とぅ・まさし 投稿者: 仮面慎太郎
第二話  「戦いとは、駆け引きなのだよ」

陽はまだ出ている。風は穏やかに、だが確かにそこにあった。
春の日差しは好きだ。優しく包みこんでくれる。
だが、いつまでも甘えているわけにはいかない。
「よし、行くか」
「うん」
なぜか校舎の前で一度立ち止まり、気合を入れた。
そして、一歩踏み込むと、
「やっほー、あっかりー」
と、雰囲気をたった一機でぶち壊してくれるヤツが来た。左舷!弾幕薄いよ!何やってんの!
志保だ。
「と、遅刻大王」
「誰が遅刻大王か」
この呟きを目の前の、コロニーの出力を全て会話に使っている女は、
聞きのがさなかった。
「じゃあ、ジオンの遅刻い彗星で十分よ」
「おい、てめぇ」
「何よ、連邦の遅刻い奴」
「・・・・・・」
にらみ合い。だが・・・
    ぴゅいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃん
「何!・・・この感じ・・・雅史か?」
「ちょっとちょっと、どうしたのヒロ」
はっ、そうだ。こんな事をしている場合じゃない。
「あのね、志保・・・」
俺とあかりは雅史の異変の事を、志保に話して聞かせた。
「ふーん、よし!この志保ちゃんも一緒にさがしてあげる」
まぁ誰もいないよりはましだ。
「なぁ、志保。最近、雅史おかしい所なかったか?」
まずは情報収集だ。情報の力は無敵だ。時に自分を守る盾にもなる・・・
他人を傷つける剣にもなるが・・・
「そんな噂は知らないわ」
「そっか」
「あっ」
あかりが不意に言葉を発した。
「どうした、あかり」
「・・・雅史ちゃん・・・雅史ちゃんね・・・何処に居る・・・あっ、待って」
「あかり?どうしたの?」
あかりは下駄箱の前で立ち止まった。
「今、雅史ちゃんの声がきこえたの」
・・・さっき俺が感じたアレか?あかりもかんじたのか?それにしては
タイムラグが・・・
「雅史ちゃんの声ねぇ。私には聞こえなかったわよ。まっ、いいわ。
 それで何処から探すのよ」
志保はきょろきょろ辺りを見た。
ちらほら見える、下校する生徒。だが、その中に雅史は・・・いない。
(雅史の奴、どーしちまったんだ)
「教室・・・じゃない?」
志保が呟く。
「まっ、妥当かな」
三人は走りながら階段を駆け上がった。
「ストーップ」
突然志保が立ち止まった。
「どっ、どうしたの?志保」
「違う、そこは・・・違う!」
「なに?」
「雅史は屋上よ、志保ちゃんレーダーがそう言ってるわ」
「・・・本当かよ?お前、今、教室って」
「甘いわね、ヒロ。戦いとは、駆け引きなのだよ」
「・・・・・・」
「さぁ、行くわよ」
一歩一歩が重い。今までの疲れが出てきた。あかりを見る。
・・・肩で息をしている。だいぶつらそうだ。
だいじょうぶか?そういってやると笑顔でうなずく。
その疲れを俺が背負ってやりたい。
分厚い鉄の扉が見えた。雅史はそこにいるのだろうか?
・・・雅史・・・
                       つづく・・・

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初心者OF初心者の仮面です。カリオモテと読んでいただけると、
ありがたいです。ますます初心者ぶりに磨きがかかってすみません。
こんな物でも皆様の目に止まれば幸いです。
それでは長くなりますので今回はこのへんで失礼させていただきます。
  追記  泡星りゅう様  
感想大変ありがとうございます。自分めの作品に目をとうして
いただいたばかりか、感想までいただいて・・・
思わず小躍りしてしまうほどでした。これからも皆々様合わせまして
この初心者を暖かく見守ってやって下さいませ。