痛快!少年まさし 投稿者: 仮面慎太郎
*この物語は本気で即興(思い付き)の為一部非常に理解不能になっております。
     痛快!
        少年まさし       
          <髑髏(どくろ)博士の黒い罠>

    第一話  「いなくなったあかりちゃん」
                           の巻

海の見える小高い丘の上にある喫茶「持ち上げられた鎌首(かまくび)」には、
夏休みに入ってから連日の様に子供達が遊びに来ていました。
「ねぇねぇ、マスター。また、あのお話ししてよ」
涼しい店内のカウンターで、オレンジジュースを飲んでいたショートカットの日に焼けた女の子が、
この店の若いマスター「耕一さん」にお願いした。
「ははは、志保ちゃんは本当にこのお話しが、好きなんだねぇ」
コップを磨(みが)いていたマスターは、手を止めて笑顔で聞き返した。
「うん!」
子供らしいオーバーリアクションで、頷(うなず)いた志保ちゃんは、このマスターの笑顔が大好きだった。
「僕も好きだもん」
この会話を聞きつけて窓辺で海を見ていたヒロ君が駆けつけた。
次いで一緒に話しをしていたおさげの女の子、あかりちゃんも走ってくる。
最後にヒロ君とあかりちゃんの分のジュースを向こうのテーブルから持ってきた雅史君が、
ゆっくりとカウンターに近づいてくる。
「よし!じゃあ今日は・・・髑髏(どくろ)博士のお話しだ」
「髑髏(どくろ)博士!?」
マスターは一段と声を低くして言った。
「そうだ。悪の組織<黄色い羽帽子>の幹部の一人、天才髑髏(どくろ)博士だ」



エディフィル探偵は暗い森の中を、走っていた。首からたなびく赤いマフラー、
目の部分を覆った黄色いマスク、西部劇の様な皮のチョッキ、そして・・・
腰にぶら下げた二丁の拳銃。一つはエディフィル探偵しか扱えない麻酔銃、
もう一方は<黄色い羽帽子>から奪い取ったレーザー銃だ。
森を抜け出した所でエディフィル探偵の眼前には、大きな洋館が建っていた。
「もう逃げられないぞ!髑髏(どくろ)博士!小学校のプールに毒を流そうとした計画、
 僕が潰させてもらった!」
エディフィル探偵は大声でそう叫んだ。
  ぎぎぎぎぃぃぃぃぃぃぃぃ・・・
大きな音を立てて目の前の扉が開く。館の中には一人の男が立っていた。
黒いマントにシルクハット、髑髏の付いたステッキを持った男・・・髑髏(どくろ)博士だ。
「ククククク・・・やぁ、エディフィル探偵。君とは一度ゆっくり話しがしたかったのだよ。まぁ立ち話もなんだ。
 こちらで食事でもどうかね」
そう言うと髑髏(どくろ)博士は、奥に見える階段へと歩いて行った。
「ふざけるな!」
跡を追いかけるエディフィル探偵。しかし・・・
「そうだ、大変な事を忘れていたよ、エディフィル探偵。実はこの研究所・・・」
後ろを振り向いたまま話す髑髏(どくろ)博士。
「裏のマンホールから入るのだよ。まぁ、落とし穴に落ちたければ話しは別だがね」
  ガコン
ホール一帯の床が無くなり、エディフィル探偵は闇の中に消えていった。
「!?」
「ハアーッハッハッハッ!エディフィル探偵、恐るるに足りんわ!」
「しまった!」




「どうなっちゃうの?エディフィル探偵」
心配そうに聞いてくるあかりちゃん。
「大丈夫だよあかり。この前のマグマ工場の時だって、ちゃんと無事だったじゃないか」
「・・・浩之ちゃん・・・」
マスターが手を叩き、
「さぁ、もう5時だぞ。みんな帰る時間だ。続きはまた明日ね」
  バイバーイ
「・・・・・・」
「!?どうした、あかりちゃん」
「ううん、何でもない・・・バイバイ」
  カチャ・・・チャリンチャリン
「フゥ・・・さて」
マスターはまた、コップを磨(みが)き始めた。しばらくして・・・
  リリリリーン・・・リリリリーン・・・リリリ・・・ガチャ
「はい、喫茶・・・あぁ、あかりちゃんのお母さん・・・えっ、あかりちゃんが帰ってない」
時計を見た。閉店間際、8時前。
「いえ、ここには。はい・・・はい・・・わかりました。
 あのっ、ヒロ君達は・・・もう帰っている?あかりちゃんだけ・・・
 じゃあ他の父兄さん達はもう探しているんですか・・・はい、
 じゃあ、僕も今から行きますんで・・・いえ、そんな・・・はい、では」



