拝啓耕一様 隆山の地でもようやく春の息吹が吹き始め、桜のつぼみが膨らみ始める今日この頃です。 東京ではどうでしょうか。風邪などお召しになってはおられませんか?もしものことが あれば千鶴姉さんが酷く心配することでしょう。お体には気を付けてくださいね。 今年のお正月はあなたが来て下さってみんなとても喜んでいましたね。初音などはまる で片時もあなたから離れないような勢いでした。梓姉さんもお酒を持ち出してきて飲んだ り歌ったり。とてもはしゃいでいました。でも、本当は一番喜んでいたのは千鶴姉さんだ ったんですよ。 この度同封した写真はお正月の写真です。ほら、改めてよく見るとみんなのはしゃぎよ うが伝わってくるようでしょう? 一枚目の写真は初音が作ったお雑煮を一人で三つも食べてしまった耕一さんの写真。梓 姉さんも怒っている振りをしながらなんだか嬉しそうです。 その他にもいろんな写真を入れておきました。 梓姉さんと羽根突きして顔が真っ黒になってしまった初音や、梓姉さんのおせち料理を 真似しようと包丁を振り回している千鶴姉さんや、あなたとお酒を飲んで野球拳を初めて 全部勝ってしまった梓姉さん……とても楽しそうです。 それもみんなあなたがいてくれたからこその笑顔なんですよ。耕一さん、みんなあなた が大好きなんです。 一番最後の写真は、酔っぱらったあなたを介抱している千鶴姉さんの写真です。 あなたを膝枕している千鶴姉さん、とても嬉しそうに見えませんか?とても優しい笑顔 を浮かべているでしょう。千鶴姉さんは、本当にあなたのことを愛して居るんですよ。 ですから耕一さん、今年の春休みも絶対にこちらへ遊びに来て下さい。みんなで大好き なあなたのことを首を長くしてお待ちしています。 そして千鶴姉さんに会って、「ただいま」と言ってあげてください。 雨月の山は桜で満開だそうです。 それでは今年の春、みんなでお花見できることを祈って……。 かしこ 柏木 楓 そんな内容の手紙を書いた。 出来るだけ私の名前を出さないように、私のことを考えさせないように極力自分につい ては触れない手紙を。 千鶴姉さんのあなたへの愛を強調した手紙を。 神様どうかお願いします。 今年の春、桜の樹の下で愛しい人に会えますように。 あの人が私の所へ来てくれますように。 私に気付いてくれますように。 どうかどうかお願いします。 お願いします。 完 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ひ:えーと、「手紙を出す前に祈ってしまう少女の心境」を描いてみたんだけど……。 大丈夫か、僕?(汗) み:やっぱり落ちたショックが…… ひ:殺すっ!! み:きゃあああああっ!? ひ:なんて、な……全然気にしてない。 み:へ?落ちたのに、ですか? ひ:うん。これっぽっちも。 み:あなたは落ちたんですよ?浪人生なんですよ? ひ:だから気にしてないってば。 み:落ちたのに!?滑ったのに!?人間の屑なのに!?浪人生なのに!? ひ:き……気にしてないぞーーー。 み:負け犬!落ちこぼれ!所詮浪人!能なし敗者!人生の裏街道まっしぐら!! ひ:……………(殺意溢れる眼) み:あ……(汗) 滅・殺 ひ:さて、こころで終わりにしましょう! 「まあそんなわけで今年一年よろしくお願いします!」風見ひなたと! み:う……ううっ、「PS版に顔が出ますように……」赤十字美加香がお送りしました… がくっ。