月を眺めている。 いつもの屋上で。 あの事件の夜に見た月は、とても綺麗だった。 それはもしかしたら、彼女がいたから。 どこまで届くのだろう。 僕の電波。 あの月まで、届くだろうか。 もし届いたとしても、彼女には届かない。 それは僕のせいだから。 誰一人救うことが出来なかった、僕のせいだから。 それがわかっていても、僕はまたここで待ち続ける。 彼女の電波が届く日を。 あの日の彼女のように、ただ静かに。 **************************************** くま「ども。雫シリアスは初めてかも」 川崎「トゥルーエンドものはたくさんあるから、お前が書く必要はないと思うが」 くま「すみません、痕シリアスに飽きてきました」 川崎「確かに、雫はあんまり書いてないからな」 くま「『連作・咎(とが)』としてしばらくやりたいんだが」 川崎「・・・大丈夫か?」 くま「それでは、また」 タイトル:月に届くように コメント:届けたい、でも届かない。 ジャンル:シリアス/雫/祐介