貝を「食べる」人に向けたメッセージ。 ちゃんと砂は吐かせましたか? そんなわけで。 「なあ梓」 「なにさ」 「ちゃんと砂は吐いたか?」 「はあ? なに云ってるんだよ」 「しょうがない奴だなあ。ちょっと待ってろ」 ・ ・ ・ ・。 「ねえ耕一」 「なんだ?」 「それ……なに?」 洗面器と、それから注射器のよーなものがでんっ、と置かれていると思いねえ。 「いいか梓、これはだなあ」 「いや、云わなくていいから。だいたいわかるから」 茶色いプレーっすか? ねえ、マジ? マジですか? 「さあ梓」 マジだった。 つーか彼奴は爽やかにまぢだった。 「まずは温水からいってみようか」 ・ ・ ・ ・。 あたしは貝になりたい。 「……梓。いったい何があったの……?」 貝になって、この一件についてずっと沈黙していたい。 「そうだよ、梓おねーちゃん…っ」 誰が何といおうと。 苛むように見下ろす千鶴姉ぇと。 責めるように見上げる初音の視線と。 洗面器にはったお湯に頭を突っ込み浣腸器をケツにさして失神している耕一と。 それから――。 「……梓姉さん」 あたしの肩にぽんと手を置いて、それから、楓が呟いた。 「私も、同じだから……」 あんたもかい。