*この物語は本気で即興のため、内容が一部、大変理解不能になっております。
「恐怖!髑髏(どくろ)博士の黒い罠!」
第一話 「登場!少年まさし」
の巻
ここは子供達に人気の喫茶「持ち上げられた鎌首(かまくび)」である。今日も子供達はここで、
マスターと遊んでいた。この海が見える小高い丘の喫茶店は、マスター(こういち)が建てたものだ。
「マスター、今日もあのお話しして」
「あぁ、あぁ、してやるとも。志保ちゃんは本当にこのお話しがすきなんだねぇ」
「うん。志保ねぇあのお話し大好きだよ」
「僕も好きだもん!」
いち早くカウンターに走って来たヒロくんが、コップを磨(みが)いていたマスターの手をとった。
「ははは・・・。わかったよ。じゃあ今日は・・・髑髏(どくろ)博士の時の事を話そうか」
「えっ!髑髏(どくろ)はかせ!?」
マスターは、声を一段と低くして言いました。
「悪の組織、<黄色い羽帽子>の中の一人髑髏(どくろ)博士だ・・・」
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エディフィル探偵は髑髏(どくろ)博士の秘密研究所の前に来ていた。赤いマフラーに、黄色い目の部分を覆った仮面、
そして・・・腰に下げた二丁の拳銃。一方はエディフィル探偵しか扱えないショックガン、もう一方は<黄色い羽帽子>から奪い取ったレーザー銃だ!
「髑髏(どくろ)博士!もう逃げられないぞ!小学校のプールに毒を入れたのは貴様だとわかっているのだぞ」
ぎぎぎぎいいぃぃぃぃぃぃぃ・・・
分厚いドアが開かれた。そこに一人の男が立っていた。黒いコートに髑髏(どくろ)の付いたステッキ、髑髏(どくろ)博士だ。
「入って来たまえ、エディフィル探偵。君とは一度、ゆっくりと話しがしたかったのだよ。」
そういうと髑髏(どくろ)博士は、奥の部屋へと歩いていった。
「待て!」
エディフィル探偵は走って髑髏(どくろ)博士を追いかけた。しかし・・・
「あぁそうだ。言っておくことがあった」
髑髏(どくろ)博士は後ろ向きで立ち止まった。
「そこのドアはダミーでね。この研究所は後ろのマンホールから、はいるのだよ。ククククク・・・」
「ナニッ!」
ガチャ!
「まぁ、落とし穴に落ちたければ話しは別だがね」
「うわあああぁぁぁぁぁ」
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「どーなっちゃうの?エディフィル探偵」
心配そうに尋(たず)ねるあかりちゃん。
「それはまた明日ね。雅史、みんなをお見送りしなさい。」
「うん!父さん。またね、みんな」
バイバーイ
「みんな帰ったな。母さんは町内会の旅行だから今日はここで晩ご飯食べるか」
いつもは二階で食べているので雅史はうれしそうだ。
しばらくして・・・
プルプルプルプル・・・
「ハイ・・・えっ!あかりちゃんが帰ってない。はい・・・はい・・・」
ガチャ
「雅史、俺はちょっとあかりちゃんを探してくるから、留守番しててくれ」
そう言うと耕一は、コートを片手に出ていった。
ガチャ・・・チャリン・・・
「・・・あかりちゃんが・・・」
ザザザーーーザ
「!!トランシーバーが!はい、雅史です・・・浩之か?あぁ、じゃあすぐに木の葉山の秘密基地へ・・・」
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「みんな集まったな」
誰も使ってない小屋を勝手に使っている子供達。ヒロの号令でみんなそれぞれにうなずいた。
雅史、志保、ヒロこと浩之、レミィに葵、だが・・・あかりがいない。
「よしっ、俺と雅史、それから志保とレミィと葵ちゃん。このチームであかりをさがそう」
「うん」
「OK」
「はいっ!」
「わかったわ」
「よしっ!じゃあ三十分後にこの場所に集合だ」
ガタガタガタ
「俺達は森の方を・・・」
「じゃあ私達は池の方へ」
「雅史行くぞ」
「うん」
タッタッタッタッタッ・・・
深い森・・・あかりちゃんの行きそうな所は・・・
「はぁっはぁっはぁっ・・・雅史、あかりいたか?」
「ううん、いない・・・?なんだあそこ・・・」
「どうした」
いつも遊びにきている森なのに今日はそこだけ違っていた。木がないのだ・・・。そこら一帯の木が無くなって、奥へ続く道になっていた。
「おかしいな」
「うん。浩之、僕はこの先へいってみる」
「雅史!?」
「この先へ言ってみる・・・浩之はもうちょっと探してよ。」
「わかった。けど、気を付けろよ。あっ、それから」
「うん?」
「基地にみんなが集まったらすぐにここに来るぞ、ここは何かありそうだ。お前はずっとこの先を行ってくれ」
雅史は先へと進んで行った。しばらく行くと、木がへし折られた跡があった。道はそっちに続いている。
木は雅史の頭ぐらいの高さで、道の両脇が同じようになっていた。
(何かが通ったのか?)
