「ナマモノみたいなんで早めに食べた方がいいですよっ! それじゃあ!!」 「はい、どーもぉ」 今日、あかりから宅急便で荷物が届いた。 ・・・家、近いんだから直接持ってくりゃいいのに・・・なんだろう? 「ん・・・手紙がついてる・・・えっとどれどれ」 『家族で旅行に行くのでしばらく家を留守にするの。浩之ちゃんに使ってもらいたいと思 って送りました』 ふむふむ。気が利くじゃねーか。 『結構便利なものなので喜んでくれると嬉しいです』 便利なもの・・・? 『餌は普通のものでいいはずだから。調教はすましてあるので迷惑はかけないと思うよ』 ??? 『それじゃよろしくね。私の下僕、矢島くんを・・・』 「え・・・!?」 思わず荷物の蓋を開ける。なんとそこには―― 「ぶはあああああぁぁぁぁぁぁっ!!」 ビキニパンツのセバスがいた。しかも黒。 「なんでやねんっ!!」 「さて、なぜでしょうな?」 ぽーじんぐを、するな。 薄れゆく意識の中俺は、箱の底で(違う意味で)死んでいる矢島の姿を見た。 ・ ・ ・ 夢。 夢を見ている。 小さい頃、海で溺れたときの夢。 そのとき、俺に人工呼吸をしてくれたお姉さんが美人だったことは、あかりには内緒だ。 お姉さんの顔がゆっくりと近づく。 その顔が一瞬ぼやけて、違う人物の顔になった。 セバス。 「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 勢いよく跳ね起きた俺の目の前にあった顔は・・・。 セバス。 「ちっ」 舌打ちをするセバス。 「き、貴様何をしようとしていた!! 答えて見ろ!! ・・・いや、やっぱり聞きたく ・・・」 「人工呼吸」 「やめてくれえええええぇぇぇぇぇ!!」 「藤田・・・」 「どうした、矢島」 「一人で『クール宅急便』は寒かろうという心遣いはうれしいが、あんな物を入れられて もな・・・」 「そうだな・・・」 二人は灰になった。 真っ白な、灰に。 「ぬ?」 ぽーじんぐを、するな。 **************************************** くま「ども。いや〜、なにがなんだかさっぱり」 川崎「オチはどれだ」 くま「すいません、最初考えてたのと違う展開になったもので・・・」 川崎「浩之と矢島の会話が説明臭いな」 くま「それでは、また」 タイトル:外典・箱入り矢島(冷凍人間現る) コメント:八塚崇乃さんが『外典・箱入り矢島』を書いてくれたので。 ジャンル:ギャグ/TH/セバス