真・鬼伝説 第五章 波の音は今は遠く 投稿者: くま
俺は今、海に来ている。
ここは有名な温泉地らしい。
おっ。
遠くの方に、アイスキャンデー売り発見。
なんだか昔懐かしい自転車で来ている。
売り子は、髪の長い女性と、髪の短い女性と、男。
男はどうでもいいが、女性は二人とも美人だ。
「アイス一つ」
「150円になります」
・・・ってちょっと待て!!
「千鶴さん、そのアイス売っちゃダメ〜〜!!」

いや、実はだな。
前回の騒動の後、海に来ることに決まったんだ。
一年前を思い出しつつ、くつろいでいたら例のキノコアイスを関係
ない人に売ろうとするんだもんなぁ。
あれ、もしかして去年の売れ残りか?
ちなみに、俺達は年を取らない。
だってギャグだもん。

「ふははははははは」

突然の笑い声に振り向くと、海の家の屋根に登る人影が見えた。
「暖かくなるとああいうのが出てや〜ねぇ」
「ママ〜、あれな〜に?」
「目を合わせちゃダメよ!!」
俺は絶句した。
屋根の上のそいつが、俺と同じ顔をしていたからだ。
「て、てててててててめぇっ!!」
怒りが抑えきれない。
「俺の顔でそんな変態的なことをするんじゃねぇっ!!」
そうだ。志保を抑えて置かなくては。
「ねぇねぇみんな、志保ちゃんニュースの時間よ〜」
遅かった・・・。

砂浜にしゃがみ込んで砂に「の」の字を書く俺。
ふっ、背中が煤けてるぜ・・・。

「俺の名は!!ブラック川崎!!」

そうだ全部てめぇのせいだ何がブラックだ日焼けサロンなど俺がゆ
るさん首にハチマキなんぞ締めくさってかくなる上は血祭りに上げ
て憂さ晴らしときたもんだ。
疲れるな、これ。

「とうっ!!」

馬鹿が屋根から飛び降りやがった。

「がっ!?く、くるし・・・」

しかもハチマキ引っかけて首吊り状態。
誰が助けるもんか。
ああ、あかりちゃん可愛いなぁ。
「そんなこと言ってる場合じゃないと思うんだけど・・・」
「うわっ!!」
キルシュか。
ちなみにキルシュは鬼ではないエルクゥ(今後、プロトエルクゥと
呼ぶ)なので、精神感応力(テレパシー)をかなり自在に扱える。
鬼エルクゥ達は、肉体のほうが強すぎて精神感応力はだんだん退化
したらしい。
今では自分の思い通りに精神感応力を扱える鬼エルクゥはほとんど
いないようだ。楓ちゃんはかなり素質があるようだが。
「説明ありがと」
しかし、人の心が読めるってのは辛くないのかねぇ。
「心配してくれるの?」
また読みやがって・・・。
もういい。
こいつの前でこいつのことを心配するのは金輪際止めてやる。
「それは残念ねぇ」
人をからかって遊ぶな。
・・・・・・。
反応がない。
「もう心を読まないのか?」
「ええ。相手の手の内がわかっちゃうのも面白くないでしょう?」
キルシュはクスクスと悪戯っぽく笑った。
・・・遊ばれてるな。

「お〜い、たすけてくれ〜」

「う〜む、こういうワナもいいなぁ」
「どうしたんですか?英二さん」
「藤井君、こういう風にヒモでつり上げるワナもずいぶんアートし
てると思わないか?」
「アートですか?」
「そう!ワナはアートだよ藤井君」
「ところで、他にはどんなワナがあるんですか?」
「この間見せた落とし穴と、タライと・・・バナナの皮」
「どっちかというとドリフ・・・」
「ワナの起源はルネッサンス期にレオナルド・ダ・ヴィンチが・・
・」
「そんなわけないでしょう!!ほら、行くわよ冬弥君。あんまり兄
さんといると嘘つきがうつるから・・・」
「理奈、兄貴に向かってそんな言い方はないだろ」
「冬弥君も由綺もだまされやすいんだから気をつけなきゃダメよ」
「理奈ぁ〜〜」
哀れ。

