外典・箱入り矢島(冷凍人間現る) 投稿者: くま
「ナマモノみたいなんで早めに食べた方がいいですよっ! それじゃあ!!」
「はい、どーもぉ」
 今日、あかりから宅急便で荷物が届いた。
 ・・・家、近いんだから直接持ってくりゃいいのに・・・なんだろう?
「ん・・・手紙がついてる・・・えっとどれどれ」
『家族で旅行に行くのでしばらく家を留守にするの。浩之ちゃんに使ってもらいたいと思
って送りました』
 ふむふむ。気が利くじゃねーか。
『結構便利なものなので喜んでくれると嬉しいです』
 便利なもの・・・?
『餌は普通のものでいいはずだから。調教はすましてあるので迷惑はかけないと思うよ』
 ???
『それじゃよろしくね。私の下僕、矢島くんを・・・』
「え・・・!?」
 思わず荷物の蓋を開ける。なんとそこには――
「ぶはあああああぁぁぁぁぁぁっ!!」
 ビキニパンツのセバスがいた。しかも黒。
「なんでやねんっ!!」
「さて、なぜでしょうな?」

 ぽーじんぐを、するな。

 薄れゆく意識の中俺は、箱の底で(違う意味で)死んでいる矢島の姿を見た。

 ・
 ・
 ・

 夢。
 夢を見ている。

 小さい頃、海で溺れたときの夢。
 そのとき、俺に人工呼吸をしてくれたお姉さんが美人だったことは、あかりには内緒だ。

 お姉さんの顔がゆっくりと近づく。
 その顔が一瞬ぼやけて、違う人物の顔になった。

 セバス。



「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 勢いよく跳ね起きた俺の目の前にあった顔は・・・。

 セバス。

「ちっ」
 舌打ちをするセバス。
「き、貴様何をしようとしていた!! 答えて見ろ!! ・・・いや、やっぱり聞きたく
・・・」
「人工呼吸」
「やめてくれえええええぇぇぇぇぇ!!」



「藤田・・・」
「どうした、矢島」
「一人で『クール宅急便』は寒かろうという心遣いはうれしいが、あんな物を入れられて
もな・・・」
「そうだな・・・」

 二人は灰になった。
 真っ白な、灰に。



「ぬ?」

 ぽーじんぐを、するな。

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くま「ども。いや〜、なにがなんだかさっぱり」
川崎「オチはどれだ」
くま「すいません、最初考えてたのと違う展開になったもので・・・」
川崎「浩之と矢島の会話が説明臭いな」
くま「それでは、また」

タイトル:外典・箱入り矢島(冷凍人間現る)
コメント:八塚崇乃さんが『外典・箱入り矢島』を書いてくれたので。
ジャンル:ギャグ/TH/セバス