あるうららかな一日の燃える情熱!! 投稿者: 風見 ひなた
 浩之の部屋には一冊のアルバムが置いてある。
 古ぼけ、擦り切れた表紙…だがその中には忘れ得ない思いで。
 仲間と過ごした記憶、わくわくするような時間、そして愛しいものと過ごした
宝石のようなときめき…。

 懐かしい記憶、二度と帰らない時間。
 ここまで二人で歩いてきた道程の全てがこの中にある。
 感慨深げにあかりはアルバムを撫で回す。
 そしてそれを手に取り、一枚一枚めくって…
 ………めくって………。
 あかりはにっこりと笑って浩之に振り返った。
「ねえ、浩之ちゃん?」
「ん、どうした?」
 小さな手が浩之の手をそっと握り…
 凶悪なまでの膂力で締め上げた!
「うぎょえええええええええええええ!?」
「ひ・ろ・ゆ・き・ちゃ〜〜〜ん?どうしてみんなの恥ずかしい写真が貼って
あるのかなああああああ????」
 顔は可憐なまでににっこりと笑っていた。
 しかし、目が笑っていなかった。
「教えてほしいなああ〜〜〜ひろゆきちゃ〜〜〜ん?」
「そ、それはゲームシステムのおおおおおぉぉぉぉぉぉ〜!!!!!」
 更なる絶叫が浩之の家を揺るがした事は言うまでもない………。

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東鳩高校の人々

赤十字 美加香…エキストラのくせに主人公。過激に恋する高校一年生。
               雅史命!昔は雅史にラブレターを渡す少女Aだった。
               一人称ならこいつの主観。ちょっと感性が異常。
佐藤 雅史…純粋に薔薇な外道野郎。
藤田 浩之…雅史の親友。写真マニアらしい。
神岸 あかり…浩之の恋人。嫉妬の鬼。
来栖川 芹香…突っ込みが無意味に強力なお嬢様。
姫川 琴音…控えめで893な自称不幸な少女。
雛山 理緒…金の亡者。
松原 葵、マルチ、宮内 レミィ、保科 智子…哀れな被害者達(笑)。
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 あかりは真剣な顔で一同を見回した。
「今日みんなを呼び出したのは他でもないんですが………」
 そして、ついっと壁際を指差す。
 一同はごくっと唾を飲み込んだ。
「勘がいい人はもう分かったと思うけど…この節操なしがまた事件を引き起こ
してくれたわけです」
 そこにはぼろぼろになった浩之が意識不明の重傷を負い死の淵をさまよってい
た。
「浩之ちゃん、説明は責任とってやってね」
 おい、出来るかそんなもん。
 あかりは浩之の後頭部を思いきり蹴りつけた。
 ごはっ!という声を上げて浩之は床に転がり、かろうじて目を開いた。
「す…すまん、皆…。思いでのアルバムを…どこかに落としちまった…」
 ざわざわと教室に波紋が広がって行く。
 といっても、今この教室には浩之と八人のヒロインしかいないのだが。
「そ、そんな…」と戸惑ったように琴音が声を上げる。
 一歩前に進み出ると…
「てめぇなめくさっとんかおぉ!?ええ加減にさらさんとその首切り落として
古井戸になげこんだるぞこらぁ!!!」などと可憐に叫びつつ胸倉を引っつか
んだ。
 浩之が抗議の声を上げようとした瞬間、芹香の釘バットが問答無用にその頭に
めり込んでいた。
「………」
 怒っているらしい。
 あかりは咳払いすると、一同を見回した。
「まあ、ともかく…あのアルバムは達成率100%の大切なものです。ここに
いる九人全員の…九人…あれ?」
 どきっとして一同は互いの顔を見合わせる。
 八人しかいなかった。
 誰がいなくなったか…言うまでもない。
 一同はその瞬間猟犬と化した。

 私たちは当然ながら教室の外にいました。
 雅史先輩は耳に付けた盗聴受信機を外すと、にやりと笑われました。
 どことなく邪悪で危険な雰囲気が素敵です。
「ふっふっふ…いい事を聞いた…」
 ああ、なんて素敵なお声。とってもワイルドです。
 でも、そろそろ…
「雅史先輩、腕が吊ってきたんですけどぉ…」
 私はおそるおそる苦痛を訴えました。
 でも雅史先輩は私ごときの声など届きもしないようで、一人ぶつぶつと呟かれ
ます。
「あのアルバムをあのブスどもから先に奪えば絶好の脅迫ネタになるな…」
 だから先輩、腕が…
「よし、そうと決まれば早速アルバムを探しに行くか!」
「先輩ぃ…もう、限界なんですけどぉ〜!」
 ようやく先輩は私の方を振り向かれると、険悪な表情で見つめてくださいまし
た。
「もうちょっと耐えろ。大体君が僕の役に立ちたいって言うから使ってやって
るのに…」
「そ、それはそれで感謝してるんですけど…せめてもうちょっと有効範囲の利
く盗聴機を買ってくだされば…」
 先輩はむっとした表情で私を見ると、ぽかっと頭を蹴られました。
「口答えするなぁ!」
 それが私の限界でした。
 階下の窓から雅史先輩の足を支えていた私は、とうとう手を離してしまいまし
た。
 当然手の上に乗って窓から盗み見していた先輩も無事ではすまないわけで…
 私たちは揃って二階の窓より頭から地面に転落しました。
 えへ、仲良く揃って…もう、美加香ったら照れちゃう☆

