鏡。 鏡を見ている。 その日、食卓についた俺を待っていたのは、見たこともない光景だった。 初音ちゃん・・・は、いつもと変わらない。 問題は、他の三人だ。 「あの・・・その髪型は、一体?」 そう。みんなの頭の上で、初音ちゃんと同様に髪が一房はねていた。 「耕一、知らなかったのか? 初期設定ではこうだったんだぜ(本当です)」 「そうそう、あのころは梓ももっと男らしかったのに・・・」 「それはどういう意味だ、千鶴姉」 「そのはねた髪って、意味あるのかな・・・」 「鬼の血をひいてる目印じゃないかしら」 「も、もしかして・・・」 そうして今、鏡を覗き込んでいる。 「やっぱりある・・・」 どうしよう。 切るか。 俺はハサミをはねた髪に当てた。 「だめだよ、お兄ちゃん」 後ろで初音ちゃんの声がした。 「切っちゃうと、方向感覚とかおかしくなるから」 ・・・やっぱりアンテナか。 俺は諦めて居間に戻った。 のんびりと飯を食っていると後ろのふすまが開いた。 「柏木耕一いいいぃぃぃぃぃっ!!」 何をしに来たかは知らないが、柳川のようだ。 「ようだ」というのはつまり・・・怖くて振り返れないんだ。 奴にもあるのか? アレが。 空気が凍り付く。 ゆっくりと、振り返ろうとして・・・。 ・・・影でわかった。 **************************************** くま「ども。設定資料集を知り合いに見せてもらったんですけど、驚きました」 川崎「没になった設定の中にいろいろと気になるものもあったが何より・・・」 くま「柳川がかっこよかった(これは没になってないと思うが)」 川崎「なぜそこに行き着くのかねぇ」 くま「それでは、また」 タイトル:一房の コメント:誰が決めたのか。それが間違っていると。 ジャンル:ギャグ/痕/柏木家