とぅ・まさし 投稿者: 仮面慎太郎
第一話  「大事なのは、今、自分には何が出来るかだ」
                                  の巻
「はっ!・・・何か・・・何か大きなモノが・・・来る」
久しぶりに三人で帰っていると、ふいに雅史が真剣な顔で、
そして、聞いた事の無いほど低い声でつぶやいた。
「どうしたの?雅史ちゃん」
俺のすぐ隣を歩いていたあかりが心配そうに尋ねた。
「どうしたんだよ、雅史」
俺も心配になった。雅史のこんな声を聞いたのは、
初めての事かもしれない。
「あっ、ごめんね。なんでも・・・」
そう言いかけると雅史は、これも見たことがないほど険しい顔を
して、立ち止まった。
「いかなきゃ。僕がいかなきゃ。・・・逃げちゃだめだ」
そういうと雅史は「ごめん。先帰っててぇ」と叫びながら、
今来た道を逆に走っていった。
・・・・・・「加速装置ぃ」と一言付け加えて。・・・

・・・沈黙・・・後、
「雅史ちゃん、どうしたんだろ?」
「・・・ああ、本当に・・・」
だが、呆然ともしていられない。親友の身に何がおきたのか・・・
いや、それすら不要。
「いくぞ!あかり!」
「えっ、あっ、待って浩之ちゃん」
俺は有無を言わさず走った。あかりの視界に留まる範囲で。
雅史は、正直、運動神経は、かなりいい。
それでも少しぐらいは、雅史の背中を追いかける事はできたが、
あかりの姿が後ろに見えなくなると、俺はスピードを落とし、
ゆっくりと歩いた。
「ハァ、ハァ、ハァ・・・フゥ、フゥ・・・浩之ちゃん、ハァ、
 雅史ちゃんは?」
すぐに俺の背中を見つけたであろうあかりは、ゆっくりと近ずいて
来た。
「見えなくなった。お前なぁ、もうちょっと速く走れよな」
「ごめんなさい」
まぁここまでくれは゛もう走らなくてもいい。目の前にある、
学校へと続く坂道を見上げれば・・・。
「よし!行くぞ」
「うん。・・・雅史ちゃん、本当にどうしちゃったんだろ」
坂を登りながら、俺は呟いた。
「雅史は消えた。俺は今雅史を追いかけている。どうしてかは、
 考えても・・・わからん。お前が考えてわからないのに、俺に
 わかるはずもない。
    だが、大事なのは、今、自分には何ができるかだ」
「・・・うん、そうだね」
もう、校門の桜の花びらも見えだし、すれ違う、少し遅めの帰宅
をしている生徒の数も、徐々に増えだしてきた。
                              つづく・・・

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こんにちは、仮面・ショシンシャー・慎太郎です。
もう立っているだけで、汗が吹き出る季節になりましたね。
またまた初心者の登場です。どーでしたか?
よかったですか?自分はe−メールなるものの使い方すら、
わからないので感想の聞きようがないのですが・・・
第二話も書くつもりですのでその時も、よろしくお願いします。
それではこのへんで、また、お会いしましょう。