むきむきえるくぅパフェ[鬼畜様用] 投稿者:風見 ひなた
 僕の名前は佐藤雅史。ちょっと帰国子女な大学二年生だ。
 今は某アミューズメントプラザのこすぷれ喫茶で喫茶で働いてる。
 え?なんでよりにもよってこすぷれ喫茶かって?
 それはね、幼なじみの神岸あかりっていうクソボケ垂れ眼女がライバル店がいる区画に
店を建てちゃったからなんだよ。だからライバル店よりもいい成績を残せないと過当競争
に生き残れないんだ。
 ったくあのタコ、僕に尻拭いさせやがっていっぺん死なすぞボケが。
 まあ、その辺は良いとしよう。
 取り合えず今日はメンバーを紹介しようじゃないか。

 まずは中川瑞穂と中川智子の双子姉妹だ。
 え、どこが双生児か?うっさいな、眼鏡キャラが由美子とこいつらしかいなかったんだ
よ。
「ひ、ひどぉい!」
「うちら、数あわせなんか?」
 僕は無言で二人に蹴りを入れちゃったよ。
「やかましいぞこらぁ!所詮サブキャラのくせにえらそーなんだよぉ!」
 ったく、最近のめがねっこは主張が激しくていけないね☆

 さてそれからシンディ。名前変わってねーじゃねーか。
 いいんだよ、都合良くて。
 どーせ外人キャラはでっけー胸だけが取り柄なんだから誰だっていいのさ。
「あんまりな言い種デス…」

 でそれからコンタクトにした西野由美子とボーイッシュつーか単なる格闘馬鹿西野好恵。
 どっちにしろろくなやつじゃない。
 くそったれな姉妹だ。特に好恵、可愛くもねーのにコスプレなんてやってんじゃねーぞ、
いっぺん死ぬかい?
 
 後は何考えてんのかさっぱりわかんない不気味な宮村セリオと幼なじみの神岸あかりだ。
 暗いのとやかましいのとに囲まれてやってらんないね、こんなのに好かれた日には人生
終わったも同義だよ。

 まあ、こんなところだ。
「お兄ちゃん!」
 どいつもこいつもくそったればっかで嫌になるね。
 一度本格的に潰しちゃった方が世の中のためじゃないのかな?
「お兄ちゃんってば!」
 何しろどいつもこいつもマイナーなくせに自己主張が激しいんだよ、いっぺん自分の立
場考えて見ろよクソボケどもが。
「お兄ちゃん、こっち向いてよ!」
 振り向きざまに放った裏拳で吹っ飛ばしといて、僕は唾を吐きかけた。
「ぐだぐだやかましいんだよてめえはっ!のーてんきな口調で僕を呼ぶな!
馬鹿が移るだろがっ!」
 だが奴はだぐだぐと鼻血を流している鼻に手を当てて、うっとりと呟いた。
「ああ、お兄ちゃんってば…だ・い・た・ん☆」
 すかさずボディーブローを決めて僕は奴を浮かし、続けて組み打ちで床に叩きつけた。
 しかたないので言うと、こいつは僕の妹の佐藤美加香だ。
「ああ、妹とはいえ雅史先輩と同じ名字を名乗れるなんて…なんて幸せ…」
 二度と動かないようにするにはガスバーナーで焼き殺すのが一番だね。

 僕は名簿を見て、深く頷いた。
「あかりちゃん」
 あかりはこちらを振り向く。
 僕はその眼をじっと見つめて、言った。
「諦めよう」
 あかりはずるっとこけた。予想された答えなのに。
「雅史ちゃん、どうしてそこでいきなり諦めるのよ!」
「当たり前じゃないかっ!瑞穂に智子にシンディに由美子に好恵にセリオだよ!?どう考
えたってライバル店に勝てるわけないじゃないか!」
「やってみなくちゃわからないじゃない!」
 僕は頭を抱えた。
「だれ一人ヒロインキャラがおらんだろがぁぁぁ!」
 そこにひょこっと瑞穂と智子が顔を出す。
 何か言いたそうだったが、一言
「三流」
 と呟くと泣きながらどこぞへと走り去っていってしまった。
 まったく軟弱な奴等だ。
 あかりは遠い眼をしてふ、と笑った。
「仕方ないのよ…ライバル店にメジャーは引き抜かれてもうあんなのしか残ってないの…」
 そういうところを見るとあかりも嫌らしい。まあ仕方ないか。
 しかし、それにしてもずいぶんと貧相すぎないだろうか。
 僕が訊くと、あかりはこくりと頷いた。
「向こうのお店がいやがらせしてくるから、私達それに耐えるしかないの。それで嫌気が
さしたのが一人二人と…」
 敵も相当陰険らしい。
 僕はふむ、と腕組みした。
「妨害工作か…いったい、どんなことを?」
 そのとき、表の方で叫び声が起こった。
 あかりが頷く。早速嫌がらせが襲いかかってきたのだ。

