なぜ俺はここにいるのだろう。 ……誰か、教えてくれ。 「そりゃ、私が死んだからだろう?」 「ふざけんな、このくそ親父!!」 「まあまあ、耕一さんも落ち着いて……」 夏も終わりが近づいたある日。従姉からの一本の電話。 「落ち着けませんよ。親父が死んだって聞いて来てみりゃこうしてくつろいでるし、しか もその理由が『エルクゥだから』だって!?」 「うむ。幽霊もなかなかいいものだぞ」 そう。親父は幽霊になっていた。エルクゥの力で。 「それじゃ母さんはなんのために……あんな苦労までして……」 「で、今後の耕一のことだが……」 「話を聞けっ!!」 「うるさいな、なんだ一体」 「どうして母さんと俺を捨てたんだ」 知りたかった。柏木の血にまつわる話を知った今、確かめたかった。 「怖かった。あいつを巻き込むのが。……出会わなければ、あんな思いをさせずに済んだ と思うと悔しい」 「…………」 「悔しいんだ……」 責められない。俺は。 同じ思いを抱えるのかもしれないから。 「耕一さんの今後のことですけど……」 「ほっときゃいいだろ」 「で、でも……」 「大丈夫。死んでも生きられる」 幽霊を生きてるとは言わない。無責任め。 「そんな!! 耕一さんの体がなくなったら私……」 「か、楓ちゃん落ち着いて……」 「あっ……(ぽっ)」 なんだか俺の知らないところでずいぶん話が進んでいるらしい。 「茶がうまい……」 日本初の幽霊社長(ゴーストプレジデント)柏木賢治!! 幽霊のくせに茶を飲むな!! フェードアウト。 **************************************** くま「ども。耕一の親父もダリエリたちみたいに幽霊になっててもいいんじゃないかと思 って書いたんですが、うまくまとまりませんでした」 川崎「詰め込みすぎたな。ギャグならギャグだけでやった方がすっきりする」 くま「それでは、また」