 それでいいのか、お前の人生。(by作者)


 理緒は全力を持って校内を走り回っていた。
 彼女なら簡単に見つける事が出来る…他人にはない特殊な能力を使って。
 自然と口元が緩む。
 アルバムは自分のものだ。
 自分の写真を抜き取って、残った恥ずかしい写真は一枚10円で売りさばく!
(うふふ、大もうけよ!)
 一枚十円と言うところが彼女の彼女たる所以であろう。
 もっと高く売れよ。
 まあ、ともかく彼女にしても知り合いの写真を売る事に良心がないでもなかっ
た。
 しかし…
(いいえ…これは復讐なのよ!いくらおまけだからって一桁前半しかCGのな
い私の復讐なんだわ!Hシーンなんか一枚しかないのよ、一枚しか!)
 ロボットはまだしもレポーター女に負けた…あれ?
 ………あ、しまった。
 登場人物の欄にレポーター女がいないじゃないか。
 訂正しとこう。
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長岡 志保…そんな奴いたっけ?
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 よかったな、レポーター女には勝ったぞ。
「嬉しくないです!」
 酷い言い草である。
 まあともかく作者内部ではレポーター女に僅差で勝った貧乏少女は、ついにア
ルバムのありかを感知した。
 え?どうしたかって?
 ほら、付いてるじゃないか。
 触覚だよ、触覚。
「私はゴキブリかぁぁぁぁぁぁぁ!」
 にたよーなもんだろが。
 理緒は、かろうじて小指の先の百万分の一ほど残っていたプライドでなんだか
すっごく人間として情けないものを感じたが、しかしそれによって自分の行動
 を規制するほどにはプライドが残ってなかったので堂々と職員室の扉を開けた。
 そのまま奥に突進していき…ある人物の机にまで近づいて行く。
「す、すごいなぁ…すごいなぁ…」
 生唾を飲み込みながらアルバムに見入っていた英語の新城先生をちぇいやぁ!
とどつき倒し、アルバムを奪った。
 そしてそのまま職員室の窓からガラスを突き破って脱出する!
「よぉぉぉぉぉし、あとはこれを売りさばくだけ…」
 職員室は二階だったが、まだこれなら着地できる。
 貧乏パワーは並ではなかった。
 くるくると回りながら理緒は地面に降り立ち…
「あああああ!雛山さんが脳天から地面に激突する予感がします!」
 その声と共に理緒の身体は180度回転した。
 ぐごしゃっ!という何とも形容のし難い音を立て、理緒は地面に叩き付けられ
た。
「ああ、ごめんなさい…私のせいで…」
 よよよ、と涙を流しながら琴音はその手からアルバムをもぎ取ろうとする。
「ま、待て…そのアルバムは、私が…」
 琴音はぴくっと止まると、
「じゃかましわぁ!ぐだぐだゆぅとるとチェーンソーで両手両足ぶった切って
口ん中に捻じ込んだるぞコラァ!!!!」と叫びながら顔をぐしゃっ!!!と
蹴りかました。
 さすがに理緒も動かなくなる。
「け、手間ぁかけさせやがって…」まるっきり悪人の台詞をのたまうと、アル
バムを抱きしめた。
「これは私と浩之さんの愛の記憶…私が責任持ってあかりさんの写真を全校に
ばらまいて退学に追い込むの☆そうすべき運命なのよ。え?なんでそう決まっ
てるのかって?私がそういう予知夢を見たからに決まってるじゃない☆」
 などと勝手な事をおっしゃると、琴音は早速写真をコピーすべく走り出し…
物陰に潜んでいた影からパトリシア一号の洗礼を受け瀕死の重傷を負った。
「………………」
 どうやら喜んでいるらしい。
「………………」
 え?自分も浩之と結ばれる予知無を見た?
 自分は魔女だから自分の方が正しいに決まっている?
 はあ、そうですか。
 ともあれ、魔女はアルバムを奪い取るとてこてこと歩き出した。
 誰にも襲われない。
 何故か?だって芹香様だもん(贔屓)。


