痛快!! 少年まさし 二部 第四話 投稿者:仮面慎太郎
   痛快!!
     少年まさし 二部
       <髑髏(どくろ)博士と機械人形>
       最終話「月の森、月の氷」
あらすじ・・・マルチに案内され皆が捕まっている洞窟の前まで来ていた少年
       まさし。しかし、洞窟の前にはマルチの妹セリオが立っていた。
 
「セリオ・・・ さん」
 美女の目に何かが走る。
 「感情型・・・ 少年まさし・・・」
 瞬間、美女は大地を蹴って少年まさしに突っ込んできた。
 信じられないスピード。少年まさしは避けるだけで精いっぱいだった。
 「きゃあ!!」
 (!?)
 「マルチ!!」
 後ろを振り返るとセリオがぐったりしたマルチを抱きかかえていた。
 「目標・・・確保」
 ぼそりと呟くとセリオはこちらを見た。目は恐ろしいほど虚ろだった。ゆっくりと少年
まさしに近づく。身体に張り付いた黒い服。胸と太股を隠している黒いカバー。ブロンド
の髪と白い耳カバーが異様に目立つ。
 「マルチに何をした!!」
 麻酔銃とレーザー銃の二丁を握り締めセリオを睨みつける。セリオはじっと動かない。
 「・・・少年まさしさん・・・」
 「マルチ?」
 「私は・・・ 大丈夫です。・・・ セリオさん・・・ を・・・ 助けて」
 マルチはそう言うと目を閉じて動かなくなった。
 「助・・けて?」
 刹那。
 
 ビュン

 「うわっ」
 セリオが突っ込んで来る。少年まさしはレーザー銃を撃った。セリオはそのスピードで
跳躍し、少年まさしの後ろに立った。少年まさしは上体を捻ってレーザーを乱発した。し
かし、セリオは綺麗なバク転をしながら後ろに下がる。そしてまた微動だにしなくなる。
何時の間にか森から出ており、赤茶けた土が広がる開けた所に出ていた。セリオの後ろに
は洞窟の入り口も見えている。
 「・・・したくはなかったけど、ごめんね!」
 少年まさしはそう叫んで麻酔銃を撃った。狙いは的確だった。喉元に確かに刺さってい
るはずだった。しかし、セリオは左腕で麻酔針をガードした。そして、その針を抜く。表
情にはなんの変化もない。
 「・・・ 結果オーライ・・・ だよね、この場合」
 少年まさしはレーザー銃を構えてじっとセリオを見た。
 (?)
 不思議な違和感を感じたが、少年まさしはセリオが麻酔で倒れるのまでは、気を抜けな
いと言い聞かせその違和感を消し去った。
 ・・・倒れる様子もなくセリオはじっとこちらを見ている。
 (・・・ もしかして)
 セリオを見る。動いていない。前に一歩進む。セリオはまだこちらを見ている。
 (彼女もロボットだから、麻酔が効かないのか?)
 少年まさしは焦った。これはトドめの策だったのだ。レーザー銃ばかり使っていたの
は、あれは出力の調整ができ、無傷で気絶させるという芸当が出来るからだ。それに比べ
麻酔銃の方は、明らかに傷つけてしまう。それだけに効果も、命中精度も高いのだが、や
はりそうそう使う物じゃないと置いておいたのだ。
 しかし、それも効かなかった。こうなると、どちらかが大怪我をするまで決着はつかな
いだろう。不意にセリオの目が光る。そして、みるみる精気が宿って来た。
 「ごめんね、僕」
 不適に口元を歪ませながらこう言った。
 「え・・・?」
 少年まさしは狼狽した。まさか、喋るとは思って無かったからだ。しかも、この言い回
しは・・・
 「ごめんね、僕。こんな事しちゃって。でもわかって。その子は患者なのよ」
 「患者?」
 セリオが近づいてくる。
 「そう、患者。彼女は研究所で治療を受けなければならないの。彼女はそれが嫌で逃げ
  出したのよ」
 「嘘だ!」
 「ホントよ。彼女、自分の事ロボットだ・・・ って言って無かった?」
 「あ・・・ う、うん」
 「彼女ね・・・ 嘘を本当の事だと思って・・・」
 少年まさしは静かに俯いた。
 「おねーさん」
 「・・・ なーに、僕」
 「僕がさっき撃った銃は・・・ 生身の人間なら、どんな訓練をしたって一分で眠って
  しまう麻酔銃なんだ。いくら何を言ったって、僕は信じないよ・・・ マルチが言っ
  た事が正しいんでしょ。あなたはセリオで、ロボットだ」
 「なんだ、わかってたの。でも、もう遅いわよ」
 周囲が急に暗くなる。雲の流れがおかしい。セリオの耳に着いていたカバーが伸びる。
 「知ってる? ここがなんて呼ばれているか。ここは帰らずの森なんかじゃないの」
 「・・・」
 「ここは月の森って呼ばれてるのよ」
 
  パリパリバリッ!!

