風見風鬼畜ssの書き方レクチャー教室! 投稿者:風見 ひなた
 ちゃっちゃかちゃかちゃかっちゃっちゃっちゃーちゃっちゃかちゃかちゃかち
ゃっちゃっちゃーちゃっっちゃかちゃかちゃかちゃーちゃっちゃちゃちゃかちゃ
かちゃんちゃんちゃん♪(QP三分間クッキングのテーマ)

ひ:モニターの前のお友達、元気だったかな?ひなたお兄さんだよー!
み:ひ、ひなたさん……?
ひ:んー?(耳に手を当てる)声が小さいぞー、もう一回!
み:ひなたさん………?
ひ:良く出来ましたー!さあ今日は楽しい……
み:いやああああっ、ひなたさんが壊れたぁっ!?

  踵落としを脳天にごすっ!

ひ:いけないなぁ、番組放送中に絶叫したりしちゃ☆
み:(ぴゅー………)あぅあぅあぅ、血がぁ、脳天から血がぁぁぁぁ!?
ひ:今日は楽しく鬼畜SSの書き方を教えようと言うわけだね。…そうだよね?
み:は、はいそうでしたぁぁぁ……(びくびく)
ひ:題して「美加香でも書ける鬼畜SS!」
み:私「でも」って何……?
ひ:まずは第一段階だ。まず鬼畜SSとは何かを教えようじゃないか。
み:はぁ、お願いします。
ひ:とりあえず美加香、何か書いてごらん。
み:はぁ、鬼畜SSですか?えーっと……。

 雅史はびりびりとあかりの服を引きちぎった。
 あかりは脚をしっかりと縛られた上、柱に腕を拘束されている。
「んー!?」
 猿ぐつわを咬まされているので、あかりは抗議の声を上げる事もままならない。
 雅史はサディスティックな笑みを浮かべると、カッターの刃を出してあかりの
顔に近づけた。
 あかりの顔が恐怖に歪む。顔を傷つけられるかと思ったのだ。
「暴れると本当にザクッといくよ」
 しかし予想に反しカッターは猿ぐつわを切断しただけだった。
 予期せぬ口の解放に戸惑うあかりだったが、瞬時に怒りが主導権を握った。
「何するの雅史ちゃん!?」
「お前だ」
 雅史の台詞はあかりの質問に答える形のものではなかった。
 良く見知っているはずの雅史の異常な反応に困惑はますます強くなる。
「お前が僕から浩之を奪ったんだ」
 さーっとあかりの顔から血の気が引いた。
 そんなあかりを見透かすように雅史の笑みは強くなる。
「その身体で浩之を誘惑したんだろう?あさましい……」
「そ、そんな……誘惑だなんて」
「違うとは言わせない!」
 雅史の平手があかりの頬を激しく打った。
 幼なじみの鋭い一撃にあかりは呆然としてしまい、痛みよりはショックのせい
で黙り込んでしまった。
「たかだか女だっていうだけで僕から浩之を取ったんだ……だから、今からその
分のデメリットを受けて貰うよ」
「え?」
 雅史の指があかりの胸を強く握りしめた。
「い、痛いっ!」
「僕の心の方がずっと痛いさ。それにこの程度で苦しまれちゃ困るな。これから
死んだ方がましだって思えるようにしてやるのにさ」
 雅史の表情に本気を感じ取り、あかりの顔が恐怖にひきつる。
「や、やめて雅史ちゃん!人を呼ぶわよ!」
 今は修学旅行中。ここは人気のない古寺ではあるが、それでも人はいるだろう。
 だが雅史の反応は淡々としたものだった。
「呼びたきゃ呼べばいいさ。僕はもちろん浩之の前にいられなくなるけど…」
 不意に雅史の顔が歪んだ。
「あかりちゃんだってただじゃすまないからね。浩之の前に出られなくしてやる」
「いっ………」
 あかりは叫んでいた。叫び出さずにはいられなかった。それが破滅を招くとし
ても。
「いやあああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!
誰か助けてええええええええええええええーーーーーっ!」
 雅史の手はそのまま下半身に伸び


ひ:何書いとんじゃボケーーーーーーーーーーーーーッ!