「・・・・・・」

十二時を過ぎたので、海の家で昼飯を食うことにした。
「あれ?英二さんどうしたんですか?」
「ん・・・いや、ちょっと忘れ物をね」
海の家の裏に回り込む英二さん。
そこにあるヒモを勢いよく引っ張った。

ギシ・・・ギシ・・・。
「何だ?この音」
海の家は崩れた。
ドリフのセットのように。

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くま「ども。当然川崎の視点で話が進んでるわけだけど、少しわか
   りづらいかねぇ」
川崎「いいんでない」
キルシュ「海なのに、水着のシーンがないんですね」
くま「いいんだよ。どうせ見えないんだから」
キルシュ「それ以前に私の外見が語られてないんですけど・・・」
川崎「俺も」
くま「キルシュは、身長170センチくらい、髪の長さは肩より少
   し下、髪の色は栗色、瞳は深いブルー」
キルシュ「そうだったんですか」
くま「顔とかは各人が適当に美人を想像してくれ」
川崎「俺は?」
くま「身長175センチくらい、そこらにいるような普通の日本人」
川崎「こらこら」
くま「本当にそうなんだから。ちなみに髪は染めてません」
キルシュ「そういえば、私何歳なんですか?」
くま「エルクゥの寿命が人間と同じくらいだという設定で、21歳」
キルシュ「なるほど〜」
くま「そろそろ感想(一部)とレスに行くか」

久々野 彰さん。
 「宣言」あれ、実はオチにかなり悩んだんですよ。
     そしたらなんか球児達の歓声が聞こえてくるじゃありま
     せんか。
     サンキュー、球児達。
     応援に使われる曲達もそろそろ球児達が元ネタを知らな
     いんじゃないかと思うよ、俺は。
     (「Dr.スランプ」はねぇだろう、とか思うんだが)

邪 傀儡さん。
<機動戦士エルクゥ>
 はじめまして。
 ここはガンダムネタ、競争率高いと思いますよ。
 総元締め(アクシズさん)がいるし。
 まぁ、人は人なんですが。

白野佑凪さん。
<手袋>
 >「今度、彰が子犬産んだら貰う」
 >「よし、正常だな」
 既にはるかワールドにどっぷりの冬弥。
 ええんか、それで。

vladさん。
<関東藤田組 藤田浩之改造計画>
 「姉御」・・・。いい言葉だ・・・。
 しかし、藤田組長にメンチを切る怖い物知らずがまだいたとは・
 ・・。国宝級ですぜ、旦那。
 何で俺達は、「改造」という言葉に過剰反応してしまうのでしょ
 うか。永遠の謎ですね。
 後、感想のタイトルが毎回謎でよいです。ええ、非常に。

アクシズさん。
<替え歌 魂のサフラン>
 ところで、リゾットってどんな料理ですか。
 俺、リゾット・ネエロのイメージしかないんですけど。
 「メタリカッッ!!」
 (自分のSSにも出しといてよく言うよな、俺)

八塚崇乃さん。
<素朴な疑問と真実・痕編>
 この分じゃ、レンジもダメだな。(自爆スイッチは別としても)
<それは違う……>
 紅葉狩りでも可。
 と言うか、紅葉狩りって紅葉狩ってるか?

MIOさん。
<はつねの『は』>
 お久しぶりです、閣下。
 さすがでございます。
 次回は「ちづるの『ち』」でございましょうか・・・。

くま「それでは、また」

タイトル:真・鬼伝説 第五章 波の音は今は遠く
コメント:何がしたいんだ、ブラック川崎。
ジャンル:コメディ/ALL/川崎