 伸びたカバーが放電する。
 「何故か月の力が集まる場所。世界中にある月の森の一つ」
 セリオは右手を突き出した。その先に小さな光球が生まれた。少年まさしはマルチを庇
うように横に移動し、レーザー銃を構えた。
 「さよなら・・・ 僕」
 音もなく光球が少年まさし向かって飛んで行く。無駄だと思いつつ、銃の引き金を引き
ながら、更に横に飛ぶ。案の定、光球はレーザーを弾きながら雅史がいた場所を通過し、
後ろの森の木々を物凄い爆音と爆風と共になぎ倒した。幸い火は出なかったようだ。
 「マルチ!」
 少年まさしはマルチを見た。横に移動したおかげで直撃は免れたが、それでも爆風に煽
(あお)られ新緑の色をした髪が揺れている。
 (マルチ・・・)
 少年まさしは銃をしまった。
 「・・・ どうしたの? 諦めた?」
 少年まさしは頭を横に振った。
 「もう・・・ やめよう」
 そして、黄色の仮面を脱いだ。
 「!? あなた・・・ あの時の」
 「やっぱりあの時のスポーツカーのお姉さんだったのか・・・」
 黄色の仮面をズボンのポケットに仕舞い込む。 
 (これで一撃がきたら・・・ 終わりだよね・・・)
 今の少年まさしの動体視力では、セリオの一撃を避ける事は出来ない。
 「もう、やめようよ。お姉さんは、マルチの妹なんでしょ」
 セリオの顔が曇る。
 「えぇ・・・ そうよ。正確には、機械人形2系破壊活動型。そして彼女が破壊人形直系
  潜伏工・・・」
 「ちが・・・ うわ」
 二人共、一斉に振り向く。マルチはようよう頭だけ上げてこちらを・・・ というよりセリ
オをみている。
 「私達は・・・ 来栖・・・」
 「うるさい!!」
 セリオはマルチを睨み付けた。
 「あいつ等が何をしてくれた。あいつ等は悲しみを残しただけじゃないか! 苦しみを残し
  ただけじゃないか! 私達を作っておいて勝手に消えて、辛い事ばかり押し付けたんじゃ
  ないか!」
 「それはちがうわ、セリオさん。あの方達は・・・ 私達を愛してくれたじゃない」
 「その愛は! 今! 凍った温もりとなって! 私を苦しめるじゃない!!」
 最後のセリフは絶叫となって森に響く。 
 「私はあんな奴等から作られたくは無かった! もう温もりはいらない! 悲しみもいらな
  い!」
 セリオは空に向かって右手を高々と上げた。また辺りが暗くなる。
 「助けて! 助けてよ! ドクタ・・・」
 耳カバーがさっきと比にならないくらい放電している。右手の光球が段々大きくなってゆく。
セリオの胸と太股の黒いカバーが開いく。白い蒸気のような物が吹き出る。
 
  ガガボボグガァァァァン!!