暗い夜道に明かりが一つ、道の先に灯っていた。
(おかしいぞ。この森はきこり小屋一つ無いって父さんはいっていたのに・・・)
その明かりはきりたった崖の洞窟の中から漏れていた。丁寧に崖と同じ色の布で入り口を覆っている。
しかし・・・大きかった。家が一軒、すっぽりと入るほどの大きさがあった。
(遠くからではわからないな。なまじ夜だから見つける事ができた。)
・・・道が終わっている。一つの道の終わりが次の道の始まりか・・・父さんが昔言っていたっけ。
時間は三十五分が経とうとしていた。
(もうすぐみんなが来る頃だな)
雅史はそう自分に言って、中に入って行った。中は等間隔(とうかんかく)に松明が燃えていた。
(こんな大きな洞窟・・・どうやって掘ったんだ?)
洞窟の奥は二手に別れていた。一方はこれまでと同じ作り。もう一方は壁の石に苔が生えていて、とても狭く大人二人分といった感じだ。
接合部は石が散乱しており、掘ったと言うより崩れて出てきたといった感じもする。中は暗い。
(さて、どちらに行こうか・・・)
雅史は導かれる様に古びた脇道へと、静かに進んだ。
ザワザワザワ
!人の気配だ!複数いるぞ!明かりがだんだん近づいて来る。
「たくよう、あの扉開かねーしよう」
「あーあ、変な女の子は来ちゃうし、洞窟掘ってたらここ見つけちゃうし、まーたあの人に大目玉だよ」
「平は辛いね」
「まったくだ」
話し声が近づいてくる。
「ん?誰だ!そこに居るのは!」
危ない!雅史は突然の事に動揺して逃げる事が出来なかった。
「また子供か。くそっ!」
三人の男達は黒いマスクで顔を覆っており一人は松明を持っていた。
「うわぁ!」
雅史は逃げようとしたが松明を持った男が、信じられないジャンプ力で雅史の行方をさえぎる。挟み込まれた。
男はなんと、天井を頭でえぐっていた。パラパラと小石が落ちてくる。
雅史は考えた。こんな時、彼ならどう切り抜ける・・・エディフィル探偵なら・・・
(そうだ!)
雅史は後ろを向き二人の男をキッとにらんだ。
「いくぞ!」
雅史は二人に向かって走り出した。そして、眼前でピタッと立ち止まる。
「つーかまえ・・・たぁ!」
男達は雅史に向かって両手を振り上げた・・・ふ た り と も。
ガツン!
派手な音がして二人がぶつかる。
(今だ!)
後ろに少し下がっていた雅史は、ダッと先に駆けて行った。後ろにいた男もこれには呆気(あっけ)を取られたらしく、
呆然としている。しかし・・・
「まぁいい。どうせ行き止まりだ!」
と、わざと大声で叫んだ。
・・・走った。やった。うまくいった。でも、これからどおする?あいつらこの先は行き止まりだって行っていた。
変な女の子とも行っていた。たぶん・・・あかりちゃんだ。それより、あいつらいったい・・・
雅史の前に突然木の扉が現れた。暗くてよく見えないがドアノブがない・・・
・・・待てよ、確かエディフィル探偵の秘密基地も外側には、ノブが無かったぞ。
そして・・・この下・・・?あった。ここが内側に開く様になっているんだ。子供しか入る事の出来ないように・・・
ゴソゴソゴソゴソ・・・
ふぅ、ここまで来れば大丈夫・・・?あれなんだ。
・・・宝箱?あっ!この模様は・・・父さんからもらったペンダントと同じ模様だ・・・?
あっ、開いた。!!!!こ・・・これは・・・
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・
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「しかし君にも困ったものだね。偶然とはいえ、この場所を発見するとは・・・しかも、こんな物まで・・・」
ゴトン
トランシーバーが縛られている少女の前に、放り投げ出された。
「お願いします。私を帰してください」
「ふふふ・・・そうもいかんよ。君はここで死ぬのだからね」
黒いコートに髑髏(どくろ)のついたステッキを持った男が、少女に向かってステッキの先を突きつけた。
そこへ・・・
「そこまでだ!髑髏(どくろ)博士!」
「?だれだ!」
彼の目の前に赤いマフラー、黄色いマスク、そして・・・
腰にささっている二丁の拳銃。
「貴様に名乗る名などない!だが、あえて覚えておきたければ教えてやる!僕の名前は・・・」
マフラーの先を右手で掴み胸の前へ持ってきて瞳を閉じて俯(うつむ)く。
少しして、バッ!と、水平にマフラーの先と一緒に右手を横に振る。手の先は人差し指と中指、親指をビッ、と伸ばす。
「僕の名前は少年まさしだ!」
つづく!
次回予告・・・あの箱の中には何が入っていたのか!「少年まさし」は誰なのか!
あかりはいったいどうなるのか?浩之達は、もうすぐ来てしまう!
みんなが捕まる前に、髑髏(どくろ)博士をやっつけられるのか?
そして・・・まさしはいったいどうなったのか?
ガンバレ!僕らの少年まさし!
それゆけ!みんなの少年まさし!