ある日のこと。 来栖川先輩と歩いていた俺は一人の男に声を掛けられた。 「きみきみ、ちょっとドラマに出てみない?」 「はあ? 俺がドラマ?」 「ダメかな? 刑事ドラマなんだけど、きみにピッタリなんだよねー」 「いや、そんなこと言われても……」 「いや、あの台詞を臨場感たっぷりに言えるのはきみしかいない!!」 「…………」 「え? 出てみたらどうか、って? うーん、先輩がそう言うなら……」 「OK? やった、それじゃ三日後にスタジオに来てくれるかな。頼んだよ」 「あ、はい」 そして三日後。 俺の出番は…… 「麻薬密輸の現行犯で逮捕する!!」 「なに!? こんなに早く嗅ぎ付けるとは……先生、お願いします!!」 「チッ、用心棒か」 格好良く現場に踏み込むシーンではなく…… 「地獄に堕ちな」 バババババババババババババ…… 「畜生、調子に乗って撃ちやがって」 「なんでマシンガンなんかあるんだ?」 派手な銃撃戦でもなく…… カララララララララ…… 「弾切れ!?」 「チェックメイトだな」 「お前を逮捕する」 逮捕の瞬間ですらなく…… 「なに!? 高山と大下が勝手なことをした!? で、どこにいるんだ、あいつらは!! なに!? 見失っただと!? バカモン!!」 むせんではなしをするしーんのひとりしばいだった。 どうでもいいけど、なんででかちょう? **************************************** くま「ども。ネタ切れってのがよく分かりますね。ちなみに今回はワザと繰り返してます が、いちいち繰り返さなくても芹香さんの言ってる内容を分かるようにするのが理 想ですね」 川崎「今回なら『先輩がそう言うなら出てみようかな』と書けば繰り返す必要はないな。 ……しかしこれ、見えないお友達か」 くま「それよりも、刑事ドラマってのはどうして電話や無線で相手の言ってることを繰り 返すんでしょう」 川崎「撮影のシーン、おかしいところがあるのはワザとか?」 くま「それでは、また」