と自分の右腕に刺した。


……数分後。


まだかと思いながら待っていたら、やがて部屋中に人影が俺の目に映り始めた。
幽霊部員の姿は、時間を掛けるに連れて徐々に鮮明になってくる。
俺はその姿をしっかりと凝視した。
だが、その姿には全部見覚えがあるような気がする。
人間の形をしてるけど、体が赤い色してて上半身は鳥の姿、体に火が付いてるヤツ。
とりあえず人間の形に近い様だけど、鎧つけてて体がどうも緑っぽいヤツ。体にムチが付いてるな。
デカくて4足歩行、体が岩で出来てる様に見えるヤツ。犬に見えない事も無いな。
全身を鎧で覆ってて、何だか見てて暑苦しいヤツ。肩の車輪が顔に刺さったりしないしないのか?
岩で出来てる体から数箇所だけ緑色の素肌が出てるヤツ。上から見ると頭はまるで将棋の駒だな。
簡単な鎧を着て、真っ赤な目をしてて、黒い長髪がやや逆立ってるヤツ。なんか肌の色が青っぽい。
先輩の方をちらっと見たら、先輩の手の上には紫色をしたデカイ糸ミミズが動いてる。
……俺は幽霊部員の正体が何なのか、今はっきりと分かった。
確かに普通の人間にはこいつらは見えんわな。
……つーことはだ、俺にもこいつらと同類のヤツが身に付いてるって事だよな?
そう思った俺は試しに、心の中で出てこい、と念じて見る。
すると、急に背後に気配が現れたので思わず振り向く。
そこには……俺も知っているヤツがいた。そいつの事を俺はよく知っていた。
こいつの得意技(能力)は、大人の人間を子供にする事……。
「…………」
「えっ?呼び出した者の能力は自分の深層心理にある趣味や考え方などが反映されますって?」

…こくこく。

という事は……という事はつまり……つまりそういう事で……。
「ううっ……いやだぁ!!俺にそんな趣味はねぇ!!」
俺は何が何だか分からなくなり、俺は無我夢中でこの場を走り去った……。

その翌日。
誰の口からかは知らないが、俺に近寄ると男女構わず子供にされ、
色々危ない事をするアブノーマルなヤツだ、と言う噂が学校中で飛び交っていた。
あかりですら、声は掛けるが俺に近寄ろうとはしなかった。
俺は自分を避けるヤツがいる度に『違うんだぁ!!』と叫びつづけた。
そして、レミィが教えてくれた『人の噂も75日』の言葉通りに、
2ヶ月後には、俺を避けるヤツは(とりあえず)一人もいなくなった。
逆を言っちゃえば、誤解が解けるのに2ヶ月掛かったとも言う。
だが、俺に重くのしかかった「アレ」は、まだ消え失せてない筈だ。
何故なら、オカルト研究部に住みつく幽霊部員が、まだ俺には見えるからだ………。


CASE 2:雛山離緒

「遅刻遅刻!バイトに遅れちゃう〜っ!!」
おや?あの声は離緒ちゃんか。今日もバイトで忙しそうだな。
ここで声を掛けたらまたコケたりしそうだから、とりあえずそっとしておくか。
「遅刻遅刻〜っ!………きゃっ!」
突然離緒ちゃんの体が前に傾いた。危ない!

シュン!パシッ!
ザクッ!!

……俺はとんでもない光景を目にしたのかも知れない。
傾いた瞬間に彼女の手から離れて、2mは先に行った鞄を手でつかんだ。
ただし、その時に腕も2mくらい伸びている。
今彼女の傾いた体を支えているのは、彼女の急速に伸びて硬くなった2本の前髪の束だ。
…でもまあ、このくらいの事なら他に誰か他の人が同じ事やってるな。
俺はそのまま立ち去ろうとした時に、離緒ちゃんの声が耳に入ってきた。
「う〜ん…う〜ん……」
ん?おかしいな、どうしたんだ?
「うう〜〜ん………え〜ん、抜けないよぉ……」

……ナヌ?

俺の体は離緒ちゃんのセリフと共に硬直する。
「え〜ん……!どうしよぉ…このままじゃバイトに遅れちゃうよぉ……!」
なるほどね。髪の毛を地面に刺して姿勢を保ったのはいいけど、
地面に深く刺さり過ぎて抜けなくなっちまったって事か。予想だけどな。
「う〜ん……う〜ん………!」
俺は何とか首をぎぎぎぃっ、と動かす事に成功し、離緒ちゃんの方を見る事が出来た。
振り向いた俺の視界に入ってきたのは、地面に刺さった前髪と格闘している離緒ちゃん。
俺の予想通りだった。

……仕方がない、手伝ってやるか。


CASE 3:HMX−13

ある雨の日だった。
俺が何となく川の近くにある道を歩いていると、川のほとりに一度見た顔があった。
マルチと同じセンサーを耳に付け、寺女の制服を着たメイドロボ、セリオだ。
彼女も俺と同じ様にカサをさしているけど、それでもセリオは結構わかりやすい。
俺はしばらくの間、ほとりに佇む彼女の様子を見ていた。
一体何やってんだと思ったその数秒後、

ばじゅっっ!!

「うわっ!」
奇怪な音と共に、俺の視界が突然深い霧に覆われた!
俺は川に向かって走ってみたが、なかなか霧は晴れない。
多分、この霧の発生源は川からだ。
俺が五里霧中の状態に陥ってる時に、冷静な声が聞こえてくる。
事件の発生前の状況を考えると、この声はセリオの物だな。
まさか、彼女がこの霧を作るような事をやったのか?
俺は真相をつかむ為に、耳を澄ましてみると、
「降雨の為にマイクロ波の周波数が変動し、正確な同期が取れなかった模様です。
マイクロ波の送信機が誤った座標に電波を送信した為、受信地点が手前の川までズレました。
川の水はマイクロ波に触れて蒸発、周囲は高濃度の霧に見まわれました。
長瀬主任、以上が今回のテストの結果報告です。」

………ガン○ムXのサ○ライト○ャノンかよ。
そもそも、これは一体何のテストなんだ?
よく分からんが、とりあえずこの事は見なかった事にしておこう。
俺にはもう、自分が何言ってるのかすらよく分からん……。
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ども、川村飛翔です。
何日・・くらい間が開いたかな?
とりあえずできる限りのレスです〜
私も本当に〜シリーズが終わったら何か作品を作り上げます。
プロットは出来てますから(汗


>>賃借天さん lf98シリーズ
なんだかKOFのイメージが拭い切れないのはなぜだろう?

>最初、千鶴の料理の腕がまともになったというギャグものかと思ってました。
それはないでしょう。普通は(笑)

>おや、ツメ30センチは長すぎるんじゃないか? と思ってたら。
>やっぱこうなりましたか(笑)
>まあ、彼ならすぐに治るでしょう。
そーですね・・・

>>久々野 彰 さん
がんばってますね。
これからも頑張ってください。

>視点がいいです。確かに、痛そうです。根本から剥がすと。
>ただ、こいつらはすぐに蘇生すんですよね。羨ましい(笑)。
鬼ですから(汗

>>鬼狼伝シリーズ  vlad さん
はてさて、強さの果てには何が残りますか・・・

>心は強いんでしょう(やな強さだな……)
その割には弥生さんに滅多うちにされてたような・・・
彼のMINMESは低そうだな

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