夕食時。 「へえ、楓ちゃん学園祭で演劇やるんだ」 「はい」 「お姉ちゃんは役者やるの?それともスタッフ?」 初音ちゃんが興味深そうに聞く。 「役者」 「へえ、どんな役だい?」 俺が尋ねると、楓ちゃんは一言、 「さばみそ」 えっ?何? もしかして今、「さばみそ」って言った? 唖然とする俺を後目(しりめ)に、梓が 「へえ、重要な役じゃないか。頑張りなよ」 と言う。 何だ?そんなに有名な演目なのか? 「お姉ちゃんすごーい」 初音ちゃんは感心してるし。 「実は、私も学生時代演じたことがあるんですよ。懐かしいわー」 千鶴さんまで・・・。 遠い目をするのはやめなさい。 「それじゃあ特訓だな」 おいおい、何てこと言い出すんだ、梓。 「そうね、そうしましょう」 「頑張ってね!」 俺は居間に取り残された。 庭からなにやら奇声が聞こえてくるが、ここは男らしく無視しよう 。 おっともうよい子は寝る時間だ。 寝よ寝よ。 そして、学園祭当日。 静かに幕が上がる。 「さばみそ」だ。 どこからどう見ても、匂いを嗅いでも、きっと味も「さばみそ」だ 。 正真正銘、「さばみそ」。 ・・・台詞、あるのか? 楓ちゃんがゆっくりと口を開く。 「にゃー」 観客から歓声が上がる。 マジか、お前ら。 結局、台詞は一つだけだった。 「すごいじゃないか、楓!!」 「感動しちゃった!!」 「流石、私の妹ね!!」 「特訓したから」 芸術って、すばらしい。 ****************************** くま「ども」 川崎「コメント書きようがないんだが」 くま「じゃ、元ネタについて。CCさくらの学園祭の回です」 川崎「元ネタからあんまり離れてないだろ」 くま「『さばみそ』を超えるインパクトを持った言葉が見つからな かった」 川崎「修行が足りんなぁ」 くま「それでは、また」 川崎「逃げるな」 タイトル:スポットライトが眩しくて コメント:学園祭で演劇をやることになった楓。彼女の役とは? ジャンル:ギャグ/痕/楓