 右腕が爆発する。光球は真上に飛んで行く。セリオは上を向いたまま、不自然に体を震わせ
ている。
 「セリオさん・・・」
 「姉さん・・・」
 セリオは涙を流しながら途中から吹き飛んだ右腕をマルチの方に向けた。
 「助けて・・・ 私を助けてよ・・・」
 耳カバーがまた光る。瞬間、右腕と左太股のカバーが吹き飛ぶ。立っているのもやっと、と
いった様子だ。
 「セリオ」
 少年まさしが声をかけた。
 「その凍った温もりを溶かす力を、君は持っている」
 「え・・・?」
 「愛された思い出とマルチがいれば、その凍った温もりは暖かな光に変わる」
 セリオは顔だけをこっちに向けた。涙だけが流れ続けている。
 「でもだめなの・・・ もう一人の私が許さないの・・・ 温もりは恐い物・・・ 私を傷つ
  ける・・・」 
 「そのもう一人の君に教えてあげろ! それがどんなに暖かくて、何度凍っても蘇る無限の力
  を持っている事を!」
 「ワ・・・ タシ ハ コイシイ ヒトガ ヒトノヌクモ」
 セリオはその場に崩れ落ちた。
 「セリオ!」
 「セリオさん!」
 少年まさしはセリオのもとへ駆け寄った。目からは光が消え、身体はさわれないくらい熱かった。
 「少年まさしさん・・・」
 マルチが呟く。
 「私の背中を見てください」
 少年まさしはセリオのもとを一旦離れ、マルチへと駆け寄った。
 「服をめくると背中に箱が付いていますから・・・」
 少年まさしは服の上から背中を触った。そこにはやはり箱が付いていた。
 「あの・・・ マルチ、めくるの」
 「は・・・い」
 少年まさしは言われたとおり、服をめくり、箱を見つけた。皮膚とくっついていたが箱の部分
は黒かった。
 「真ん中のつまみを回して下さい。そしたら、蓋が開くはずです」
 「うん、何か電卓みたいなのが出で来た」
 「それを今から私が言う順番に押して下さい」
 少年まさしはマルチに言われたとおりに、全てをこなすと、箱が背中から外れた。
 「すいません、少年まさしさん」
 マルチはやっと笑顔を見せた。マルチは箱をいじり、コードを数本取り出して、自分と繋げた。
暫(しばら)くすると、立ち上がり、セリオのもとへ走って行った。
 「マルチ、大丈夫なの?」
 「えぇ、少年まさしさん、本当にありがとうございます。なんだか助けて頂くばかりで・・・」
 少年まさしはばつが悪そうに笑って、仮面を着けた。
 「別にいいよ、それよりセリオはいったい・・・」
 「セリオさんは、感情プログラムが混乱しているんです。私は元々のままですけど、セリオさん
  は、書き直されていましたから・・・」
 「? 良く分からないけど、危険なの?」
 マルチはにっこり笑って、
 「いいえ、大丈夫だと思います。これからプログラムを見てみますから」
 「すごいんだね、マルチは」
 マルチは少し俯いて、黒い箱からまたコードを色々出し、それをセリオと自分に繋げた。
 「いえ・・・ セリオさんが知っている事を見るだけです。私、あんまり覚えるの得意じゃなくて
  いつも怒られてたんです」
 「誰に?」
 「髑髏(どくろ)博士や、研究員さん達にです。それより少年まさしさんは、皆さんの事いいん
  ですか?」
 「いや・・・ あそこの洞窟の中だよね・・・」
 少年まさしは走り出した。
 「皆を連れてくるから、この森から出してあげて!」
 (皆・・・ 無事でいてね)
・
・
・
・ 
・
 「はぁ・・・ どーなるんだろな、これから」
  
  ビクッ
  
 あかりが浩之の手を強く握る。浩之はしまったという顔をして、
 「大丈夫だって、いざとなったら俺があいつ等をやっつけてやるからな」
 と、慰めた。
 「・・・ うん」
 震えながら頷くあかり。
 
  タッタッタッタッ・・・
 
 一斉に牢屋中に緊張が走る。遠くで声がする。
 
 「お前、一体どうやって?」
 
 「ちっ・・・なめるなよ!!」

 「うわぁ!」

 声は段々近づいてくるそして牢屋の前まで来た時、
 「君達は、許さないぞ!」
 
  ババババババババ・・・
 
 「うわぁぁぁぁぁ!!」
 「し・・・ 少年まさしだぁ!! 助けに来てくれたんだ!!」
 颯爽と現れたのは少年まさしだった。
 少年まさしは牢屋の鍵を開けた。
 「皆・・・ 無事?」
 「あぁ、でももう一つ牢屋があってそこに志保達が・・・」
 「わかった、ここの道をまっすぐ行くと出口があるから、そこから逃げるんだ。出口の所に
  女の人が二人いると思うから、その人達に付いて行って」
 「わかった」
 皆が行った事を確認した少年まさしはすぐに奥へと走った。そこでも看守を懲らしめて、皆
を助けた。
 「大丈夫かい」
 「うん、少年まさし。でも先生達が・・・」
 「わかった」
 奥へ奥へと続く道。下へと降りる階段。暗い視界と、土の湿った臭いと、そして、頼りない
松明の明かり。少年まさしは走った。
 「? これは・・・」
 何度目かの曲がり角を曲がると目の前はいきなりコンクリートになっていた。扉の様な物が
付いている。しかし、取っ手がない。一歩踏み出して、調べようと近づいた。すると、

