『セリオちゃんとマルチちゃん』(第4話) 投稿者:久々野 彰
 *類似品にご注意下さい(笑)。「前回「さん」だったのはミスっただけ・・・」
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 第4回 「セバスチャンとセリオちゃん」


「・・・・・」
「どうなされました?」
 学校の前で車を止め、立って待っているセバスチャンに何故か通りがかったセリオ
が声を掛ける。
「・・・・・」
「どうなされました?」
 無言で無視するセバスチャンにセリオは更に声を掛ける。
「・・・芹香お嬢様を待っているのだ」
 仕方なくと言った表情で、セリオに答えるセバスチャン。
「芹香さんなら・・・」
「喝ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――っ!!!!!!!!!」
 答えようとしたセリオに、大声で怒鳴るセバスチャン。
「お嬢様の事を気安く呼ぶでないっ!!」
「・・・・・申し訳ありません。芹香お嬢様、ですね」
 一喝したセバスチャンに顔色も変えず、平然と謝って言い直すセリオ。
「うむ・・・それで?」
「芹香お嬢様でしたら、裏口から先ほど、出て行かれましたが・・・」
「何じゃとぉぉぉぉっ!?」
「尾行させていた偵察衛星の情報によると、w960282858の「か」の314
・・・つまり藤田浩之さんと共に7分13秒前に裏口より出て行かれました。今は繁
華街を歩いているところです」
「何ぃっ!?」
「因みに、5分ほど直進した所に一般的にラブホテルと分類される・・・」
「今、参りますぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――っ!!!!!!!!!」
 慌てて車に飛び乗ろうとしたセバスチャンの腕をセリオは掴む。
「な、何をするっ!?。は、離さぬかっ!!」
「もし、お二人を追うような行動に出たならば、足止めするように綾香さんに・・・
」
「喝ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――っ!!!!!!!!!」
「綾香お嬢様に言い渡されていました」
「何を申すっ!!。こ、ここ、このままでは・・・」
 しきりに掴まれた腕をひっぺがそうとするが、全く離そうとしない。
「推測目標地点まで、あと4分・・・」
「うおのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ――――――――っ!!!!!!!!!!!!」
 もがくが、離れない。
「このままでは、このままでは・・・・芹香お嬢様がぁっ!!。き、貴様・・・何故
分からぬっ!!」
「・・・ロボットですから」
 焦りまくるセバスチャンに平然と答えるセリオ。
「あと3分20秒・・・」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――っ!!!!!!!!!!!!!!!」
 ジタバタするが、離れない。
「綾香お嬢様ぁっ!!。この事態をどうお考え遊ばされているのかっ!!。このまま
では・・・このままではぁっ!!」
「今の発言に関し、綾香お嬢様のメッセージが残されています。再生致しますか?」
「何じゃと!?」
「予想反応、40の関連事項、「私はどう思っているか?」への答え・・・「あ、長瀬
?・・・」」
「セバスチャンでございますっ!!」
「予測反応、3、「自分の事をセバスチャンだと言い放った場合」への答え・・・「
まだ、んな事言ってるの?。全く・・・姉さんったら・・・まぁいいわ、セバスチャ
ン」・・・先ほどの続きに繋ぎます。「いいじゃないのよ、姉さんももう少し、社会
勉強した方が・・・」」
「やりすぎにございますっ!!」
 綾香の声を再生するセリオにセバスチャンは抵抗しながら、抗議を繰り返す。
「あと2分5秒。信号機に足止め。時間を45秒、加算します・・・」
「ぬおおおおおおおおおおおおお――――――っ!!!!!!!!!!!!!!」
 焦りまくるセバスチャンを横目に、
「「大体貴方ね、「お嬢様」「お嬢様」って人を腫れ物にでも触るように扱って・・
・私たちだってねたまには息抜きぐらい・・・」」
「いーから、離さぬかぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――っ!!!!!!!!!!!」
「あと、1分40秒・・・」
「ぐぬおっぅぅぅぅぅぅぅぅぅ・・・!!」
 興奮して殴りかかってくるセバスチャンの拳を、余った片手で受け止める。
「「しかも何よ、その一昔前の時代遅れの・・・」」
「いー加減にせいぃぃぃぃぃぃぃぃぃ――――――――――っ!!!!!!!」
 泣きながら訴えるセバスチャン。見ていて気の毒なほど。
「「だから姉さんがあんなになっちゃったのよ・・・いくらお爺さんの命令だからっ
て・・・人形じゃないんだから・・・」」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ――――――――っ!!!!!!」
 腕を掴まれたまま悶えて七転八倒するセバスチャンに、セリオは綾香のコメントを
延々と再生する。

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・
・

「セリオさん・・・・何を持っているのですか?」
 居残りの掃除を終えたマルチが校門前にやって来た時、
「推測目標地点を通過・・・誤認だったと、確認されました」
 迎えの車とセリオの手に掴まれた袖の部分を残して、セバスチャンはいなくなって
いた・・・。


                           <おしまい>
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「シリーズになってます。何故か・・・」