お茶の間ハトハト劇場EX「雅史の受難!コレがあたしの生きる道」第3話  投稿者:小林 道友


これまでのあらすじ
先輩の新しい魔法の失敗で、実験台になっていた雅史がなんと正真正銘の「女」になってしまった。
途中志保の妨害が有ったモノの無事あかりと先輩が滅殺してくれて志保には知られずに済み
雅史は精密検査を受けることとなった・・・・

お茶の間ハトハト劇場EX「雅史の受難!コレがあたしの生きる道!?」第3話
     (SEとともに空中にマルチの手が浮かび、タイトル)
             「雅史の思い」

その1時間後、来栖川総合病院スポーツメディカルセンター。
俺とあかり、それに先輩はかれこれ1時間近く廊下のイスに座り込んでいた。
時々あかりが俺に話しかけてくるだけで、先輩は言うまでもなく、俺も自分から口を開こうとしない。
「浩之ちゃん・・・・雅史ちゃん、本当に女の子になっちゃったんだろうか?」
あかりが紙コップに入ったガラナをちびちび飲みながら俺に心配そうに話しかける。
本来なら俺は今頃あかりと夕飯前のAhyaeh!な事に及んでいるハズなのに・・・・
いやあかりのおばさんの妨害(イタズラ)がなければ、だけど。
あのひと一部では「天才を越えた天然」と言われるだけにとんでもない性格してるよなぁ
(そりゃあかり違いだ、浩之。By小林道友)・・・・。有る意味千恵美さん以上に危険な存在かも。
よくあの人からあかりの様なデキた娘が生まれたものだ。
「雅史の股間を見た限りじゃあ・・・・・お前と同じ、女の子がついてたぞ」
あかりが赤面して俺の脇腹を小突き、先輩の方に済まなそうな表情をして頭を下げる。
先輩は何も言わずにただ苦笑している。
「それよりもあかり・・・・琴音ちゃんにはどう説明すっかだな・・・・」
「うん・・・・多分信じてくれないだろうなぁ、今から頭が痛いよ・・・・」
雅史の奴が琴音ちゃんとつきあい始めたのはいまから約一月ほど前の事
最初びっくりしたけどまあ、今となってはお似合いのカップルだと思っている。
琴音ちゃんって思いこみが激しい所有るから、どう説明していいのやら・・・・・。
ヘタをすると怒りだして滅殺、などという事になりかねない。
俺はともかくあかりまで巻き込むわけには行かない。
はあ、と俺が大きくため息をついたその時だった。
「あれ・・・藤田さんに、神岸さん、来栖川先輩まで、どうしたんですか?」
その声を聞いた瞬間、俺達はまさにギギギギギギ、と首の骨が音を立てそうな程
ぎごちなく声のしたほうを向いた。
「こ・・・・琴音ちゃん・・・・・」
噂をすれば影、ご都合主義ここに極まれり。問題の人、琴音ちゃんがそこにいた。
「琴音ちゃんこそ、どうしたの?」
見ると私服姿、何かの用事でここに来ているようだ。
「いや、親戚のおばさんがここに入院していたので・・・お見舞いに来たんですけど」
「ふーん・・・・」
と、あかりが軽く俺の脇腹を小突く
「・・・・・(浩之ちゃん、どうするの?)」
「・・・・・・・・(どうするって、ここで話すのか?)」
「・・・・・(だって、雅史ちゃんも・・・・)」
「・・・・・・まだ本当のことは解ってないんだから、何とも言えねーよ」
思わず口に出る。
「本当のことって・・・・・まさか、佐藤さんが?」
琴音ちゃんの顔が、さっと青ざめる。
「まさか・・・大けがをして今手術中で、そんな事になっていたら」
どんどん妄想が悪い方向に走っているらしい。
「・・・・・(ホントの事、話そうよ)」
「・・・・・(先輩がどう出るかだな)」
と、その時、診察室のドアが開く音が聞こえた。
「・・・・・・」
見ると、雅史がやっと出てきたようだ。
なんだか動物のお医者さん(もしくは「おたんこナース」)」よろしく
顔面に思いっ切り縦線が入って居るんですけど・・・・。
「うう・・・・浩之ぃ・・・・」
なぜかだっ、と俺に走りより、ぎゅうっと抱きつく。
その瞬間、辺りの気温が9度ほど下がったのは言うまでもない。
エルクゥの血を引いてるんかい、あんたらは。
「ほんとに・・・・ほんとに女の子だって・・・・・・」
雅史は先輩の予備の制服を着たまま、俺にぎゅうぎゅうと抱きついてくる。
だから、心まで女の子しなくてもいいだろ、雅史。あ、ノーブラの胸の感触が気持ちいい・・・・。
「あの・・・・藤田先輩、誰です?この女の子は?」
琴音ちゃん、なんだか恐ろしく冷たい視線を俺に投げかけてくる。
こうなると、あかり以上に怖いんだよなこの子。
俺は黙って雅史の肩をつつくと、雅史の頭を琴音ちゃんの方に向けた。
「雅史、お前の彼女が来てるぞ」
「雅史・・・・・・・って、藤田先輩。ふざけないで下さいよ。なんでこの子が・・・・・」
状況を信じられないでいる琴音ちゃんに、俺とあかりははぁっ、と大溜息をつかざるを得なかった。
この状況、どう説明したらいい?
「・・・・・・・・・・・」
「わっ!」
と、いきなり俺の後ろから蚊の泣くような声、来栖川先輩だ。
「・・・・・・・・・・・・・」