  シャッ

 とひとりでに横に開いた。中は全部コンクリートで出来ていた。
 (ここは一体?)
 慎重に足を進めると、ドタドタと言う、複数の人間の走る音が聞こえた。
 (見つかった)
 少年まさしは銃を構えて立ち止まった。しかし、
 「わぁぁぁ!!」
 「先生!」
 走って来たのは先生達だった。
 「君は・・・ 誰だい」
 「僕の名前は少年まさし。皆を助けに来ました」
 「少年まさし? するとあの鬼の仮面の人が言っていたのは・・・」
 「えぇ、教頭。どうやら彼の様です」
 「この先は、もう安全です。一本道ですから、早く逃げて下さい」
 少年まさしはジロエモ仮面を探して走った。手始めに一番近い部屋に入ろうとした時だった。
 「少年まさし」
 「ジロエモ仮面」
 すぐ後ろにジロエモ仮面が立っていた。
 「やばいぞ、少年まさし。髑髏(どくろ)博士をとり逃がした」
 「じゃあ皆の所に戻りましょう」
 ジロエモ仮面は申し訳なさそうに言った。
 「実はそうもいかなくなった。とにかく来てくれ」
 そう言うとジロエモ仮面は少年まさしをつれて駆け出した。
 「何があったんですか?」
 「機密漏洩防止の罠に掛かった。このせせらぎ荘を捨てるつもりだ」
 せせらぎ荘・・・確かマルチが言っていた髑髏(どくろ)博士の移動住居・・・
 「それは・・・ どういう事何ですか?」
 「向こうさんも切羽詰まってるって事だ。しかし、まさかせせらぎ荘を犠牲にす
  るとは・・・」
 「? 犠牲?」
 「ああ、自爆させるつもりだ。・・・ ついたぞ」
 
  シュッ

 そこは、見た事もないような物で一杯だったが部屋の壁のテレビ画面の様な物に

              23:22

 と写っている事は理解した。つまり、その数字が何を意味するかも・・・
 「これを止める事は簡単だ。ここにパスワードを入れて、次の選択肢のNOを選
  べば良いだけだからな」 
 「それじゃあ・・・」
 「問題は、だ。そのパスワードがわからん。はっきりいって無数の文字の組み合
  わせからそれを導き出す事は不可能だ。そこでだ。何か知っているかと思って
  聞きたいんだが・・・ その様子じゃ、無理っぽいな」
 少年まさしはうな垂れた。
 「他に方法は?」
 「たった一つだけある。幸いここは森の中だ。しかも比較的汚染されていない」
 「はい」
 「つまり、再生能力はある。奥の方で爆発しても結構大丈夫・・・ かもしれない」
 「はあ」
 「つまりだ。こいつを動かして、出来るだけ遠くへ、上の子供達に被害が行かない所
  まで移動するんだ」
 「じゃあ」
 「しかし、運転にはコツがいる。最後の最後までここにいなくちゃいけない」
 「そんな」
 少年まさしはジロエモ仮面を見つめた。その瞬間、理解した。この人は自分が残るつ
もりだと。それでもまだ諦めてはいないと。少年まさしは無茶苦茶にキーボードを押した。
 「ははは・・・ おいおい、無駄だよ。いくらそんな事をしても」
 「でも!」
 「大丈夫。俺は死なないよ。それより、パスワードを知らないんじゃあ、しかたない。
  早く皆の所へ」
 「でも!」
 「でもじゃないよ、少年まさし。君は今のヒーローだ。もう死んだヒーローにつられて
  死ぬ事はない。君はまだ生きなくちゃいけない。わかるね」
 少年まさしは涙を流した。   
 「でも!!」
 「こら、少年まさし。男が泣くんじゃない。男は涙をみせるな」
 優しすぎる声でジロエモ仮面は言った。
 「でも!!」
 「大丈夫です」 
 二人は一斉に振り返った。そこには。
 「大丈夫です。こんな事だろうと思っていました」
 「セリオ!」
 そこには、右腕の無くなったセリオが立っていた。
 「パスワードは、私がちゃんと知っています」
 「・・・ ・・・」 
 ジロエモ仮面はじっとセリオを見つめた。
 「そうか、よかったな少年まさし。これで助かった」
 「ええ! でも大丈夫なの? セリオ」
 「はい、マルチさんの救助のおかげです。あの方は温もりを持って直してくれましたから」
 セリオは椅子に座ると画面を見上げて言った。
 「さぁ、早く地上に出てください。パスワードは結構長い上に右腕が無い分、少し時間が掛かります」
 「でも君は?」
 「私はここのロボット、アンドロイドです。私しか通れない通路もありますから、そこを
  通って地上に出ます」
 「すまないな、セリオ君」
 ジロエモ仮面は俯いたままそう言った。
 「いえ、お気になさらずに。これが私がマルチさんに教えてもらった温もりですから・・・
  ところで、貴方はどうしてここに?」
 キーボードに手を置いたまま、セリオは聞いた。 
 「燃え上がる正義の為に! って言いたいんだけど・・・実は人を探している。俺の大切な
  人だ。あいつ等に関係がある」
 「名前は・・・?」 
 「あぁ・・・ すまないが少年まさし・・・」
 「えぇ、わかりました。先に行っています」
 「すまない、今は言えないが時がくれば・・・ いずれ話す」
 「はい。それじゃあセリオ、また後で」
 「えぇ、それでは、少年まさしさん。マルチさんをよろしく頼みます」
 「うん。セリオもすぐに来てよね。じゃあ」
 少年まさしはそう言ってドアをくぐった。ディスプレイは文字が白から赤に変わっていた。
 
