宣言 投稿者: くま
芹香ED後。

公園に二人佇んでいると、どこかで聞いたような暑苦しい声が聞こ
えてきた。
「お嬢様〜〜〜〜っ!!」
セバスか。本当にどこにでも現れやがる。
「お嬢様、パーティーにお戻り下さい」
「おい待てよ」
「小僧ッ!!貴様か、お嬢様をたぶらかしたのはっ!!」
「先輩が自分でここに来たんだ。そろそろ自由にしてやってもいい
んじゃねぇのか?」
「貴様に社交界の何がわかるかっ!!」
「うるせぇ!!大人の都合で人を引きずり回すのが社交界かよ!!」
「ぬぬぬ・・・小僧、決着をつけるべき時のようだな」
「望む所よ!!」
「・・・・・・」
先輩は俺達のテンポの速い会話についてこれずにおろおろしている。
「大丈夫だから、な?」
俺は先輩をそっと抱きしめる。
「かかってこい、小僧!!」
「どりゃああああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
俺のパンチは軽々と受け止められた。
だが、セバスチャンはただ一言、
「お嬢様を頼みますぞ」
と言ってしりもちをついた。
「藤田様。私めの負けでございます。これにお着替え下さい」
「これは?」
「この日のために特別にあつらえた礼服でございます」
この日のため?
「さ、早くお着替え下さい」
俺はとりあえず言うとおりに公園のトイレで着替えた。
「お車にお乗り下さいませ。お嬢様もお早く」
先輩はまだおろおろしているが、何とかリムジンに乗り込んだ。
「どこに行こうってんだ?」
「パーティー会場でございます」
なに?
・・・まさか、最初からそのつもりだったのか?
セバスチャンの考えはこうだろう。
先輩が俺に会うためにパーティーを抜け出すことはセバスには予想
がついていた。
だから、俺が先輩にふさわしいかをテストして、それに合格すれば
俺をパーティー会場に連れていき先輩の恋人として周囲に認めさせ
ようと言うのだ。
まあ、たまにはこのじじいの企みに乗ってやってもいいか。
「会場に着きましたぞ」
車を降りてからしばらく歩く羽目になった。
流石来栖川。でかいビルだぜ・・・。
会場に通された俺達は、一段高い壇上に上る。
「ご列席の皆様。本日は重大な発表がございます」
セバスは振り返り、
「お嬢様、お願いします」
と言った。
先輩がマイクの前に立つ。
そして・・・。
「・・・・・・」
先輩は、選手宣誓をした。

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くま「何を宣言していいか、わからなかったのね」

タイトル:宣言
コメント:浩之とセバスは戦う。芹香には幸せになって欲しいから。
ジャンル:シリヤス/TH/芹香