  延髄にローリングソバットでがすっ。

み:げほぎゃあああああっ!?
ひ:確かに鬼畜だけどこれは違うジャンルだっ!
み:どういうものをやればいいんですか!?
ひ:つまりだな………

「何やってんだてめえはぁっ!」
 浩之は古寺の壁を特大ハンマーでたたき壊すとそのまま雅史の後頭部へ全体の
重みをかけて一気に振り下ろした。
 がこっ!という音と共に古寺の床ごと雅史は陥没する。
 浩之は念のために側に置いてあった壺を思いっきり穴に叩きつけると、あかり
の方へ近寄っていった。
「あかり、大丈夫か!?」
「浩之ちゃん……きっと助けに来てくれると思ってた……」
 目を潤ませて感動するあかり。
 拘束を解こうと浩之はかがみ込んだ。
「浩之ったらヒーローみたいだ。僕、もう感動しちゃった!」
 そんな声と同時にぞわぞわっと悪寒が腰の辺りにしがみついてきた。
「おぐれぎゅごうごがああああああああああああああああああああああああっ!?」
 浩之が全身を震わせて絶叫する。
 雅史はすりすりと浩之(の腰)に頬摺りしながらうっとりとしている。
「浩之は照れ屋さん☆」
 ぶちっ。
「いい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーーーーーーーーーーっ!」 次の瞬間、縄を自力でぶち切ったあかりの怒りの拳が雅史を天井を越えてぶっ
飛ばしていた。
 ばらばらと古びた木材が落ちてくる。
「愛の……勝利だわっ……!」
 その中であかりは拳を震わせ勝利の味を噛みしめていた。

ひ:これがごく一般的な鬼畜ss。
み:つまり、不条理コメディですね。
ひ:そう言っちゃうと身も蓋もないなー………(汗)
み:これなら誰でも書けるんじゃないですか?
ひ:そう思うのが素人の浅はかさ!この中には重要なエッセンスが込められてい
  るのです!
み:はぁ、どんなものでしょうか?
ひ:早い話、鬼畜ssに必要な物は「エグさ」ですね。
み:残酷に書いていけばいいじゃないですか。
ひ:みんながみんな僕みたいにサディストというわけじゃないでしょう?
  そんな人のために鬼畜ssの書き方を残すわけですよ。
み:(サディストじゃなきゃ鬼畜ss何て書かないと思うなぁ)
ひ:何か?
み:い、いえ何も!
ひ:…………ほぉ。

  頭ひっつかんで地面にごげしっ。

み:げこきゃああああっ!?
ひ:嘘はいけませんねぇ。
み:は、はひ。
ひ:さてそのために基本事項其の一。
み:はぁ……
ひ:其の一「凶器を使用せよ」
み:凶器ですか?
ひ:そう。鬼畜ssに凶器は欠かせない小道具!
み:別に凶器なんてなくても他のもので事足りるじゃないですか。
ひ:本当にそうかな?

「ひ……ひどい……」雅史はぼろぼろになりながら玄関口から入ってきた。
 それを見つけたあかりの目がぎらりと輝く。
「我は放つあかりの白刃!我は放つあかりの白刃!我は放つあかりの白刃ーっ!」
「げぶぉがはどぐしゃぁぁぁ!?」
 連続照射された魔術は雅史を再びお外へとぶっ飛ばしていた。
 浩之は未だにひくひくと足下で悶絶している。
「あ……あの女人間じゃない………っ」
 ふうっと汗を拭ったりするあかりを見ながら、雅史はがくりと気を失った。

み:十分に鬼畜ssじゃないですか。
ひ:んじゃもう一つのサンプルを見てみよう。

 その瞬間あかりの背後から鈍色に輝く鋼の牙が襲いかかった。
「なんのっ!?」
 あかりは叫ぶとすっと上体を逸らした。
 そのままつるはしはざくっと古い床板を突き破る。
「……かわしましたね?」
「……普通かわすってば……」
 絶対あると思われない言葉を吐きつつ、あかりは一筋の汗を流した。
 理緒は鋭い眼光でこちらを威圧するように睨み付けている。
 すぐさま手を離すと、理緒は背中からもう一本つるはしを取り出しあかりに殴
りかかった。
「往生せいやぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!」
 しかしあかりの方が若干早かった。
 理緒が捨てた一本目のつるはしを引っこ抜き理緒の頭に突き立てていたのだ。
 ぷしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと音
を立てて理緒の頭から鮮血が吹き出す。
「縫合点が、縫合点がぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
 理緒が苦しんでいる隙にあかりは理緒がまた背負っていた火炎放射器を奪って
ノズルを向けていた。
「ゴキブリには殺菌消毒☆」
 その言葉とほぼ同時に理緒は青く燃える炎の内に没した。
 燃えさかる炎でたき火をしつつ、あかりは遠い目をして呟いた。
「また……つまらぬ者を斬ってしまった……」
 浩之は未だに白目をむいて痙攣していた。

