マルチの水 投稿者:風見 ひなた
 今日はssではなくエッセイでもやってみましょうか。
 そんなことを考え、風見 ひなた行きます。

 それは一月も終わりに近づいたある寒い日のことだった。
 僕、風見 ひなたは友人のwと共に夕方の道を歩いていた。
 それまで僕は彼とあまり話したことはなかったのだが、彼がリーフファンであ
ることを知り、僕たちの話はかなり盛り上がって行った。
 その時、彼が言った。
「俺、この前のリーフのコミケ行ったよ」
 僕は行きたいなあと思いながらもコミケに行ったことがなく、しかもそれが大
好きなリーフオンリーだというので思わず羨望の眼差しを浮かべてしまった。
「へえ、それで何買ってきたの?」
 もし彼が東鳩のアルバムでも買ってきてたんなら、貸してもらおうと企み、僕
は聞いた。
 彼は眼をこちらに向けず、言いました。
「マルチのきれいな水」
(…?)
 僕は一瞬、何を言われたのかわからず、立ち止まった。
 水?
 水。H2O。
 はあ。水ですか。
 …って待て。
「今…なんて言った?」
 僕はwの顔をもう一度見た。
 彼はこちらを向かず、繰り返した。
「マルチのきれいな水」
(『き、きれいな水ですから!』)
 僕は例のシーンを脳裏にプレイバックし、それから「あの」台詞を繰り返し、
心の中で叫んだ。
(ア、アクアシャワーーーーーーーーーー!!)
「おい!ちょっと待て、なんだそりゃ!?」
「だから、マルチの水なんだってば」
 彼は平然と、何度も同じ事を聞くんじゃない、という風に言った。
 一瞬僕の頭の中を、「モナドの聖水」という通販の商品の名がよぎった。
 マルチの水。
 ホントは何の水だ、それは…?
 だが、それ以上に重大な問題に気付き、僕は青ざめた。
「…何に使うの、それ…?」
 彼は無表情に答えました。
「呑む」
 呑む。飲む。drink。
 なんで飲むんだろう。お銚子?グラス?ひょうたん?
 …いや、もっと大事な問題が…。
 僕はつつっと彼から一歩退きそうになりながら考えた。
 いや、しかし世の中にはもっと変わった趣味の人がいるってゆーし…少なくと
も女王様の飲むよりは衛生的かも…でも何の水かわかんないし…。
「…ホントに飲むのか?」
「呑む!」
 彼は強く断言した。
「…ってゆーか、呑んだ!」
 か、過去形っすかアアアアアア!?    
(ごめんなさい、こんな時どんな顔していいかわからないの…)
 僕の頭の中には綾波某の台詞がエコー掛けて鳴り響いた。
 いや、だがしかし待て。
 世の中変わった人はいるさ。
 僕は他人の性癖にケチつけるようなちっぽけな人間ではない。…ハズ。
 叩かれて喜ぶ人や浣腸で直腸裂いちゃう人だっているんだ、仮想人物の*れい
な水呑んで嬉しい人だっているさ!
 そう、イギリスの某街ではシャーロックホームズのパイプ高い金出して買って
きて喜ぶ人がいるんだ、それと同系列じゃないか!
 風見 ひなたは美加香は苛めても、実生活では友達を大事にする男である。
 僕はにっこり笑って肯いた。
「そうか、よかったね…」
 夕日はなんだかいつもより赤いような気がした。