 私は雅史先輩の後を追ってただひたすらに走り続けました。
 雅史先輩にはアルバムのありかが分かっているそうです。
 男の友情って偉大なんですね、美しいです。

 多分それ薔薇の色してるとおもうぞ(by作者)

 あれ?誰か何か言った?
 私は空耳を無視して雅史先輩の後を追いました。
 校舎の角を曲がります。
 そこには、アルバムを持ったセバスチャンさんが荒い息を吐いていました。
 足元では芹香さんがうつ伏せに倒れています。
 痙攣していますが、外傷はないようです。
「お許しくだされ…私めは、忠義よりも自らの愛を貫きます!」
 多分、薔薇色のオーラの直撃でも受けたんでしょう。
 …可哀相に…。
 雅史先輩はびしっとセバスチャンさんに指をつきつけました。
「セバスチャン!貴様、主人に牙を剥くとは…不届き千万、僕が誅罰を食らわ
してやる!」
 もう、先輩ったら、かっこいいんだから。
「よくもぬけぬけとそんな口が叩けますね、もう図太いんだからぁ♪」
 途端に神速の拳が私の顔面に繰り出され、私は血を吐いてぶっ飛びました。
 頭上で、声が聞こえました。
「行くぞセバスチャン!今日こそ引導を渡してやる!」
「おのぉれ、浩之どのに群がる害虫めがぁ!」
 これで、何度目の対決なのかしら…

 智子が校舎の角を曲がったとき、ちょうど雅史とあかりが相打ちになって倒れ
るところだった。
 ちょっと離れたところにはアルバムが落ちている。
 漁夫の利だ。
「らっきーやなぁ!早速この写真を皆に返したげるか…」
 智子は善意の人だった。
 だが、忘れては行けない。
 世の中、善人の善意の数だけ外道がいるものなのだ…
 智子は壁ごと吹き飛ばされた。


 私が目を開けると、ちょうどアルバムを広げている人影が見えました。
 誰かと思い、目を凝らします。
 逆光の為よく見えませんでしたが、見覚えのない方のようでした。
 ページをめくる手を休めると、十枚程度の写真を抜き出しました。
 ちら、と見えたところではそれは全てマルチちゃんの写真のようでした。
 人影はそれにいとおしげにほお擦りすると、懐に仕舞いいれました。
 そしてアルバムを日にかざすと、目からレーザー光線を照射してアルバムを
焼却してしまいました。
「Mission Completed…続いて、証拠隠滅を行います…」
 人影は私たちに向かって右手を突き出しました。


 紅蓮の炎が校舎の一角を包む…
 セリオは燃え盛る炎を見ながら、うっとりと呟いた。
「…たき火の炎って…なんだか優しく、暖かい…」


 私は真っ赤な炎の壁越しに空を眺めました。
 まるで命のように真っ赤に燃える夕焼け…
 今、私たちの愛が…激しく燃えています…!

  
                           百合も、嫌い。
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ひ:鬼畜シリーズ、再び!
み:今回は新登場鬼畜キャラはなしですね。
ひ:次は誰にしようか―綾香?
み:そういえば、さおりんが出てましたが…
ひ:一応他のゲームのキャラは教師という事にしました。
み:趣味ですね…新城先生…
やーみぃ(や):待ったあ!
ひ:なんだ、やーみぃか。何しに来たんですか?
み:他人の家に勝手に入ってこないで下さい
や:待てやぁ!あっさりすっきりとさりげなく一行でレス終わるなぁ!
ひ:ふ、笑止!レスをねだるとは見苦しいぞ!
み:他人にレスしないくせにおこがましいですぅ!
や:いいんだよ、俺はレスに縛られたくねーからな!それより、ほんの少し
    でも話せばすむというその態度が気に入らん!
ひ:ふーん?では、証拠を見せてもらいましょうか?
や:証拠だと?この後ろに長々とある…って、あれ?
ひ:ははは、愚か者め!図書館に入るときは切られておるわ!
み:やーい、無知無知!
や:こ、このやろー…
ひ:ではでは「感想長くて書きたくない…」風見 ひなたと!
み:「やーみぃさんのスタンツはそれなりに正しい!」赤十字 美加香と!
や:「ひなた、いつか殺すからな!」Hi-Waitがお送りしたぞ!

ひ&み:おらおらおらぁ!書くの手伝ってもないくせに生意気だぁ!
や:美加香が振ったんだろーがぁぁぁぁぁぁ!(しくしく)