『セリオちゃんとマルチちゃん』(第3話)  投稿者:久々野 彰
『セリオちゃんとマルチさん』


 第3回 「事実は事実だけどさ・・・」


 バスの車内にて。
「セリオちゃん・・・」
「何ですか?。マルチちゃん」
 怯えたような視線でセリオを見つめるマルチ。あの時の後遺症がまだ、心のトラウ
マとなってメモリーチップに刻み込まれているのか。


「今日はまた、随分な格好ですね」
 そう、今日のセリオは「おおっ!?。どうしたんです。お姉さま」と、レースクイ
ーンも裸足で逃げ出すような、オレンジ色の水着に着替えていた。
「健全な青少年の為に、是非とも着てくれといわれましたので」
 今日は、来栖川エレクトロニクスの新製品の展示会があり、その製品紹介をする為
に彼女らは駆り出されていたのだった。
「はぁ・・・」
 チラリとマルチはセリオの身体を見て、己の身体に視線を落とす。彼女はセリオと
は全く対照的に、長野五輪で子供達が着ていたような妙な衣装を着させられていた。
「どうかしましたか?」
「いえ・・・その・・・」
「お悩みがありましたら・・・」
「な、悩みなんてものじゃないですぅ」
 わにわにわに・・・と、慌てて両手を振るマルチ。
「ただ・・・」
「ただ?」
「私もセリオちゃんのようにスタイルが良ければ・・・と、思いまして・・・」
「マルチちゃん・・・」
 大きくため息をつくマルチに、セリオはちょっとだけ考えて、
「それは違います」
「・・・え?」
「マルチちゃんは、それでいいんです」
「ど、どうしてですかぁ?」
「リーフキャラの大半は胸が標準レベルよりもやや、もしくは著しくありません。で
すが、人気があるのはそんな彼女達です。もし、万一、マルチさんが某氏の漫画のよ
うに最早人間ではない程の胸を持ったとしたら、今のような人気を博してはいなかっ
たと思われます」
「そうでしょうか・・・」
「そうです。私の検索によりますと、世の中にはロリコンと呼ばれる人種が犇めいて
います。そんな彼らにとって、胸の膨らみが乏しいというのは必須条件なのです」
「でも・・・私は・・・」
「藤田さん・・・ですか?」
「はい・・・」
「あの方は、立派な変態さんです。女性であれば・・・いえ、例えそれが男であろう
とも自分の本能の赴くままに求めるようなお方です。大丈夫です。もっとご自分に自
信を持たれたら如何ですか?」
「・・・そうなんですか?」
「ええ。大丈夫です。見境ない人ですから」

  ニッコリ

「それに、嗜虐性の趣味もお持ちのようですし・・・」
「嗜虐性?・・・何ですか、それは?」
「SMで言うところの、サドの方を指します」
「ますます分かりません・・・」
「人を虐めることで自分の喜びとし、快感を覚える人の事です」
「ひろゆきさんはそんな・・・」
「データをお送りします。幼なじみの神岸あかりさんの叩かれるシーン、同じく佐藤
雅史さんの首を絞めて喜んでいるシーン、クラスメートの女性3名を呼び出し、脅迫
しているシーン、先輩に当たる橋本さんに暴力を振るうシーン・・・」
「嘘です、嘘です、嘘ですぅっ!!」
 泣き出すマルチ。
「・・・そして最後に私を手込めにするシーン」
「・・・え?」
「私を暗闇に引き込んで、押し倒し、馬乗りになって・・・そして・・・そして・・
・最後には私の身体を・・・・」
「うえ・・うえ・・・うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇん・・・・・・・・・・」
「その後、私の身体をバラバラに・・・聞いていませんね」
 マルチは、オーバーヒートしていた。
「仕方がありません。直接、データをお送りします」
 勝手に接続して、データを送り流す。


「マルチちゃん・・・良い夢を」
 気を失ったままのマルチにセリオはそう言って、優しく笑いかけていた。


                             <完>
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「アンタ・・・悪魔やっ!!」(智子)
「暴走していますね・・・」(琴音)
「この後、マルチは浩之を恐れて近寄らなくなったとさ。チャンチャンってね」
「ひどいですぅ・・・」(マルチ)
「あ、いたんだ?」(雅史)
「今日は、いつもとやや顔ぶれが違いますね・・・」(理緒)
「・・・」(芹香(笑))
「ああ、特に深い意味はないけど・・・で、いきなりですが」
『柏木初音ちゃん、1○歳の誕生日、おめでとうっ!!』(全員)
「・・・本当に何歳なんだ、アンタ・・・」(矢島(笑))
「まぁ、そういうことで・・・」
「See You Agein!!」(レミィ)