 以上、嘘である。
 いや、コミケできれいな水を売ってたこともwという友達がそれを買ってきた
ことも本当である。
 だが、彼は用途についてこう答えたのだ。
「部屋に飾って記念品にしてる」
 彼は健全な青年であった。
 そんなもん買ってきちゃうのは根本的にどうかなあという気はするけど。
 しかし、僕はこの後やっぱり重大な問題に気付く。
(コミケっていつだったっけ…?)
 確か十一月ではなかっただろうか?
 いや、十二月だったかもしれない。
 僕は記憶力がガ○リイほどではないが人から比べてちょっと乏しいので、はっ
きりしたことは言えないが少なくとも一月ではなかったはずだ。
 ということは彼の部屋には最低一ヶ月前の「マルチのきれいな水」が飾ってあ
ることになる。
 …苔むしてんじゃねえのか?
 そう思ったが、考えてみればそんな事はありえない。
 なぜなら、「マルチのきれいな水」だからである。
 「きれいな水」ということは、その水は純水に違いない。
 カリウム、カルシウム、鉄などのミネラルさえ含まないはずだ。
 「おいしい水」がまずかったからといって訴えることは出来ない。
 なぜなら、「おいしい」はあくまで主観であり、人によってはおいしく感じる
人もいるはずだからである。成分表示が間違っているならともかく、それで訴え
ることは不可能。
 だが、「きれい」は違う。この場合の「きれい」は「美しい」という主観ではな
く、「混じりっけがない」という意味の客観であるからだ。
 「澄んでいる」のとはまた違う。
 だから、もしその水が苔むしたり濁ったりしてきたなら、その水をちゃんとし
た場所に保管してきたことが証明できる限りは販売者は誇大広告したことになり、
訴えることが出来る。
 というわけでwが買ってきた水は純水なので苔むしていないはずだ。もちろん、
濁ったりなどはしていまい。
 「マルチの」という時点で表示に偽りがあるという気もするが、wもそれは承
知で買ったのだから文句は言えない。
 かくしてwの部屋には今日も「マルチのきれいな水」が置かれている。
 だが、僕は「今度見せて」とは言わなかった。
 wは好青年である。
 好青年とはいえ男である。
 だから僕は彼のベッドの下から人には言えない類の書籍が出てきても彼の背中
をぽんぽんと叩きはすれ笑いはしない。ディスクツリーに18禁ゲームがあって
も同じ。
 だが、本棚に堂々とマルチが笑っているラベルの(実物は見たことないのでわ
からないがそんなとこだろう)「マルチのきれいな水」が置いてあると退く。
 「きてるな」と思う。そりゃもう間違いなく、顔に出さなくても。
 そんなことごときで僕たちの友情が壊れたりしたらやっぱりちょっと外聞的に
アレだから、僕は彼の部屋へは行かない。
 かくして僕は「そう、よかったね」と笑い…
 夕日はやっぱり赤かったりする。
                             完
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 そんなこんなで三部作も終わり、のほほんとするひなた。
 そこに駆け込んでくる美加香。
み:ひなたさん、インターネットしていいですか?
ひ:いいですよ。僕は「春秋」の少年Aの調書読んでますから
み:わーい!(かちゃかちゃ)…ひなたさん?
ひ:うーむ、すごいな、これ…。「天狼星」や「殺戮にいたる病」なんて問題じ
   ゃ…呼んだ?
み:ひなたさん、マルチは嫌いですか?
ひ:好きですよ
み:マルチは鉄ですか?
ひ:何言ってんですか、ぷよぷよに決まってるじゃありませんか
み:鉄屑じゃないですよね?
ひ:当然でしょ?
み:でもこれ…
 がばっ!と跳ね起きるひなた。
ひ:は、こ、これはぁぁぁぁぁぁぁぁー!?

み:てなわけで訂正します。
ひ:「ロボット」…1.HMのこと。オーバーテクノロジーの産物。
                      現在までに3種類が確認。大人気。
                  2.一部のss使いが大好きな鉄屑の固まり。
                      ガンダニウム合金で出来てるのもいたりする。
                      平和な世の中では無用の長物。
    です
み:ついでに言っておくと、「猿」「犬」「猫」「鬼」は、「さおりんといっし
   ょ」のなかの漫画から拝借しました
    それと「猫」の項の「美和子」ですが…女の子にこんな恥ずかしいこと言わ
    せないでくださいよう、久々野さぁん!
ひ:さて、レス
  健やかさん…終わりましたか。よく考えてみると、あの三部作はあなたの作品
              を見ていて考えたような気がします。これからも頑張ってくださ
              い。
  久々野さん…犬、入れ忘れたんです〜。入れたつもりだったのになあ…
              三年生ですか…僕、どう思われてるんでしょう?
  OLHさん…ダークで…泣けた…。雅史はここでも鬼畜だったか…。
  意志は黒さん…無気力がよく表れてていいですね。
                狂わないと書いてるけど最後に祐介だけ狂って終わったりし
                て…ってんなわきゃないですね。続き見たいです
  UMAさん…ギルドや漫画倶楽部、しんしんどう、NETにいたりします
              あっても多分わからないだろうなあ。寂しい…
  アルルさん…毎回笑わせていただいてます
  ゆきさん…なんだかマルチ話ばっかりになっちゃいましたね。
            ブラック多し…でもいいや、ダークすきだし
  FOOLさん…僕、こういうつもりで出したんですが…(上参照)
             改訂版、あなたのを使っていつか出しますね
  カレルレンさん…ティーナはあなたに捧げます
  西山師匠…早く出てきてくださいね
み:以上!
ひ:ではでは「例の調書マジでサイコホラー真っ青だって…」風見 ひなたと!
み:「私、あの調書見て吐き気覚えちゃいました…」赤十字 美加香でした!