 そう、そこにいたのはこぎたねー身なりの発育不良クソ女だった。
 与えられたその異名通り、奴は手下を使って思い切り店を蹂躙していた!
「さあ、行くのよみんな!そしてお店の食料を全部くらいつくすの!」
「やめんかこのゴキブリ女がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 僕はそう叫びながらミサイルキックを放っていた。
 ゴキブリ女はごろごろと転がって壁にぶち当たり、ぐしゃっという音を立てる。
 だらだらと脳天から出血しつつ、ゴキブリ女は立ち上がる。
「な、何するんですかぁ!」
「何するもこうするも、ゴキブリを店内に持ち込んでくるなゴキブリ人間!!!」
 そう言いながら僕は懐からグレートトマホークを取り出して床に叩きつけた。
 めきっという音と共にアクスが床をえぐる。
 生意気にもすんでの所で避けきったゴキブリ女は泣きながら立ち上がった。
「い、いきなり…死んだらどうするんですか!?」
 僕は鼻で笑った。
「やかましぃ!貧乏人に人権なんざねーんだよ!明日食うにも困るくせに喫茶店なんか入
ってくるな、ゴキブリと友達になるな、殺されても文句言うなぁぁぁ!」
 その言葉と同時に、ゴキブリ女は泣きながら逃走した。
 僕の誠意を込めた説得が功を奏したのだ。
 第一の刺客、怪奇ゴキブリ女を叩きつぶした瞬間であった!
 あかりたちの突き刺さるような怯えるような視線が気になったけど、きっと勝者への羨
望の眼差しさ☆
 だが、それで終わりではなかった。
 なんと、立て続けに第二の刺客が訪れたのだ!
 奴は深い帽子を被って店内に入ってくると、大胆にも自分の店のウェイトレス姿で現れ
た。
 青い髪をふぁさっとなびかせ、彼女は店員に指を突きつけた。
「ウェイトレスの威信を懸けて、今こそ戦いの時がきたんです!」
 好恵もまた、コスプレの下からスタンダードな制服を顕すと不敵な笑いを浮かべる。
「いつかはこのときが来るとは思っていたわ、葵!親友とはいえ容赦はしない!」
 ぱっっと二人の間に白抜きの文字が現れる。
 由美子がエキサイトした口調で実況した。
「さあ、ついにやってきましたTo Fight、またの名をブァリブル・リーフ予選最
終戦!最後のカードは葵対好恵!勝者は賞金一億と格闘界の女王の座への切符、敗者は主
催者の慰み者!格闘家の維持と貞操をかけて、いざレディ・ゴー!」
 その声と共に葵と好恵が一気に力をぶつけ合う!
「てめえら店の中で暴れてんじゃねええええええええええええ!」
 その声と共に僕が放ったダイナマイトにより騒音の源はきれいさっぱりふっとんだ。
 そしてその瞬間入り口のドアが蹴破られる!
「ふはははははははは!乗っ取り屋参上ーーーーーーーっ!女の子をさらってスパイに調
教してやる…ぜ?」
  彼はひくっと震えると、だらだらと脂汗を流し始めた。
「ま、雅史にあかり…何でこんな所に…」
 僕はバラ色の愛を全開モードにしてマイラバーに抱きついていった。
「浩之ぃぃぃぃ!僕の愛を受け取ってくれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」
「うぎょええええええええええええええええええええええええ!!!?」
 浩之はあらん限りの声を振り絞って照れ隠しの絶叫をあげた。
 もう、照れちゃって浩之ったらか・わ・い・い☆
 ところで、後ろの方でお邪魔虫がニッコリ笑って
「浩之ちゃん…詳しい話、聞かせてね☆」
 とかいってたのは浩之との永遠の愛の前では些細なことさ♪

「ちょっと、俺はアイスコーヒーって言ったのになんでレモンティーが…」
「焼却」
 セリオさんは冷徹にケチを付けたお客様を焼き殺すと、ふっと笑われました。
「接客業って、面白い…他人の温もりを感じます…」
 燃えさかる紅蓮の炎は確かに暖かそうでした。
 その横ではシンディさんが一人で首を傾げておられました。
「乗っ取り屋が最後に来たってことは…前のゴキブリガールとウェイトレスは全く無関係
だったんじゃ…」
 ですが、ぽんと手を打たれると明後日の方向を向かれてしまいました。
「まあ、良いでしょう。営業妨害では五十歩百歩デスね」
 ちょっと汗が垂れていた分まだまだ未熟です。

 こうして乗っ取り屋のヒロちゃんの自白によりライバル店は倒産。
 僕達は地域を独占した。
「よかったわね、雅史ちゃん」
「うん、浩之のおかげだねあかりちゃん」
 浩之はそれを聞いてうんうん呻ったけど、今更何をしても手遅れだよ☆
 まあ、暴力女にしこたま殴られて顎を砕かれたんだから仕方ないよね。
 え?喋れないのにどうやって自白させたのか?
 それは聞いちゃだめさ。もう、隆山湾に沈めちゃうぞ♪
 あかりはにこっと笑って、
「そうそう、新しいスタッフを入れてみたの!」
 と後ろに控えていた女の子を引っぱり出してきた。
 僕たちより2、3歳年上のようなその女性は、はにかみながら自己紹介した。
「初めましてぇ、料理係をつとめさせていただきますぅ!ええと、特技はお料理と…キノ
コ狩りですぅ!」

 当然の事ながら店はわずか三十分で営業停止に追い込まれた。
「ええええええええ、どうしてですかぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」
 それのみにとどまらず、彼女の作り出した料理を食べた人々は何故か筋肉の美しいバラ
的なエルクゥとなり、辺りを跳梁し…見事にアミューズメントプラザ自体を物理的に崩壊
させたという…
「だから、何でですかぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!??」

 めでたしめでたし。