雅史改造計画 投稿者:ギャラ
「今日みんなに集まってもらったのは、他でもない。これを見てほしいんだ・・・」
 そう言って、雅史は1冊の本を広げた。
「ほう。これは、リーフFC会報第1号でございますな?」
「いったい、これがどうしたってんだ?」
「そもそも、お前FCに入ってたんスか?」
 覗きこむセバスチャン、橋本、矢島の前で、雅史の指がページを繰る。
 そして、その指があるページで止まった。
「・・・このページだよ・・・」
「To Heart プレイステーションデビュー? このような話、もはや長岡様
 でさえ知っておられますぞ?」
 ・・・「志保でさえ」って・・・ひどい奴だな、セバス(笑)
「そうじゃないんだ! 僕が言いたいのは・・・!!」
 雅史の目に炎が点った。
 腕が激しく動き、そのページに赤丸を書き込んでいく。
 まるで、己が狂気を叩きつけるかのように。
「これも! これも! これも! これだって! ・・・どうして綾香のラフがこんなに
 あるんだぁ!!」
 血を吐くような絶叫を上げる雅史。
 憤怒に彩られたその顔は、まさに鬼神のごときものであった。
「このままじゃあ、綾香やセリオがシナリオを得てメインキャラになってしまう! それ
 なのに、僕たちはHCGすらない日陰者のままだ! それでいいのか、みんな! 男と
 して悔しくはないのか!?」
「−−その通りだ!」
 その怒りが伝わったのか、橋本も顔を怒りに染めて立ち上がった。
「綾香だって俺だって、サブキャラだってことでは同じはずだ! それなのに世間の奴ら
 は綾香綾香と! 俺とあいつの違いと言えば・・・そんなにHCGがいいのか!?
 削除されそこねたようなCGがそんなにいいのか!?
 ・・・いいだろう、ならば俺だって脱いでやる! 俺のHCGをとくと拝むがいいわ!!」
「お、落ち着いてくださいッス、橋本先輩!」
「止めるな、矢島ぁ! これは正義のためなのだ! さあ、見ろ、俺の身体を! 俺の胸を!
 リーフキャラの人気の条件、「たれ目で貧乳」なら俺だって満たしてるんだぁぁ!!」
「せ、先輩ぃ!」
 完全に「あっちの世界の扉」を開いてしまった橋本に、必死で矢島が取りすがる。
 ・・・でも、無駄だろーな、きっと(笑)
「・・・橋本様も、いろいろと溜まっておられたようですな」
「まあ、志保シナリオでもたったの2回・・・と言うより、1回ちょっとしか出番ない
 からね」
 壊れている2人から少し離れたところで、セバスと雅史がしみじみと呟いた。
 雅史の狂気は橋本がキレたせいで冷めたらしく、いつの間にやら普段どおりである。
つくづく要領のいい男であった。
「・・・で、まあ真面目な話、なんとか人気を得てPS版でシナリオを創ってもらおう、
 という相談なんだけど」
「左様でございますな・・・あのお2人はともかく、わたくしどもは会報2号のランキング
 で長岡様や雛山様に勝ったわけでございますし、可能性はありますかと・・・」
 実話である。ちなみに、志保と理緒は長岡源一郎にまで負けている(笑)
 ・・・ヒロインの面子丸つぶれ(大笑)
「で、何かいい案はある?」
「ふむ。・・・1つ、ないわけではございませんが」
 セバスの言葉に、雅史の表情が動いた。
 さながらミスタースOックのように、器用に片眉だけを上げて続きを促す。
「つまり、人気のある方にならえばよろしいのです」
「と言うと、マルチとかかい?」
 −−ぎらり。
 その時、セバスの目に危険な輝きが宿った。
 本能的にそれを悟り、1歩退く雅史。
「それだけではございません! リーフキャラの人気の秘密と言えば!」
 そう言ってセバスはズボンのベルトに手をかけた。
 そして・・・
「「ふきふき」でございます! ご覧あれ、不肖セバスチャンのアクアシャ・・・!」


  撲殺。


「・・・結局、頼れるのは自分だけか・・・」
 血のように赤い夕日と、夕日のように赤い血痕を見ながら、雅史は嘆息した。
 ふ、と笑うと釘バットを投げ捨てる。
「浩之・・・僕は諦めないよ。だって・・・僕たち、ホモ達だよね?」
 1人歩く雅史の姿は、夕日と返り血を浴びて赤く輝いていた。
 そう、薔薇のごとく赤く・・・

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 むう。ちょっとタイトルに偽りありになってしまいましたか(笑)
 シリアスっぽいのを書いた反動で、こーゆーのが出来てしまいました。
どうやら、私の本性はこっちみたいです(おい)
 ・・・次は、マルチファンに殴られそーになった「あのネタ」でもいって
みましょうかね(にやり)