「『私から説明します』?頼むよ、先輩」
「・・・・・・・・(こくこく)」
先輩、琴音ちゃんと向き合っておもむろに口を開く。
はたしてちゃんと琴音ちゃんが聞き取れるのか?このときばかりは
琴音ちゃんが読心術を使えないのが歯痒かった。いや、せめて彼女が超能力者じゃなくて
ニュータイプなら・・・・
ぎう
「浩之ちゃん、変なこと考えてないでよ・・・・・」
あかりが俺の尻を思いっ切りつねる。
「あのなぁ・・・・」
そうこうしている間に先輩の琴音ちゃんに対する事情説明は終わったようだ。
「・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・(汗)」
「・・・・・・(こくこく)」
先輩から事情を聞かされた琴音ちゃん、すっかり固まっている。
このままひびが入って砂になって消えてしまいそうだ。
そりゃそーだ、マンガじゃ有るまいし男が正真正銘の女になるなんて常識じゃ考えもつかない。
まあ、先輩と言う人に世間一般の常識は通用しないけどさ。
雅史は怯えるようにして俺の後ろに隠れている。だから、ここまで女の子しなくてもいーだろーが、雅史。
「・・・・・・・・・」
「え?『私が責任をもって元に戻します』?当たり前っしょ!」
なんだか琴音ちゃん、えらくむっと来ているようなんですけど・・・・・・。
先輩、琴音ちゃん怒らせたら怖いんだからさ・・・・・・・。
こういう状況になると、先輩の態度って腹立つよなぁ。
「で・・・・・ここにいる女の子が・・・・・・・(⌒_⌒;)」
先輩から事情を聴き終わった琴音ちゃんが、顔に縦線を走らせてゆっくりとこちらを振り向く
額は冷や汗だらけだ。
おもむろに近づいて、琴音ちゃんは雅史の胸に手を伸ばした。
むぎゅむぎゅむぎゅっ。
「あんっ」
いきなり感じている雅史に、俺もあかりも完全にあきれている。
だが、琴音ちゃんの顔の縦線はより大きくなったようだ。
そのショックの程は、彼女が唐突に独り言をつぶやき始めた事から想像できた。
「・・・・・・・・・・・・・・・私より・・・・・・大きい・・・」
「・・・・・・気持ち解るよ、琴音ちゃん。私も・・・・・・」
なぜかあかりが近くに寄り添い、お互いに手をひしっ、と握る。おお、美しき女の友情?
「神岸さん・・・・・・彼氏が自分よりおっぱいおっきくなったなんて、信じられます?」
「お互い・・・・・・胸で苦労するね・・・・・・」
「はい・・・・・・。だけど」
琴音ちゃんの言葉に、あかりの表情が微妙に変わった。
そのまま琴音ちゃん、あかりの胸を鷲掴みにする。
ふにふに。
ぴしっ!
なぜか、あたりの空気がネガポジ反転して凍り付いた。
どうした琴音ちゃん、今度は脂汗まで出てきたぞ。
「神岸さん、胸何センチです?」
「82cm・・・・・・だけど」
お、あかりもそれでもかなりでかくなったんだな。
でも、鯖読んでる可能性も有るけど。
いきなり琴音ちゃん、その場にがっくりと崩れ落ちる。
「うう・・・松原さんやマルチちゃんや雛山さんには勝っているはずだし、どうせ
来栖川先輩や長岡さんや保科さんや宮内さんには勝てないと思っていたけど・・・・神岸さんには・・・
神岸さんには勝っていると思っていたのに・・・・・・5cmも負けてる・・・」
ぴしっ!ぴしぴしっ!
あかりの表情がひきつった、こめかみに青筋が浮かび、眉間にシワが寄っている所から行くと
かなり頭に来ているぞコリャ。
「琴音ちゃん・・・・・・」
ひきつった笑顔のまま、あかりがあくまで穏やかな口調で琴音ちゃんに話しかける。
「はい?」
「・・・・・・滅殺だよ☆」
ドカパキゴキグシャメキボカペキベシグシャミシビキグチャ。
             「犬」
             「天」
数分後、生ける屍と化した2人の姿がそこにあった。
「所詮、女の友情って言うのはこんなの物なのだろうか・・・・・・」
俺は血だらけで目を回しているあかりを助け起こしながら、この日何度目になるか解らない
溜息をふう、とつく。溜息は命を削るカンナ、あまり溜息ついちゃダメよ。などとレミィ辺りに言われそうだが
コレばかりは溜息をつかずにいられなかった。
と、いきなり背中に柔らかい感触。こ、こりはひょっとして・・・・・・
「浩之・・・悩まない方が良いよ」
「雅史・・・・?」
先輩かと思ったら期待して損した、お前の生乳の感触はいいって言うの。
そうと知らずに雅史は俺の背中に胸をぎゅうぎゅうと押しつける、ぐ・・・乳首の感触が・・・
これ以上やられてたまるかい、と俺が肘うちを喰らわせようとした時だった。
「さーとぉさ〜ん」
「まーさーしーちゃーん・・・・・・」
それまで死体と化していた2人がゆっくりと立ち上がる。目が尋常でない光を放っているぞ、お前ら。
「あの・・・・・・」
「滅殺だよ」
ドカパキゴキグシャメキボカペキベシグシャミシビキグチャ。
             「狗」
             「天」
雅史よ、安らかに眠れ・・・・・・
ToBeContinued

