『Solitude(月島瑠璃子編)』 『祈りに応じるは・・・』 心、届くまで、屋上に上るの。 この電波が届きやすいように・・・と。 いつか誰かが助けてくれるまで・・・。 崩れるのを恐れていたのは、私じゃなかった・・・。 …視線を感じる・・・ お兄ちゃんが覗いている。 私を覗いてる。 珍しい事じゃない。 見つめる目・・・苦しそう。 怯えの色を見せた、悲しい・・・瞳。 …好きなのかな・・・ 自惚れなら良かったのに。 他人だったら救われたのに。 きっとお兄ちゃん、素直になれる。 歪んだ顔、しない。 知っているの。 私が居ない時、何をしているのか。 無くなった私の服の行方。 ・・・その、思い。 知ってるから、苦しいの。 好きなことを我慢し続けたお兄ちゃん。 ずっと我慢し続けてくれたお兄ちゃん。 私の為に・・・ 自分の為に・・・ 二人の為に・・・ 正常を保つために・・・異常を押さえ込む。 でも、異常は消えて無くなる訳ではない。 …聞こえる。 ずっと機を見て窺っている 心の枷が壊れるのを 解放されるのを 現れるのを 待ってる。 決して無くなる事のない、人として必要なもの。 厭まれる部分。でも、切り離せない。 だから・・・鎖がいるの。 でも・・・ …お兄ちゃん・・・ たった二人の兄妹だから・・・掛け替えのない存在でいたいから・・・ 無理・・・しないで・・・ 嘘、つかないで・・・ 苦しみを・・・分けて欲しいの・・・ 欲しかったら、あげる 壊しても いい 崩れても いい お兄ちゃん だから、自分を責めないで。 壊れないで。 お願い、お兄ちゃん。 誰か・・・助けて。 お兄ちゃんを・・・助けて。 傷つく事を恐れて、余計に傷ついて、他の人を巻き込んで・・・ 救えなかったから。 私では出来なかったから。 理由は分かってる。 …原因は私だったから・・・ 私では・・・駄目なの。 だから今日も電波を飛ばす。 私に出来ること。 …誰か、助けて と。 ・ ・ ・ これで終わるつもりだったのに・・・ 何故?・・・ …助けを求めている・・・ 多分、その筈・・・。 誰かが来てくれるのを待っていた。 それだけ・・・それだけなのに・・・。 何か違う気がする。 理由は分からない。けど、 違うような気がする。 自分たちの事とは別に、私は何かを待っていた。 誰かを待っていた。 誰でもよくない。 ドキドキする・・・妙な気持ち・・・ これも・・・素直な気持ち・・・。 だから、初めは驚かせないように・・・優しく、始めよう。 笑顔を作って見せてあげよう。 怯えないように落ち着いて・・・。 「いけない、いけない、驚かせちゃったよ・・・」 <完> −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 気付いたけど、瑠璃子が主役の小説ってあったっけ?。祐介がいない、完全に瑠璃 子一人の。あったとしても独白形式のはなかった気がする。一応シリーズの形とって るけど、これだけちょっと別物かも。これも「孤独」だけど調子が今までと違うんで ・・・。私、瑠璃子って理解してない(してる人いるかなあ?)し、賛否両論あると思 う。実際、深く悩みました。正直、出来に不安を感じますが、いかがでしょうか?。