ひ:何となく後者の方がリアリティがあるでしょ?
み:そ……そっかなー……
ひ:もちろん縫合点なんぞつるはしで攻撃しようもんなら普通大脳ぐちゃぐちゃ
  になっちゃうけど、魔術で攻撃するよりはリアルに見えるでしょう?
み:まぁ、それは確かに。
ひ:これが嘘のリアリティって奴。とにかく鬼畜ssに大事なのはエグさだから、
  凶器は欠かせないトッピングになります。あと、凶器以外の攻撃もエグくい
  きましょう。
み:エグく?
ひ:普通に殴っても鬼畜ssじゃ笑いはとれません。残虐な殴り方をして初めて
  意味が出ます。詳しくは次章で。
み:ううっ、嫌な予感……!
ひ:まあ其の一はこんな所ですね。
み:他には?
ひ:其の二!「訳の分からない効果音&叫び!」
み:これはお約束ですね。
ひ:まぁ解るでしょう。例えば

  ビール瓶で頭をごん。

み:みぎゃっ!?
ひ:とか

  ジャイアントスイングで鉄柱に頭ぶつけてぶつけてぶつけてずごしゃああ!

み:うにうにうにうにうにぃぃぃぃぃい!?
ひ:など。まあこれくらいの殴り方をして初めて意味が出ますね。
み:しくしく……。
ひ:普通「ごん」はともかく「ずごしゃあ」は出ません。
  「あいたっ!」は言う人はいても「うにうにうにーっ!」はありません。こ
  の非現実感がとってもエグくて、笑いを誘います。
み:そ……そうかなぁ………?笑うのひなたさんだけじゃ……
ひ:また殴られたい?
み:きゃーーーーーっ!?
ひ:まぁ殴り疲れたし今は勘弁しときましょう。
  其の三。「事件は不条理な程良し」
み:理屈に合わないってこと?
ひ:展開がめちゃくちゃなほどいいです。

「ふ……ふふ………」
 あかりはぎょっとして立ち上がった。
 どこからか声が聞こえてくる。
「あかりさん……よくもやってくれましたね」
 理緒の声だった。
 だが、確かに彼女は足下で死んでいる。
 あかりはきょときょとと見回したが、どこにも姿は見えない。
「ど……どこにいるの雛山さん!?」
「ふふふ……この古寺の守り神と合体した私の力を見るがいいです」
 そして……………………。
 天井から這い出た無数のゴキブリ達があかりの周囲を取り囲んだ。
「うひゃあああああああああああああああああああああああああああ!?」
「我が臣下ゴキちゃん達、その女をやっつけて!」
『ゴキーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!』
 理緒女王様の忠実な僕達はあかりの全身にびっしりとたかった。
「あ…あは、あはは……」
 三秒後には泡を吹いて痙攣するあかりの亡骸が床に転がっていた。
 ふっ、と理緒は笑うとがさがさがさっと天井から舞い降りた。
 でっかいゴキブリのキグルミを着ていた。

み:不条理……ではあるけど……(汗)
ひ:まぁ何はともあれ一番重要なのはこんなもんじゃないけどね。
み:最重要は何なんですか?
ひ:「キャラを崩すことを恐れないこと」
み:キャラを……崩す?
ひ:ゴキブリ理緒とか薔薇雅史とかエルクゥユウヤとかとにかく元のキャラの原
  型をほぼ崩壊直前に破壊すること。
み:つまりはパロディにするんでしょうが……(汗)
ひ:まぁこれさえできればあとは細かい小手先テクニックかな。
み:どんなものがあります?
ひ:まぁ「薔薇&百合ネタ」は当然とするだろう?
み:お約束ですもんね。
ひ:後は「勢い良く突撃するようなテンションで書く」
み:は?