あ・と・が・き☆
マルチ:「あのぉ・・・道友さん?」
道友 :「なんだ?マルチ」
マルチ:「あの・・・・なんで琴音さんが雅史さんの彼女さんなんですか?」
道友 :「まあ、ある筋からリクエストが有ったから、ただそれだけ。」
マルチ:「でも、アニメ版のアレは不評だったようですぅ、滅○会のみなさんから
    抗議されても知りませんよ。」
道友 :「まあ、な。でも雅史に彼女を作るとしたら琴音がイメージ的に有っている気が
    するのよ、これが。志保やレミィや委員長だと似合わないっしょ?」
マルチ:「まあ、そうとも言えますけど・・・単に滅殺ネタをやりたかっただけなのでは?」
道友 :「ぎくぅっ!」
マルチ:「でも、なんか悔しいですぅ。あそこまで胸が無いって明確に言われたら」
道友 :「・・・・・・なんかろくでもないこと考えてるな?」
マルチ:「・・・・・・。決めました!」
道友 :「!?」
マルチ:「豊胸手術ですぅ!こう、胸とお尻を15cmほど増量して☆」
道友 :「ち、ちょっと待てぇい!」
マルチ:「私、ロボットですから。ロボットだから胸にシリコン入れても文句を言われる
    筋合いはありません!止めても無駄ですぅ!」
どだだだだっ
マルチ、退場。
道友 :「・・・・・・お前が胸でかくなって喜ぶ奴がどれぐらい居るのよ(実は嬉しい)」

次回予告
素性を隠して生活を送り始めた雅史、だがその行く末に様々な障害が待ち受ける。
体は女、心も女になってしまった雅史に、いきなり惚れる奴がいた?
いけ琴音、やってしまえ琴音!世間の迷惑顧みず、恩知らずの彼氏に正義の鉄槌だ!
次回、お茶の間ハトハト劇場EX 第4話「戦慄の矢島」
風は真実を覆い尽くす・・・・・・

>久々野 彰さま
>続きましたか(笑)。いや、個人的に「続いたら、どうすんだろ?」と続きをあれこ
>れ考えていたもので(爆)。私には書けません(笑)。因みに元ゲームプレイしたことな
>いんですけどね(爆)。1だけ小説版では読みましたけど・・・。
で、また続きました(笑)、僕も元ネタについては小説版ちらりと読んだだけですけど(^^;;;
元ネタ通りだったら雅史がとんでも無いことになってしまうし(爆)
久々野さんが考えられていた続きって一体どんな話だったんでしょうか?
なんだか凄くきになるんですけど(^^;;;

では。