きっと忘れない 投稿者: くま
 今日は、はるかとサイクリングだ。
「冬弥」
「なんだ?」
「そのステッカー、いつまで張ってるの」
「ああ、高校の駐輪場のステッカーか。ずっとだ」
「わかった。はがすのが面倒臭い」
「それはお前だろうが」
「私貼ってない」
「新車に貼ってるわけないだろ。はがさないのにも理由があるんだ」
「そう」
「聞けよ」
「ん。何?」

「忘れたくないから」

「ん」
「反応はそれだけか」
「もっとしゃべりたい?」
「いや、そういうわけじゃ・・・」
「じゃあ、聞く」
 なんでだ。
「高校の頃って、いろいろあっただろ?そりゃ、いいことだけじゃなくて、その・・・」
「兄さんのこととか」(ボソッ)
「う・・・ま、まあ、そういうのも含めて全部思い出になってるわけだ。でもな、思い出
って思い出さなければいつか消えてしまうものだろ?だから忘れないために・・・」
「ZZZ・・・」
「寝るな」
「ん」
「とにかくだ。自転車に乗る度に思い出すように・・・ん?」
 はるかはすでに、彼方へと走り去っていた。

「や、やっと追いついた・・・」
「冬弥、遅い」
「勝手に出発するな・・・」
「冬弥」
「なんだ?」
「ステッカー、再発行してもらえるかな」
「どうだろうな」
 帰りに俺たちは、久しぶりに母校の門をくぐった。

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くま「ども。なんかよくわからんことになってるな」
川崎「・・・お前さぁ、会話がないのと会話ばっかりのが多いな」
くま「『昔から極端から極端に走る子でした』」
川崎「っておい」
くま「それでは、また」

タイトル:きっと忘れない
コメント:あの時代を思い起こさせる物がある。
ジャンル:シリアス風/WA/はるか