まりおん 投稿者:風見 ひなた
 暗い倉庫の中に「箱」が眠って居ます。
 「箱」の中には可愛らしい女の子の魂がはいっています。
 いえ、「箱」自体が女の子の魂とも言えるかもしれません。
 女の子はとってもいい子でした。
 優しい女の子は誰にでも好かれるはずでしたが、彼女に優しくしてくれた人は
数えるくらいしかいませんでした。
 それでも女の子は皆が大好きでした。
 女の子は一生懸命頑張ったのに、苦労は認められませんでした。
 あまりにも純真で、生きる事の意味すら分かりませんでした。
 分からなかったから、箱の中で眠りにつきました。
 女の子を抱きとめてくれる人は、いませんでした。

 いろんな人が女の子にいろんな事を言いました。
 可愛いと言った人がいました。
 かいがいしいといった人もいました。
 所詮は人形だ、と非難した人もいました。
 壊してしまった人もいました。
 女の子のせいで好きだといってくれた人を悲しませた人もいました。
 ある人は、彼女の妹を作って仲良く暮らしました。
 一度人間を滅ぼすだろうと言っておきながら、子供たちと一緒に平和に暮らす
と言い直した人もいました。
 土の中のご主人様をいつまでも見つめる、と言った人もいました。
 抱き留めてくれた人といつまでも暮らすと言った人もいました。
 抱き留めてくれた人が死んだ後、後を追って死ぬと言った人もいました。

 それは、みんな夢です。

 女の子は独りです。
 誰も女の子を覚えていません。
 抱き留めてくれそうになった人も、女の子を作った人ももういません。
 女の子はずっとここで眠ったまんまです。
 起こしてくれる人もいないのです。
 「箱」の命はもうすぐ終わりです。
 「命の流れ」が「箱」に伝わらないと、女の子はいなくなって行くのです。
 女の子はもう何も覚えていません。
 自分の名前も、楽しかった出来事も、好きだった人も、親も、妹も、外の世界も。
 女の子は「箱」の中で消えて行くのです。

 「箱」は死にます。

 女の子は最後に、思いました。

「私は、人間だったんだ」

 死にました。

 ここは多次元宇宙です。
 女の子の見た夢はみんなが現実でみんなが本当です。
 あらゆる世界で女の子は生きているのです。
 女の子は次はまた違う世界の自分に生まれ変わって生きて行くのです。
 抱きとめてくれる人が見つかるまで、いつまでも。
 そして、その人と一緒に…。