6時過ぎ・・・雅史君は家に帰りついた。広くて古いこの屋敷に、お婆さんと二人で住んでいるのだ。
お母さんはお仕事で海外を飛び回っている。お姉さんはお母さんについて行ったが、
雅史君だけはみんなと離れるのが嫌で一人残ったのだ。
お父さんはわからない。誰も教えてくれなかった。一度しつこくお婆さんに聞いてみたら、
お婆さんは悲しそうな顔をして、あんまり困らせるなと言った。
それ以来、誰にも聞いていない。
「雅史さん」
お婆さんの声だ。
「はい」
「神岸さんから、あかりさんを知らないか、と電話ですが・・・」
「・・・帰ったんじゃないの?」
「それが・・・まだらしいのです」
「知らないよ」
「そうですか」
・・・あかりちゃん、どうしたんだろ・・・
7時半まだ帰ってないと電話があった。心配になってきた。
  ・・・ザザザ・・・ザーザザザ・・・
!?トランシーバーが!
「はい、浩之か。あぁ、さっきかかってきたよ。うん、じゃあ裏山の秘密基地へ」



「みんな集まったな」
誰も使っていない小屋に集まった少年少女達。
「うん!」
ヒロ君の号令で返事をする。
「知っての通り、あかりがいなくなった。途中までは俺と一緒だったのに・・・
 そこで、これからあかりを俺達で探そうと思う」
「OK」
昼間スイミングスクールでいなかった日系ハーフのレミィちゃんが言った。
「そこで、志保とレミィと俺、雅史と葵ちゃんとに別れて、あかりを探し出そう」
「俺達は水門の方を、雅史達は森の奥へと行ってくれ。一時間後にまたここで」
「わかった。大人達も探してるから見つかるなよ」
「ああ」
  ガタガタガタガタ
「葵ちゃん、いくよ」
「はい」
  バタン
懐中電灯で夜道を照らしながら、森の中に入って行った雅史君と葵ちゃん。
走りながらあかりちゃんを探します。
「おーい、あかりちゃーん」
「神岸さーん」
・・・いない。どこへ行ったんだ。
森の奥へ来た時です。
「雅史さん・・・ここ」
「どうし・・・なんだこれは・・・」
木がへし折られて森の奥へと続いていました。
「戦車でも通ったみたいだ」
「ええ」
「葵ちゃん、君はここで待っていてくれ」
「!?雅史さん?」
「僕はこのまま行ってみる。もし時間の10分前までに戻らなかったら、
 基地まで行って皆を連れてもう一度ここに来てくれ」
「でも・・・」
「ごめんね」
そう言うと雅史君は、へし折られた道を走って先に行ってしまいました。
木は車一台分ぐらいの幅で折られており、まっすぐ伸びていました。
(確かこの先は・・・崖のはずだけど・・・あれ?)
しばらく行くと暗闇に一点の光が灯っていました。
(おかしいぞ、この山にはきこり小屋一つ無いってマスターが言っていたのに)
道は続きました。光を目指しながら・・・ 
・・・なんだこれは・・・
崖から漏れていた光。そこには、それこそ戦車でも入れそうなほどの洞窟が出来ていました。
ご丁寧に崖と同じ色をした、大きな布で入り口を隠して・・・
(なまじ夜だからわかったな・・・昼間だと気づかなかっただろう)
雅史君は静かに洞窟の中に入っていきました。洞窟は広く、両脇にはランプが掛かっている。
音を立てないように進むと、脇道がありました。しかし・・・
(おかしいぞ、明らかにこっちの方は小さいし苔も生えている)
雅史君は考えました。・・・そして小さい脇道へと入って行きました。
(これは堀ったと言うより崩れて出てきた感じがする・・・)
  ザワザワザワザワ
人が来る!
「たくよう、こんな洞窟出てきちゃうし」
「変な女の子入って来ちゃうし、この先のドア開かねーし」
「まーた、あの人に怒られちゃうよ」
「はーぁ、こん中暑いし・・・!?誰だ!」
ヤバい!見つかった。
「まーたガキだよ。かんべんしてよぅ」
顔を黒いマスクで覆った三人の男達(?)は雅史君を見つけた。
「うっ、うわあああぁぁぁ」
後ろを向いて逃げ出した、雅史君。しかし・・・
   ガガガガガ・・・
男達の内、マスクに白い線の入った男がジャンプしてきた。・・・
天井をえぐって。
「そんな!」
(考えろ、!考えるんだ、雅史。こんな時彼ならどうする・・・エディフィル探偵なら)
雅史はもう一度、後ろを向いて二人の男の方へ走って行った。
「つかまえろ!」
ジャンプした男が後ろから声を出した。雅史君は急に立ち止まる。
「つーかまえ・・・たぁ!」
男が両手を振り上げて飛び出した。・・・ふ た り と も!
  ゴッチーン
凄い音がして、男達はうずくまった。横に避けていた雅史君は、
すかさず走り出した。これには後ろの男も一瞬呆然(ぼうぜん)としていたが、
「どうせ、その先は行き止まりだ!」
と、叫んだ。
やった。やったよ。でも・・・これからどうしよう・・・この先は行き止まりだって言っていたな。
変な女の子とも・・・きっとあかりちゃんの事だ・・・あかりちゃんはさっきの奴等に捕まっているのか。
雅史君の眼前に木の扉が現れた。洞窟にぴったりくっついている。
(あれ?ドアノブがない・・・?暗くてよくわからない。)
待てよ。確かエディフィル探偵の隠れ家もノブがなかったぞ。
それで戸の下の方に・・・あった。ここがポストみたいに内側に開くんだ。
  ガサガサガサ
ふぅ、危なかった。でも、どうしてここは・・・あれ。あれ何だろう。
よく見えないけど・・・何かの箱かな・・・!?これは!?



