猫戦記(仮) 投稿者: カズ【ケイブ・ニャン&ケイブ・ワン】  投稿日: 8月30日(日)20時01分
注)女の娘=女の子とお読みください。誤字ではありませんので・・・。
 
 ある雨の日の夜、一人の男は晩御飯の「牛カルビ弁当」
を持って上機嫌で帰宅しようとしていた。
「くぅ〜、今日は週に一度のカルビ弁当だぁ〜。この日を
 どれだけ待ったか・・・。」(うるうる)
 男の名は「天城和久(あまぎかずひさ)」19歳。声優を
目指し、アパートから二駅離れた専門学校に通っている。
 その日は唯一、和久がカップ麺ではなく弁当を買っても良いと
決めた日である。
「にぃーくぅー、にーくー、カルビ弁〜。はぁ〜・・、
 待っててね俺のカルビちゃん。もうすぐ胃の中に叩き
 込んであげるからね〜。」
 その場で作詞・作曲した歌を歌いながら和久は歩いていた。
るんるん気分で三丁目のタバコ屋の角を曲がると、道路の
角に何かが落ちているのを発見した。
「・・・・・・・・・。俺の好奇心レーダーがビンビン反応してる
 ぜ・・・。」
 あやしいとは思いつつ、和久は段ボールを開けてみることにした。
「そぉ〜と、そぉ〜と・・・・・・、がばぁぁぁーー!!」
まるで、女の子を待ち伏せしていた変態の様に和久は段ボールを
開けた。すると中には・・・・、
「うにゃ〜ん。」
「にゃへ〜・・・。」
二匹の仔猫と一通の手紙が入っていた。
「チッ!にゃんにゃんか。期待して損した・・・・。」
 和久は舌打ちし、その場を離れようとしたが、急に
立ち止まり、再び仔猫に視線を戻した。
「・・・・・・・・・猫鍋・・・・。」
和久は放送コードギリギリの笑みを浮かべた・・・・。
その笑顔を見た一匹が怯えている。もう一匹は毛を逆立て
戦闘態勢をとっている。
「冗談だ、誰が猫など食うものか。・・・・・ん?」
和久は仔猫と一緒に入っていた手紙に手を伸ばした。
丁寧に封を開け、中身を取り出し読み始めた。
「え〜、なになに・・・、この二匹を拾ってやってください。
 もう僕は疲れました。よろしくね。PS:この二匹を拾うと
 もれなく銀のエンゼルマーク”2枚”差し上げます。・・・・
 阿呆か!!」
封筒の底には銀のエンゼルマークが二枚入っていた。
アホくさっ!と和久はすたすたとその場を離れた。
「にぃ・・・。」
「にゃー・・。」
和久の肩がピクッと動く・・・。
「にゃん〜。」
「うみゃ〜・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・ぁった。解ったよ!!連れて帰りゃー
 いいんだろ!!ただし、一匹だけだからな!二匹も飼う余裕は
内にはねえ!!」
和久はそう言うと、茶色の癖っ毛のある猫を掴んだ。
「・・・・・ついでに貰っておくか。一匹だから・・・・・。」
銀のエンゼルマークを一枚だけ封筒から取り出しポケットの中に
入れた。そして今度こそ、その場を後にした。
「弁当冷めちまったよ・・・・・・。」


