耕一・イン・ザ・風呂2 投稿者: くま
  湯船につかり、長い息を吐く。
「ふぅーっ」
  我ながら、オジン臭いな、と思う。とはいえ、自分の意志で止められるものでもないから仕方が
ない。これは人間の習性なのだ。・・・根拠はないが。
  ・・・風呂ってのは不思議な空間だ。こうして湯船につかっていると、なぜか余計なことまで考
えてしまう。小さかった頃のことや、ふと思いついたこと。この場所を出てしまえば、砂の城が崩
れて行くように記憶の中から消えていってしまう儚い想い。普段なら絶対に考えないようなことも
、この場所ではなぜか考えてしまう。今日も、そんなことをボーッと考えていた。ふと、俺は・・
・
  1,親父のことを考えた。
  2,将来のことを考えた。
  3,そう言えば、俺の前って誰が風呂に入ってたっけ。

  3を選んだ。はっきりいって、この選択肢は罠としか思えない。だが、それでも選ばなければな
らないのだ。男として。いや本当は、選びたくないんだが、『どーしても!!』と言われればそれ
は仕方がない。大人の事情って奴だ。というわけでさっそく・・・。
  俺の前も何も、俺が一番最後じゃないか。てことは、このお湯には四姉妹の・・・。
 いかんいかん。あまり変態的な方向にいくと、読者が引いてしまうからな。もう少しソフトにい
くか。
  風呂と言って思い出すのは何か!?
 そう!!温泉だ!!!!
 某人気小説家の影響で、美少女アニメには欠かせないものとなった温泉だよ、明智君。
 幸いにもここは隆山温泉郷。温泉には事欠かない。
 ・・・・・・。
 ・・・詰まった。話が続かない。このまま続けても、たいして盛り上がらないだろう。今更温泉
ネタってのもなぁ。大体実は、温泉が出たとき一番最初にお湯に入るのは、温泉掘りのおっさんな
んだぜ。(作者の父・談)
 だから、話を戻そう。
 つまり、このお湯には四姉妹のエキスがぎゅっと詰まっている訳だよ!!・・・なんか言ってて
頭痛くなってきた。
 で、これを一人占めして良いものだろうか?いや、良くない!!500ミリリットルのペットボ
トルに入れて、一本五千円くらいで売れば大金持ち・・・ってそうでもないか。産出量が異常に少
ないからな。
 いいや、薄めちゃえ。わかりゃしないって。
「これ、いつもより薄いですよ」
 なんてクレームつけてくる奴がいたら恐いな。
 どうやって売るかだが・・・やはり、こっそり売るにはインターネットだな。
 とりあえず、某社の即興小説コーナーにでも作品を投稿して、販売用ホームページのURLをつ
けときゃ口コミで広がるだろ。我ながら実にすばらしい販売計画だ。

 そして・・・販売を始めると、耕一の予想を遥かに越える反響があり、当然四姉妹にもばれてし
まうのであった。

「こ〜〜〜う〜〜〜い〜〜〜ち〜〜〜」
 梓の右手はすでに鬼の拳と化していた。
 唸る拳。
 吹き飛ぶ俺。
「ぐうっっ」
 いくら鬼と言えども、これは痛い。その後梓は俺を気が済むまで殴ると、のっしのっしと自分の
部屋に戻っていった。 
「お兄ちゃん、ひどいよ」
「・・・最低」
 初音ちゃんと楓ちゃんの言葉が俺の胸をえぐる。これならまだ梓に殴られていたほうがマシだ。
 しかし、この後にもっと恐ろしいものが待っていた。そう、それは・・・
「耕一さん、晩御飯の用意ができましたよ」
 千鶴さん、顔は笑顔だが、誰にでもすぐ分かるでかい青筋を立てていた。しかも、俺の飯だけ怪
しげなキノコのリゾットだった。
「あの〜〜〜、このキノコ、なんてキノコですか?」  
「・・・サルマタケ」

 ・・・・お・・・・男おいどん・・・・
 俺は気絶した。

         終わり

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くま「ども。斗織さんと久々野さんに、『3でやってくれ』と言われたんで書いてみました」
川崎「でも、期待に添えてないんじゃねーの?暴走し過ぎだよ、お前」
くま「お前、出てくるなよ」
川崎「なに言ってんだ、相方欲しいだろ?」
くま「しょうがねーな。えー、皆さん、こいつは俺の未発表SS、『海辺の惨劇』の主人公、川崎
です」
川崎「でもあれって、全然惨劇じゃないぞ」
くま「作者の代理として、本名をもじって名前をつけたんですが・・・このとおり反抗的に育って
しまいました」
川崎「なんて言い草だ」
くま「それで、なぜその話が未発表かと言うと、連載ものをきちんと発表していける環境ではない
からです。とりあえず今回で活動を停止して、きちんと環境が整ってから再開したいと思います。
ただ、皆さんの作品を読むこと自体は夏休みに入る前まではできるので感想やなんかは、大歓迎で
す」
川崎「実はこいつ、大学経由でこれ送ってんだぜ」
くま「そう言うことです。夏休み中に何とかしておかないと、休み明けに未読の山・・・なんてこ
とに・・・」
川崎「個人的な話はもういいから」
くま「そうだな。斗織さんと久々野さん、感想ありがとうございました。作者の無能ぶりが伺える
話になってしまいましたが、精進しますので・・・」
川崎「なぁ、サルマタケって何だ?」
くま「松本零士の『男おいどん』に出てくるキノコだ。押し入れのさるまたから生えてくるんだが
、実話らしいぞ」
川崎「お前歳いくつだよ」
くま「19だ。この話は人に聞いただけで俺は読んでないぞ」
川崎「へぇ。ところでさ、俺達って、」
くま「良く言えば自己との対話、」
川崎「悪く言えば一人芝居、」
くま「・・・だな」
川崎「他の人を見ろよ。斗織さんの来栖川姉妹とか、うらやましいとはおもわんのか!?」
くま「TaSさんは、良く柳川を出すけど・・・」
川崎「うっ、あれは・・・楽しいのかね」
くま「人それぞれってことで。また会いましょう」