朝起きると、俺はクマになっていた。 言っておくが、作者のことではない。 (そのためにカタカナなのだ) 理由は全く分からない。 ・・・学校、どうしよ・・・。 「浩之ちゃーん」 あかりが来た。無視するわけにも行くまい。 俺は玄関へと急いだ。 がちゃり。 「浩・・・・えっ?」 さすがのあかりも、この姿には驚いたようだ。 「浩之ちゃん、クマ飼い始めたのかなぁ・・・」 違うって。話し掛けようとすると、 がおー と、やけにかわいい鳴き声が出るばかりだった。 これはまずい。なんとかして、意志を伝えなければ。 名案が浮かんだ。かの有名な、水を被るとパンダになるオヤジのように、立て 看に台詞を書けばいいんだ。 [あかり、俺だ、浩之だ] 「ふふふ、こんな芸も出来るのね」 いいから内容を見ろ。 「・・・えっ、浩之ちゃん?」 コクリ。 「じゃ、学校行きましょ」 [このままじゃまずいだろが] 「そうかな・・・。結構みんな気づかないかも」 おいおい・・・。 結局、俺はあかりに引きずられて学校まで来てしまった。今、教室にいる。 「あかりー」 志保だ。 「あれー、あかり、クマ飼い始めたんだ」 「違うの」 「でも、随分目つきの悪いクマねー」 「これ、浩之ちゃんなの」 「ヒロ?やるわねー、ヒロも」 こいつも変だと思わねーのか。 「あれ、あかりちゃんクマ飼い始めたの?」 雅史まで。 「でも、いくらうちの学校が校則ゆるくてもペットはまずいんじゃ・・・」 「違うの、これ、浩之ちゃんなの」 「へぇ・・・、浩之、優しいんだね」 [なんだそりゃ] 「えっ、浩之、あかりちゃんのためにクマになったんじゃないの?」 [なんでクマになったのかわからん] 「ふーん」 それだけかい。もっと俺のことを心配してくれる奴はいねーのか。 委員長はこっち見て笑ってるし。 「ヒロユキー」 げっ、レミィだ。一番見つかりたくない奴にみつかっちまった。 「Oh!Bearがいるね。Let‘s hunting!!」 やばい、逃げるぞ!! 「浩之ちゃん!?」 [悪い、レミィをくいとめてくれ] 「う・・・うん」 さて、どこまで逃げ切れるか・・・。 走っていると、前方に先輩が見えた。 そうだ。先輩なら元に戻る方法を知ってるかも・・・。 [先輩、ちょっとはなしが・・・] 「・・・・・・」 えっ、先輩も? 「・・・・・・」 儀式にクマが必要って・・・。 まさか? コクリ。 そんなの、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ!! *********************************** くま「ども。なんだか、MIOさんに感化されて書いたんですが、マネできん です」 川崎「当たり前だ。大体俺の話は・・・」 くま「今日は学校で本当に即興で書いてるので・・・」 川崎「しょうがないやつだ」 くま「久々野さん、俺も<不条理王ファンクラブ>入りたいです」 川崎「また、勝手なことを・・・」 くま「それでは、また」