その日私は、いつものようにいつもの格好で町を歩いていました。 「お姉ちゃん、お姉ちゃん」 小学生くらいの男の子が私の服を引っ張っています。 私はどうしたの、と言いました。 「ねえ、一緒に来てくれない?」 どうして? 「僕・・・あんまり友達いないんだ、だから・・・」 その子の頭をなでてあげました。 大丈夫、きっとあなたのことをわかってくれる人がいるから。 「うん、ありがとう!」 その子は手を振って駆けていきました。 ・・・でも、どうしてカボチャのかぶりものをしていたのでしょうか。 「お嬢ちゃん、はいこれ」 一人のご婦人が小さな袋を私に差し出しました。 私がこれはなんですか? と尋ねると、 「あら、お菓子よ。だって今日は・・・」 「あれ? 先輩?」 藤田さん・・・。 「その格好・・・。やっぱりあれ、今日はハロウィンだから?」 ・・・これは普段着です。 **************************************** くま「ども。すいません、ハロウィン過ぎてる上にあんまり面白くないようで・・・」 川崎「もう少し引っ張らないとだめだろう」 くま「それでは、また」 タイトル:いつもと違うのは、周りだから コメント:いつもと同じ、でも少しだけ違う街の風景。 ジャンル:ほのぼの/TH/芹香