 コンビニから40分の所に和久のアパート「神楽荘」がある。
ちなみにこのアパートはペットOKである。少し郊外なのだが、
家賃が安くて部屋も広い所がある、と親父に勧められ入居する事にした。
「ふぃ〜・・、やっと着いた。」
和久がアパートの着いた頃には、もう9時半を過ぎていた。
が、神楽荘の入り口には一人の男がまだちょこんと立っていた。
「こんばんわ、和久君。」
「あっ、管理人さん。こんばんわ。」
和久に話しかけた男、緒方英二。このアパートの管理人である。英二と
和久の親父は大学時代の友人だとのこと。
「にゃー。」
「あら、どうしたんですその仔猫。」
「えっ、ああ、なんか捨て猫みたいで。なんとなく拾っちゃったん
 ですよ。」
「ふ〜ん・・・、そうですか。」
英二はマジマジとその仔猫を見回した。そしてニヤッと笑うと
「認められたんですね。」
「えっ?」
和久は何のことだか解らず聞き返すが、英二はニコニコ
笑い返すだけで答えようとはしなかった。
「(変な人だ・・・)と、ところで管理人さん、こんな時間に
 外にいるなんてどうしたんですか?」
「ああ、実は今日、新しい入居者が来るはずなんですけど・・・、
 来ないんですよ。ここに来る途中誰か見かけませんでしたか?」
和久はブンブンと首を横に振った。
「そうですか・・・。」
「どんな人ですか?その人。」
和久の質問に対しまたもや英二はニヤッと笑うと、
「名前は観月マナさん、現役女子高生の17歳です。」
「ほへ、女の娘ですか。そいつぁ楽しみだ。」
「そうですね・・・・。貴方には特に・・・・。」
またまた英二は意味不明な言葉を発しニヤニヤしている・・・・。
「そ、そうですねぇ・・・。(変な奴、変な奴、変な奴、変な奴・・・)」
和久は適当に解釈し、その場をそそくさと立ち去った。

(バタン
「お〜我が城へ帰ってきたぞ〜。たっだいまぁ〜。」
・・・・・し〜ん・・・・・・・
「・・・・・・・・うぅ・・一人暮らしは寂しいねぇ・・・。」
「にゃぁ〜ん。」
「お、そういえば今日からお前が居たんだよな。」
仔猫の首をゴロゴロした。
「うにゅ〜〜ん。」
「少しはマシになったかな・・・。寂しい毎日が・・・。」
友人は近辺には住んでいない、彼女もいない。和久の家での
暮らしは孤独だった。
「ふぅ・・・・・・・・・・・・・・・・ん・・・・。」
(寂しい?)
和久はふと考えた。
(この猫寂しくねぇのかな・・・?そう言えばもう一匹まだ
 いたな・・・・・。俺と同じ用にやっぱり寂しいのかな・・・?)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・そ、そうだ!保健所!保険所にでも連れて行かれたら
 酷だもんな・・・・・ハ、ハハハハハハ・・・。」
・・・不器用な男・・・・。
「うにゃ??」
「い、いいか!保健所に連れてかれたら何だか怨まれそうだから
 ・・・・、だからなんだよ!!」
素直に可哀想だからと言えばいいのだが、天城和久と言う男は
自分の優しさを表に出したくないという性格である。葛藤して葛藤した
あげく、結局は優しさに負けてしまう・・・・。
「馬鹿だな俺・・・・。家計厳しいのに・・・・・。」
和久は傘と仔猫を持って飛び出していった・・・・。
まだ立っていた英二を軽く嗜んで、仔猫を拾った場所へと
急いだ。

=〜20分後〜=
「ハァ・・ハァ・・・。」
仔猫を拾った場所に和久は来ていた。
・・・・・・・・・そこには一人の女の娘がいた。
腕の中には、仔猫が顔を覗かせている。
「うにゃ」
突然、和久の仔猫が鳴いた。
「あ、。」
女の娘が和久を見た。
「えっ・・」
和久も女の娘を見た。
「にゃにゃ」
女の娘の腕の中の仔猫も鳴いた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・暫しの沈黙・・・・・
「も、もしかして・・その仔猫ここで拾った子ですか?・・」
先に口を開いたのは女の娘の方であった。
「う、うん。で、でも何で解ったの??」
「これ・・・・」
女の娘の手には一通の封筒が握られていた。
「この中の手紙に、二匹って書いてあったから・・・」
「ああ、なるほど・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・暫しの沈黙・・・・・・・・
「ところで!」「ところで!」
二人は同時に口を開いた・・・。
「ど、どうぞ・・・」
「あ、うん・・。その仔猫どうすんの?」
「飼います・・。幸い引っ越したアパート、ペット
 OKなんで・・・。」
「あっ、うちのアパートもペットOKなんだ。おっと、じゃぁ
そちらもどうぞ」
「あ、はい。こ、この近くに神楽荘って言うアパートありませんか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ど、どうして黙ってるんですか・・」
「(管理人さんの言ってた人だな)知ってるよ。
 案内するよ。ちょっと道、説明しづらいんで・・・。」
「あ、ありがとうございますぅ!!」
女の娘の顔がパッと華開いた。
「実はもう8時間も迷ってたんですぅ!ここの地域の雰囲気に
 馴れようと思って、荷物先に持ってってもらって私は
 電車で来たんですけど・・・・迷っちゃって・・・・。」
「は、八時間も・・・・。じゃ、じゃあ行きましょうか・・・。」
和久は女の娘を連れて神楽荘に向かった・・・。(帰った)