「しかし君にも、困ったものだよ。偶然とはいえ、ここを見つけるんだからね・・・
 それにこんな物まで・・・」
縛られた少女の前にトランシーバーを投げた。
「お願いします。帰してください」
おさげの少女は泣きながら懇願(こんがん)している。
「おやおや、そうはいかんよ。なにせ君は、ここで死ぬんだからね」
シルクハットの男は、髑髏の付いたステッキの先を少女に向けた。
「助けて!浩之ちゃん!」
「死ね!」
・・・バァン!
「そこまでだ!髑髏(どくろ)博士!」




「くぅぅ・・・誰だ!姿を見せろ!」
(助・・・かった?でも、どうして・・・)
見ると、黒いマントの男は、半分以上砕(くだ)けたステッキを持って、
その手を左手で痛そうに握っていた。
「大丈夫か、あかりちゃん」
「あっ、あなたは・・・」
見ると、黄色い仮面を着けていて、茶色のチョッキを羽織っていた。
右手に拳銃を持って・・・
「さぁ、これで大丈夫だ。縄はほどいたよ。早く逃げたまえ」
「あなたは・・・」
「僕はあの悪漢をやっつけなければならない。さぁ、早く」
「はい」
「貴様・・・貴様いったいなに者だ!」
「悪党に名乗る名前は持ってはおらんが、どうしても覚えておきたければ聞かせてやろう。
 僕の名前は・・・」
少年は、銃を腰のホルダーに挿(さ)し、マフラーの先を右手で掴み胸のペンダントの前まで持って来る。
瞳を閉じて軽く俯(うつむ)くそして・・・
「僕の名前は・・・」
バッ!・・・と右手を水平に振りマフラーのをたなびかせて、
余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)の笑顔でこう言った。
「僕の名前は、少年まさしだ!」
  
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次回予告・・・少年まさしとは何者か!髑髏(どくろ)博士とはいったい!
        あかりちゃん逃げ切る事ができるのか!そして・・・
        雅史君はいったいどうなってしまったのか!
        こんなに長い駄文を書いて、はたして一度消えてもう一度
        書かなければならなくなった悲しみは癒えるのか!
        この物語だけ、何かこのコーナーの主旨から外れている事に
        気付くのはいつになるのか!しかし長い!他の人に迷惑だ!
        MI0様復活(?)おめでとうございます!マイクD様再投稿お疲れ様!
        白野佑凪様笑ったっス!おばQ様いいっすねぇ!
        sphere様自分も送るのミスった事あります!
        もう一度書くのってツラいですよね!
        長げーよ!風雲急(だったよな)を告げる次回!
        「敵か!?味方か!?謎の男・ジロエモ仮面」!
        がんばれ!僕らの少年まさし!
        負けるな!僕らの少年まさし!
        すみません、次はもっと短くします・・・
                               つづく!