三校史演義−第一章− 投稿者:きたみちもどる
       「高校動乱」
九月某日 AM12:30 藤田邸
「な、なんじゃこりゃ〜!」
真夜中に、すっとんきょうな悲鳴を上げる浩之。近所迷惑だとは、少しも思っていないらしい。
「この間のドラマの再放送のはずが、なんでハゲオヤジ達ばっか映っているんだよ〜」
どーやら、間違って国会中継を録画したようだ。
「く〜。これも、みんなあかりのせいだ!あかりが急かしたから予約を失敗したんだ。今度あったら、ぺシッ、と叩いてやる。」
と、やり場のない怒りをあかりに向ける浩之。どーも八つ当たりにしか見えないのは、気のせいか?
「もーいいや。今日はもう寝る。」
おもむろに、テレビのスイッチを消し、自分の部屋に戻る。

しかし、今日の国会で、ある恐ろしい事が決められた事を浩之は知らない。
そして、それが日本を動乱の渦に巻き込む事になるとは・・・。

翌日 AM8:10 登校中
「うーん。まだ頭がヒリヒリするよ。浩之ちゃん」
「だから、それ、やめろって。しかも大声で呼ぶなて、言ってるだろう?」
「けど、やっぱり、私にとっては・・・」
「もういい。くそー最近ついてないぜ。ビデオの録画は失敗するは、朝から、恥ずかしい目に会うは・・・」
「浩之ちゃん・・・」
浩之が、あかりに何か言いかけた時、突然素っ頓狂な笑い声があたりにこだました。
「ひ、浩之ちゃん・・・」
「な、なんだ〜。この朝から変な笑い声なんか上げやがって!誰だ!でてきやがれ!」
すると突然浩之たちを囲むがごとく八人の男たちが頭の上から降り立った。
その八人の男たちを見て浩之は、唖然となった。いきなり上から降ってきたのもあるが、八人が八人とも顔が影になっていて、目だけが光っているのである。顔に太陽の光が当たっているのにもかかわらずである。
「貴様、藤田浩之だな?」
八人のリーダー格らしきやつが話し掛ける。
「ああ、そうだけど・・・?」
「なら、我が主のために貴様の命貰い受ける」
といって八人がいっせいに躍り掛かる。
一瞬のきらめきの後、八人がいっせいに倒れる。
「なんなんだ〜?コイツラは・・・」
すると、先ほどのリーダー格らしき男が、
「ふふふ、すでに貴様らの学校は、襲撃を受けている。我々の手によってな」
「オイ!それはどういう事だ!」
しかしすでに男は、気絶している。
「ひ、浩之ちゃん」
「とにかく、学校へいくぜ!」
といって、二人は学校へと急いだ。

AM8:30 学校
二人が学校へついた時、すでに火の手が上がっていた。そしてあちらこちらで戦闘が始まっている。何でこんな事になっているのか解らない二人。そんな二人に一人の女子生徒が近づいてきた。もちろん志保である。
「おい、志保!これはどういう事なんだよ?」
「へ?あんた何にもしんないの?」
「なにがだよ?」
「よろしい。ではこの志保ちゃんが特別に教えてあげよう。実はね、昨日国会で、しゅしょーが爆弾発言したの。『近頃の若いモンは、なっとらん。力でこの日本を統一しようとする若者は居ないものか?もし、統一が出来たら総理大臣の座をあげてもいいぞ』てね」
「それで・・・」
「それを、真に受けた人が居るみたいなのよねぇ〜」
浩之は、頭がくらくらしていた。どこのどいつだが、知らないが、そんな言葉を真に受けたやつがいるんだろうか?顔を見てみたいと、思ってたりする。
「ともかく、ヒロ!あんたの役目は、コイツラを指揮しているやつを見つけて、倒す事よ!」
「へ、何で俺が、そんなことしなくちゃいけね〜んだよ!」
「だってあんた勇者でしょうが?」
「・・・・・」

AM9:30 屋上
浩之は、あかりを引き連れてようやく、敵のボスが居ると思われるところ、つまり屋上へとやってきた。
「ねぇ、浩之ちゃんどうしてここだと思うの?」
「だって、よくゆうじゃねーか。『アホほど高いとこがすき』て。どーせ、こんなことするのは、あほなやつだよ」
「そうかな・・・」
「ほれ、いくぞ」
といって、扉を開く浩之。開かれた扉の向こうには、やっぱり居たりしたのである。阿呆が・・・。
「いけぇ〜い!我が、部下達よ!」
「おい」
「そこだ!いけいけ〜!」
「もしもし」
「左舷弾幕薄いよ!なにやってんの!」
「こら!話を聞かんか〜!!」
「うわっ!びっくりした〜いきなり声をかけるな!」
「さっきからこえかけてたよう〜」これは、あかり。
「そうみたいですね」これは、謎な男の傍らに居た女性。
「そうなのか?」謎な男が、傍らの女性に話し掛ける。
「おい、それよりも、何でこんな事してるんだ、アンタ」
「とーぜん!にほんをしはいするためだ!」
「へ?」(浩之)
「え?えーと・・・」(あかり)
「はぁ〜(ふるふる)」(女性)
「とにかく、君はこの高校の生徒だね?そーか、私と決闘したいのだね。よーしうけてたとうではないか。私の名は来道悖(きたみちもどる)。この一帯の高校を支配しているものだ!」
「オメーはどうでもいいとして、そっちのあんたは何て言うんだ?」
「おい!私の話にはまだ続きが・・・」
「私は、東恵(あずまめぐみ)といいます。此の方の副官です」
「あんたも大変だな。こんな馬鹿の御守りとは」
「ハイ、もう慣れましたから・・・」とため息とともにはく。
「貴様・・・。さっきから黙って聞いていれば、馬鹿だの、阿呆だの散々言いやがって〜。もう許さん。たたききってやる〜。」
といって、おもむろに背中から二メートルは、超すであろう長さの木刀を取り出す。
「どっから、んなモン取り出してきたんだか・・・」
「みてわからんか?」
「?」
「背中からに決まっているだろう」
「見て解るわ〜!俺が言いたいのはなんで、自分の身長より長い木刀を背中から取り出せるかってことだよ」
「凡人には、理解できんよ・・・」
「・・・・・」
浩之は、もう何も言わなかった。こいつは、ホンマモンのあほだ。すっかり自分の世界によってやがる。そういうやつに何を言っても無駄だと解っていた。
「この八連斬甲木刀の切れ味じっくり味わうがいい!」
木刀で、どうやって切るんだよと言う突っ込みを浩之はしなかった。だが・・・。
「木刀で、人は切れないと思うよ」
あかりが小首をかしげながらそういった。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・・・」
どこかでとんびが鳴いたような気がした。
(次回に続く)
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すいませ〜ん。時間の関係で今日は、ここまでです。近いうちにこの続きを載せます。レスやら、感想は次回に回します。それでわでわ〜。