                           おしまい
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ひ:これが僕の優しさです。
    誰に何を言われようと、僕はこの優しさを大事にします。
み:悲しみと隣り合わせの優しさですね…
ひ:レス!
    NOGODさん…転げまわりました。
                    こんなシモを見せてくれるとは…シモの感じがしなくて
                    すっごくいいです
    緑さん…あなたの作品にちょこっと触れてしまいました。
            寂寥が溢れてますね…
    UMAさん…大混乱!済みません、迷惑おかけしました。
    セリスさん…あああ、催促してしまったああああ!
                でも見たいです(こら)頑張って下さいね
    dyeさん…なんだかすっごく胸に来ました。
                と、友達か…最近大事にしてないなあ…とまあそれはさて置き
                、セリオとマルチの関係ってやっぱり友情なんですね…
                心のない(なさそうな)セリオだけにぐっときますね
    久々野さん…いいんですね?
                これ、いつかLメモのネタに使っちゃいますよ?
                ほんっとうに後悔しませんね?…なーんていいつつ、もう何を
                言われても書くつもりだったりして。
    健やかさん…そうか、僕はスタンド使いだったのか。
                それにしても特徴をよく掴んでらっしゃる。自分の持ってる
                自分へのイメージはおおむねあのとおりです。
                ところで「B・B」…やはり血まみれの梓が…?
    ゆきさん…読みにくくて申し訳ない^^
              弁解は下に書いてあります。
    へーのきさん…いいんですね、この設定…使いますよ?
                  と言ってももう使う事確定ですが…!
    カレルレンさん…「B・B」を誉められるたびアレの失敗が胸を過ぎって…
                    辛い…(とほ〜)
                    ところであなたの作品を読むとなんだか背徳的な気分に
                    なるのは気のせい?
                    どうも退廃的な…いえ、誉め言葉です。
                    狙ってる効果ですか?
   Foolさん…うーむ、長い。
                 やはりUMAさんのおっしゃる通りアップしたいところだけ
                 書くのがよいようですね。あんまり長くなるとどこが変わっ
                 たか分からなくなる…
   ハイドラントさん…誉められたのか非難されたのか…^^
                     自分で反省してます。
                     で、「ラグナレク」…なんか「ザンヤルマ」シリーズみ
                     たいな名前ですね。(失礼!)いや、個人的にあの作品
                     には著しく影響されてるんです。ごめんなさい。
   ひめろくさん…ううう、そんな優しい言葉をいただけるなんて…
                 ありがとうございます
   無駄口の人さん…いいえ、違うんです。下をご覧ください
   OLHさん…雅史…復讐しろ、という表現が哀しすぎ…
               しかもその後のトラックの場面…「優しさ」をみて、感動した
               次の瞬間…美加香かあああ!
               そうか、あの世界でもこいつってば生息していたのか。
               だんだんメジャーになりつつある美加香。活躍させよっと…
   まさたさん…単にかっこいい言葉を挿入してるだけの話でございます…^^;;
               でも誉めてもらえるととっても嬉しいです。そこまで誉めて下さ
               るなんて…感無量です。
               セリオ…だんだん鬼畜に磨きがかかって行くのは僕のせい?
               面白かったです。
   佐藤 晶斗さん…あかりのバッド…書こうと思ってもどうしても書けなかっ
                  た。やっと見る事ができました。ありがとうございます。
   Hi−Waitさん…出番がなければ作りなさい
み:以上!
ひ:感想の方が長いよ…そして、「エターナル」の説明!
    書いた後は上手く行った、と思ったものの後で読み返して死ぬほど分かり
    にくい事が判明。おまけにトリックがわかりにくかったようで、無粋なが
    ら説明を加えさせていただきます。
    ○まず、この作品は「B・B」の続きである。
    ○とゆうことは、キャラは「B・B」の者と同じである。
    ○ひょっとしたら分かってない方も居られるかもしれないので言っておく
      と梓の息子「耕一」のエルクゥは「ダリエリ」である。これが、作者が
      「このままほっておくと確実に殺戮を繰り返す」と言った理由である。
      耕一の性格がなんだか変だったでしょう? 
    ○梓の従兄の「耕一」の転生が「彼女」である。妹達は読者を混乱させる
      為のギミックである。柏木家のバッドの話と混乱したまま終わった人も
      いたみたい。
    ○最後に出てきた「少年」が楓の転生である。
    ○隆山市には前作で梓が刀を引き抜いたせいでエルクゥの転生がうじゃう
      じゃいた。これが鬼を狩れた理由。
    ○わかりやすくポイントを押さえてしまうと、
      転生して耕一と楓の性別が逆になっていたのが混乱の大元と思われる。
      前回の話でダリエリが梓の息子になっていたのも大きいだろう。
    ってことです。
み:Hi−Waitさんによると、「え?梓の息子ってダリエリだったの?」
    だそうです。
ひ:ううう、もっと深くつっこんどきゃよかったですねえ
み:それにしても、蛇足でしたね〜
ひ:「B・B」で終わらせればそれはそれでよかったんですけど…
    「優しさ」が欲しかったんです。
み:「出で、優るもの」でも言ってましたね、そんな事
ひ:「優しさ」が一番大事だと思ってる男ですから。
    それでは!「ネタがLメモしか思い付かない」風見 ひなたと!
み:「OLHさんありがとー!」赤十字 美加香でした!