今日は、はるかとサイクリングだ。 「冬弥」 「なんだ?」 「そのステッカー、いつまで張ってるの」 「ああ、高校の駐輪場のステッカーか。ずっとだ」 「わかった。はがすのが面倒臭い」 「それはお前だろうが」 「私貼ってない」 「新車に貼ってるわけないだろ。はがさないのにも理由があるんだ」 「そう」 「聞けよ」 「ん。何?」 「忘れたくないから」 「ん」 「反応はそれだけか」 「もっとしゃべりたい?」 「いや、そういうわけじゃ・・・」 「じゃあ、聞く」 なんでだ。 「高校の頃って、いろいろあっただろ?そりゃ、いいことだけじゃなくて、その・・・」 「兄さんのこととか」(ボソッ) 「う・・・ま、まあ、そういうのも含めて全部思い出になってるわけだ。でもな、思い出 って思い出さなければいつか消えてしまうものだろ?だから忘れないために・・・」 「ZZZ・・・」 「寝るな」 「ん」 「とにかくだ。自転車に乗る度に思い出すように・・・ん?」 はるかはすでに、彼方へと走り去っていた。 「や、やっと追いついた・・・」 「冬弥、遅い」 「勝手に出発するな・・・」 「冬弥」 「なんだ?」 「ステッカー、再発行してもらえるかな」 「どうだろうな」 帰りに俺たちは、久しぶりに母校の門をくぐった。 **************************************** くま「ども。なんかよくわからんことになってるな」 川崎「・・・お前さぁ、会話がないのと会話ばっかりのが多いな」 くま「『昔から極端から極端に走る子でした』」 川崎「っておい」 くま「それでは、また」 タイトル:きっと忘れない コメント:あの時代を思い起こさせる物がある。 ジャンル:シリアス風/WA/はるか