「お〜い!か〜ず〜ひ〜さ〜く〜ん!!」
神楽荘が見えてきた所で、英二がこちらへ走ってきた。
「か、管理人さん!大声で人の名前を叫ばんといて
 ください!!」
「ふぅ・・、だって大声じゃないと聞こえ無いじゃないですか
 ・・・・。」
英二は何故?って言う顔をした。
「(変な奴)管理人さん、こちらの女の娘が観月マナさん
 です。」
「ああ、こんにち・・じゃなかった、こんばんわ。私は神楽荘の
 管理人をしています緒方英二と言う者です。そして
 貴方を案内してくれたこの人は天城和久君」
「あ、初めまして。緒方さん・・・・・・・・、あれ?
 そういえばなんで天城さん私の名前を知ってるんですか??」
マナは頭の上にク?マークを浮かべた。
「天城和久、201号室。よろしくな!」
「えっ、天城さんここの住人なんですか?」
「そ!」
「なんだ、和久君。教えてなかったの」
3人は暫し門の前で笑談していた。すると
もう一匹お客さんが現れた。英二の飼っている
猫の神代(かみよ)である。
「あ、神代ちゃん。そう言えば晩御飯あげてなかったね。」
「にゅ!」
「にゃん!」
「にゃき!」
和久の猫とマナの猫と神代が鳴き出した。
「おっ、猫同士一緒前に挨拶か。」
「にゃん!」*3
「とりあえず部屋を案内しますねマナさん。和久君、
 マナさんを連れてきてくれて有り難うございます。」
「ますぅ。」
「いえいえ、じゃ、俺はこの辺で・・・・。ほれ帰るぞ。」
「にゃん」
和久の呼び声で仔猫は部屋に向かって歩き出した。


「ふぅ・・・なんか今日はドッと疲れたなぁ・・・・・」
「うにゃ?」
「お前のせーだ・・・・・」
和久は仔猫の頭をポンポンと叩き、既に冷え切っている
カルビ弁当の蓋を開けた。
「うぅ・・・、レンジ欲しひ・・・・・(涙」
文句を言いながらも、いつもより豪華な夕飯に
貪りついた。
「お前も・・・ほれ」
弁当の蓋の上に、少しだけカルビ弁当を乗っけて
仔猫に差し出した。(・・・・・・・仔猫なのに食え
るのか・・・???)
「ほういや、おあえもまあえひめてなはっはなぁ(そういや、
 お前の名前決めてなかったなぁ)」
(口に物を入れたまま喋るのは止めましょう)
「んぐっ!ぷふぁ〜・・・・、う〜んそうだな・・・・・・
 ケロちゃんってのは??・・・ってこれじゃあパクリだし・・・・。
 う〜〜〜〜〜〜〜む・・・・お前はオスだから・・・・・・・
 おっ!えこ・・・・・エコだ!うむ、実に地球に優しい名前だ。」
どうして地球に優しい名前なのだろう・・・・。オスとか
全く関係がないじゃん・・・・。
「よし今日からお前の名は(エコ)だ!」
「うにゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん」
命名:エコ
「よし!エコ!」
「にゃんだ?」
「ぶっ!!!」

                       つづく

 こんには、お久しぶりって忘れてるか・・・・・・。
今回は「父と僕」はお休みです。(ネタが無い〔涙〕)
新シリーズまた途中で止めちゃうんだろうな・・・・・・。
===いんふぉめーしょん===
八塚崇乃さん
 ジオブリーダーズ・・・・・・、面白いっすよねぇ?
知ってますとももちろん!頑張ってください、
期待してます。

 それではご機嫌よう。おほほほほほほほほほ・・・・・