俺こと柏木耕一は、大学が夏休みなのを利用して隆山に来ている。 正確に言ったら、梓に呼ばれてやってきたんだけどな。 この隆山には、ある思い出がある。 今から、約1年前のこと。 俺の従兄弟に当たる、千鶴さんのおかげで、 自分の中に宿る鬼の力を使えるようになった。 話を戻そう。 梓に電話で呼び出された内容を簡略化したら、こうだ。 『千鶴さんがまともになった』 なんだかわかんないけど、梓の料理も食えそうだし、 初音ちゃんや楓ちゃんにも会えるから、俺は遠路はるばるやってきた。 そこで起こった事に、俺はビックリしてしまった。 楓ちゃんの様子までおかしかったんだ。 梓と初音ちゃんが楓ちゃんを責める光景をみて、俺はただ呆然としていた。 その様子を見ていると、楓ちゃんが急に凶悪な喋り方をしだした。 そして、楓ちゃんが俺達に襲い掛かってきた。 梓が楓ちゃんを殴って気絶させると、楓ちゃんから黒い何かが現れた。 俺は、こいつに角が生えたコウモリみたいな印象を受けた。 そいつは何か言葉を残して、どこかに消えた。 その後、楓ちゃんの記憶からたどると、千鶴さんは鶴来屋にいるらしい。 梓の強引な行動で、俺達は夜も遅いのに鶴来屋に向かった。 俺達は鶴来屋にたどり着いて、千鶴さんに会う事はできたが、 千鶴さんは何かよく分からない事を言ったと思ったら、急に俺達に襲ってきた。 俺達は何とか千鶴さんを傷つけずに気絶させる事に成功させた。 やがて気絶した千鶴さんの体から、黒いモヤみたいな物が湧き出てきた。 そのモヤは徐々に形を作る。2足歩行の生物のようだ。 そいつは、ついさっき柏木家で見たヤツとおんなじ顔をしていた。 奴も千鶴さんと同様、俺達に襲ってきた。 こいつには、別に気絶させる必要なんてない。そのまま倒してしまえばいい。 鬼の力を手に入れている俺はそこで、ある一つの疑問が頭を過ぎった。 柳川と同調していたときに見ていた夢の中で、 千鶴さんが爪を伸ばして攻撃していた光景を、俺は覚えている。 同じ鬼になれる俺だったら、同じ事が出来るんじゃないかってな。 俺はさっそく、鬼の力を少し解放して、自分の爪を30cmくらいまで伸ばしてみた。 思った事は即実行、俺は目の前の黒いヤツにめがけて爪を振り下ろした! ザクッ! ベギッ!! 確かに手応えがあった。 ヤツの身体は2つに断たれていた。 しかし、同時に俺の指先にもなぜか痛みが走った。 謎に思った俺は、爪を伸ばした方の手を見た。 なんと、爪が無かった。 俺の指先から大量の血が溢れていた。 俺の爪は地面に落ちていた。 「うっぎゃああああ!!!」 情けない事に、俺の爪は切り裂いている最中にヤツの身体に引っかかってしまい、 そのせいで俺の爪は耐え切れなくなって、はがれてしまっていたんだ! 「あっぎゃああ!!」 痛くて、とても何か考えられていられる状態じゃない!! 俺はそのまま痛みが引くまでのた打ち回った・・・。 「爪の伸ばし過ぎです・・・・」 絶叫する俺の耳に、楓ちゃんの呟きが聞こえたような気がした。 この戦いで俺は、一つの経験を身に付けた。 『爪はあまり伸ばさないようにする』 よし、これでOKだ。よかったよかった。 (絶対何か違うぞ!! by 耕一が後で出会った浩之) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− こんにちわ。 いま大急ぎでの投稿です(TT) 短時間でのレスです(汗 本来の彼らの爪は、恐らく骨が変形したものなのでしょう(笑) >久々野 彰さん 『笑いあえたら 〜晴れの日も雨の日も〜』 ん〜・・・なんかほのぼのしてますねぇ >takatakaさん 『To Heart』PC版>PS版差分 8(マルチ篇) な、なんかむごい・・・ような・・・ vlad 鬼狼伝(29) なんか先頭に一番使えないほわるばの連中が多いような(汗 それでは、失礼します。 次の作品は東鳩編の連発です