今日はTV局でADのバイトだ。 あそこにいるのは・・・英二さんだ。 英二「よお、勤労青年」 今日の話題は・・・「世間話」だけか。・・・ところで、この人は俺をいつも勤労青年だのとよぶけど、まさか、俺の名前を知らないなんてことは・・・。 冬弥「英二さん、ところで俺の名前知ってます?」 英二「なんだなんだ、突然?」 冬弥「いえ、英二さんて、俺を名前で呼ぶことなんてないですよね」 英二「おいおい、弱ったなぁ。それじゃまるで俺が、失礼な奴みたいじゃないか」 ・・・違うのか?大体、この人が弱ることなんてあるんだろうか? 冬弥「で、どうなんです?」 英二「もちろん知ってるさ。確か、藤の字がついたよな?」 冬弥「ええ」 『もちろん知ってる』人間が、なんでそんなこときくんだ・・・。 英二「藤・・・藤・・・藤田浩・・・」 理奈「兄さん!!それは全然違う人でしょう!!」 いや、ある意味同じ人なんだよ、と思ったけど言わないでおこう。 英二「理・・・理奈、盗み聞きは良くないぞ」 理奈「なに言ってるの、仕事ほっぽりだして居なくなったから、探しにきたんじゃない!」 あった。英二さんが、弱ることが。『あの』英二さんも、なぜか妹の理奈ちゃんにだけは弱い。あの顔で。 理奈「ほら、行くわよ」 英二「わ、わかったわかった。いたたたた、手を離してくれよ」 アイドルタレントである妹(しかも8歳も年の離れた)に、ずるずると引きずられて行く大物プロデューサー。普通の人なら想像もしないような光景をぼんやりと眺めながら俺は、「やっぱり俺の名前なんてどうでもいいのね・・・」と呟いていた。 END ども、初めまして。ぼーっとしてるときに思い付いて書いた「即興パネル会話」いかがでしたでしょうか?雰囲気、出てますか?なんか慌ただしい感じになってますけど。短いんでね。しかしなぁ・・・頭の中で考えてたときはもっと面白かったのになぁ・・・。