 理緒はがくっと膝を突いた。
 顔色が悪い。
 苦しそうに呻く理緒に、浩之は近付いていった。
「どうした理緒ちゃん?」
 理緒は心配を掛けまいと微かに笑うと、語りだした。
「今まで黙っていましたが……実は私、ゴキブリ王国の王女様だったのです!」
「何ぃっ!?」
 驚愕する浩之を見つめつつ理緒は続ける。
「花婿を捜しに人間界に降りてきたのですが、この世界の汚れた空気じゃもう限
界のようです…」
「どっちの空気が汚れてるかはともかく死ぬな理緒ちゃん!」
「ふ…ふふ…浩之さん、最後にお願いがあります」
「なんだ!?俺に出来ることなら……!」
「私と一緒にゴキブリ王国に来て来てダーリン☆」
 ………………………………………………………………………………………。
「嫌じゃボケええええええええええええええええええええええええええ!」
 がすっっっっ!!!!!!!!!

 こうしてゴキブリ王国の野望は潰えた。
 しかしあれがただ一人のゴキブリ王国の王女とは思えない。
 行け、浩之!世界の平和を守るのだ!
 一匹見たら三十匹はいるんだぞっ!

「ゴキブリ王国に行きましょーーーーーーーーーーーーーーっ☆(×29)」
「もう勘弁してくれえええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

               ちゃんちゃん☆

ひ:よくわからんがまあこんな感じで良かろう。
み:そ……そうなのかなぁ……?
ひ:ちなみにLメモの場合は二、三発殴られる覚悟で行こう!
み:ひなたさんの場合被害者が多すぎるんですけど……(汗)
ひ:だってシリアス設定キラーだもん☆
み:………………………………………………(汗汗)
ひ:まぁこれで美加香も書き方が解っただろう!?
み:はい、ありがとうございますひなたさん!

 そう言うと私はいそいそとメリケンサックを填めてひなたさんの顔面を思いっ
きり強打しました。
「げほっ!?」
 ひなたさんは壁にめり込んでしまいましたが、すぐさま復活して私に詰め寄り
ました。
「いきなり何をするんですか!?」
「もう、ひなたさんったら怒っちゃやんやんやん☆」
 私のぽかぽかメリケンサック攻撃にひなたさんは血反吐を吐きまくって地面に
崩れ落ちました。
「き……貴様……」

ひ:見事です美加香、最早僕からは何も言うことはありません!
み:ひ、ひなたさんっ!

 言うが早いか僕は懐から取り出した釘バットで美加香の顔面をジャストミート
しました。
 顔面から無数の穴を空けて吹っ飛ぶ美加香の顔面を素早く踏みつけ、スパイク
の効いた靴底でぐりぐりすると美加香はうぎゅーーと訳の分からない声で泣きま
した。
「貴様……たかだかパートナーの分際で僕に攻撃を加えるとはナイス根性!」

み:ひなたさん、私あなたのおかげでここまでこれました!
ひ:美加香、本当におめでとう!

 二人はにっこりと笑いながらお互いの顔に拳を入れていた。
「ひなたさん、私あなたのしてくれたこと一生忘れない!」
「僕だって美加香の事を忘れたりするもんですか!」
 言いながらも再び互いの顔に全力の拳を入れる。
 ぼぐしゃっ!と鈍めの音をあげながらも、二人の身体から立ち上る闘気は全く
衰えない。
 二人は一度とびずさると、風見は鉄パイプを、美加香は木刀を取り出した。

ひ:美加香!
み:ひなたさん!

「死ねやぁぁぁぁあ!!!!」
「こっちの台詞ですぅぅぅ!!」
 二人の凶器がみしみしと悲鳴を上げる。
 顔だけはにっこりと笑ったまま、激しい剣戟の響きが周囲に満ちていた。

ひ:よーし、今日はパーティーだ!
み:もう、ひなたさんったらぁ☆

「貴様、今日という今日は生かして帰さんっ!」
「下克上という言葉の意味を教えてやるぅぅぅ!」
 周囲は二人の闘いの余波で既にぼろぼろである。
 だがそうなってもこの激闘はまだ当分は終わりそうになかった……。


 追記☆
 この文章は当然全体が鬼畜SSであり、フィクションです。
 文章の通りにSSを書いても鬼畜SSになる可能性は極めて薄いので真似だけ
はしないでください。
 貴方の文章能力に復元不可能な欠陥が残る可能性があります。
 もし本当に信じてしまって結果取り返しの付かない事態になっても作者は一切
責任を負いません。
 予めご了承下さい♪