ばろっくあるばむ 投稿者: きたみちもどる
*ばろっく・・・そもそも芸術様式を差す用語。原義は「歪んだ真珠」。
               古典主義が崩れた様式を差す。
               転じてここでは、妄想的とか、異端的な意味に捉えて下さい(笑)

*注意事項:このSSは大変危険です。以下の方はご使用は控えて下さい。
           1:真面目な「ほわるば」ファン
           2:すぐに、気分が悪くなる方
           3:「薔薇」が嫌いな方
           4:作者を真面目なSS書きだと誤解している方(爆)

以上に当てはまる方で読んで、気分を害されても作者は一切責任持ちません(爆)


 
年の瀬が押し迫る、ある寒い冬の日の出来事。そこに起こる、ある種の暖かい話。
それが、ばろっくあるばむ。

「ねぇ、冬弥。これ作ってみたんだけど、ちょっと試食してくれるかな?」
手に鍋を持ちつつそう尋ねてきたのは、友人の七瀬彰。
小学校以来の腐れ縁だ。何故、こいつが鍋を持っているかというと、
この前、こいつが作ったシフォンケーキを誉めなかったのが原因だ。
それ以来、事あるごとにオレに様々なものを食わせて、「美味い!」
と、言わせようとしているみたいだ。
だが、相変わらず何の変哲もない「普通」の味だ。
まぁ、今回もそうだろう。
何の期待もせずに、
「別にいいけど」
と答えてやる。
すると、ヤツは例の嬉しそうな笑みを浮かべ、
「ありがとう」
と言った。
だから、その笑みを男に対して浮かべるなつーの・・・。

しかし、いったい何を作ったんだか?こんな喫茶店に似合わないカレー鍋。
まぁ、においからしてやっぱ、カレーなんだろうけどよ・・・。
「さぁ、食べてみてよ」
至福の笑みを浮かべながら、カレーを器に盛る彰。
そしてオレは、スプーンを手に持ち、カレーを掬う。
そのまま、口に運ぶ。
「・・・・・・」
「・・・どう?不味い?それとも辛い?」
不安げに聞いてくる彰。
「・・・いや、うめぇ!文句無しにうめぇ!!この匂いといい、この程よい
辛さといい、文句のつけようがない!オレが好きな『C○C○一番館』の
カレーよりも断然いけるぜ!」
と、賞賛の声を彰に浴びせ掛ける。
すると、彰はものすごく照れまくっている。なんか、美咲さんを見てるよう。
けど、あんま見たくねぇーかも・・・。
「い、いやだなぁー冬弥。そんなに誉めないでよ」
日頃、あんまり俺に誉められたことの無い彰は、俺に誉められて、ものすごく嬉しがっている。
そんな姿を見ていると、俺の心に悪戯心が湧き起こった。
「ほんと、彰、料理が上手くなったよなぁ〜。このまま行きゃ、お嫁さんに行けるぜ!」
と、ここでニタリと嫌らしく笑ってやる。
果たして、予想通り、烈火のごとく怒り出す彰。
「何てこと言うんだよ、冬弥!酷いじゃないか!僕にお嫁に行けだなんて」
「わりぃ、冗談だからそう怒るなって」
「第一、僕の心は、冬弥にあるんだから・・・(ぽっ)」
「だから、冗談だって・・・なにぃ〜!!」
今の彰の発言に驚き、目を剥いて、彰を見やる。心なしか頬が赤いのは気のせいか?
「だから、僕の心は冬弥にあるんだよ。僕は、冬弥の為だったら何だって出来るよ。
だから冬弥・・・。僕と一緒になろうよ!」
「ちょっとまてぇぇぇぇい!!!落ち着け、彰。お前、美咲さんの事が好きなんだろ?
だったら・・・」
「いや、もう美咲さんの事はどうでもいいんだ。もう駄目なんだよ、隠し切る事はできないんだ、僕のこの気持ちは・・・」
(だ、駄目だこいつ・・・もう完全に目がいっちまっている。なんか、こんな目、
どっかで見たような・・・。たしか、漢字一文字の学園サイコホラーなテレビドラマ
だったような・・・)
余裕無いはずなのに、そんな事を思い付いてしまう。
「さぁ、いこうよ、冬弥」
じわりじわりと迫ってくる彰。
(もう駄目だ・・・。お父さん、お母さん先立つ不孝をお許し下さい・・・)
という事を考えていると、
から〜ん とドアが開く音がする。どうやらお客が来たようだ。
(た、助かった)
と、お客の方を見やると、お客は緒方英二さんだった。
「よっ、青年そんなとこで何やってるんだ?」
と気軽に話し掛けてくる。
「た、助けて下さい英二さん。こいつおかしいんです」
恥も外聞もかなぐり捨てて英二さんにしがみつく。
しがみつかれて英二さんはうっとうしそうにしていたが、すぐに彰の方を見やる。
「僕と冬弥の邪魔をしないで!」
と、口調に怒気を込めて彰がそう言う。
「別に、邪魔なんかしていないさ。ただ、俺も混ぜてもらおうかと思ってね」
「へっ?」
とまぬけな声を出したのはオレ。
「前にも言わなかったかな?俺も君の事が気に入っているって・・・」
「はいぃぃぃ〜?」
確かそのような事言ってたような・・・
(あっ!そうだ店長だ!店長がいたんだ!)
改めて、店長を探す。すぐに店長は見つかった。だが・・・。
だが・・・、店長は周りの状況を無視しているのか、はたまた本当にそうなのか
ぐっすりと熟睡していた。店内にかかっている、バロック音楽を子守り歌代わりにして・・・。
オレは目の前が真っ暗になった気分だった。
もうだめだ・・・。
オレは目の前に迫る悪魔二匹をただただ見やる事しかできなかった・・・。
                     (バットエンド)
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久々に書いたSSがこれかい!(爆)
あっ、いっときますけど、オレは薔薇属性じゃありません(笑)。
つーか、いたって健全な、ろりーな人間です(爆)。

え〜と、紹介が遅れました。はじめまして、そうでない方お久しぶりですこんにちわ
きたみちもどるです。
今までどういう作品を書いてきたかは、「りーふ図書館」の方にいっていただければ
よろしいかと思います。
今回の作品については、初めて「ほわるば」をやった時に思い付いたネタです。
そう、彰や英二にも会話パネルが付いたのを見てから(笑)。
う〜、書いてる本人も書いてて気分が悪くなったよ。
「ほわるば」ファンの方、御免なさい。

まさた館長。この作品、「ふしぎの宇宙のエディフェル」の下にお願いできますか?
『ばろっくあるばむ』
種類:(一応)ギャグ  ジャンル:WA   主役:藤井冬弥
寒い冬に起こった、ある心温まるお話(爆)。

と言ったところで本日はお開きです。
                  
下のアドレスが図書館のアドレスです。

http://www.asahi-net.or.jp/~iz7m-ymd/leaf/masata.htm