         アト 15:00 デス
 
 「その少女の名は楓」
 「・・・ ・・・ ・・・ 申し訳ありません。データにありませんでした」
 「そうか・・・ いや気にするな。・・・それより、いいのか」
 「はい」
 「そうか・・・ 縁があればまた会おう」
 「はい、お元気で」
 

  シュッ


        (・・・)


        (・・・)


 (温もりは・・・ 今、私の胸に・・・ マルチさん、少年まさしさん、わかりました)


        アト 10:00 デス


 (今、はっきりとわかりました。自分が受けた温もりを思い出し、他の物に与える・・・)

  
        ガコン・・・ ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


 (温もりとは、そういう物なんですね)

         
        「目標地点・・・ 入力。全速前進」   カシコマリマシタ
        


 (さようなら・・・ ・・・ ・・・)


 



 「少年まさし、急いで出るぞ」
 後ろからジロエモ仮面が走ってきた。
 「はい・・・ あっ、出口だ!」
 「あぁ、そうだな・・・」
 「ジロエモ仮面・・・? どうしたの」
 「あぁ」
 「少年まさし・・・ この鬼の仮面は決して・・・ 取れない」
 「・・・ジロエモ仮面、何を?」 
 「あいつ等を叩き潰すまで決して取れる事はない」
 「夕焼けが綺麗だね」
 「あぁ」
 「うわぁ・・・ 眩しいなぁ」                
 「あぁ」
 「皆・・・ いるね」
 「あぁ」
 「だめだよ、ジロエモ仮面。あ・・・ 貴方が、泣くなって・・・ うっ いったんじゃ・・・」
 「あぁ・・・」
 「だから・・・ 泣いちゃあ・・・ う・・・ うああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
 「うぅ・・・ うぅぅ・・・」
 「うあああああぁぁぁぁぁぁ!!! うっ うっあああああああああぁぁぁぁ!!!」
      



         痛快!!
            少年まさし     
               <髑髏(どくろ)博士の機械人形> 

  
出演・・・雅史 
     少年まさし・・・・・・・・・佐藤 雅史

     浩之・・・・・・・・・・・・藤田浩之   
                         
  
    
  「なんだっ? 今の揺れは ・・・少年まさし、大丈夫かな」



     志保・・・・・・・・・・・・長岡 志保

     あかり・・・・・・・・・・・神岸 あかり
  


  「あっ! 浩之ちゃん! 見て見て、少年まさしさんだよ」



     あおい・・・・・・・・・・・松原 葵

     マスター・・・・・・・・・・柏木 耕一



  「先生方、今日の事は警察には話さないで下さい 後で学校の方に知り合いの記者を・・・」



     セリオ・・・・・・・・・・・セリオ

     マルチ・・・・・・・・・・・マルチ


    
  「少年まさしさん、ジロエモ仮面さん セリオさんが中に入って行ったんですけ・・・ ど・・・」

 
    
書いた人・・・仮面 慎太郎



  「マルチ君、君は私と来てもらうよ。お互い聞きたい事もあるだろうしね」          



演出・・・樋口 慎太郎



   「皆 気をつけて帰ってね ・・・それじゃあジロエモ仮面・・・ またね」



スペシャルサンクス・・・応援してくれた皆


  
   「あぁ、またな少年まさし ・・・しかし、バスの運転大丈夫かな・・・ 先生方」    


   
         ・・・読んでくれてるみんな


           
   (さよなら・・・ セリオ)



友情出演・・・ジェントル紫炎・・・・・・・・紫炎さん

       手の甲にBの黒ずくめ・・・・・vladさん

  

























   (・・・ 壊れたおもちゃか・・・ ふんっ ジェントルが喜びそうだな・・・)









                              第二部   完