今日も志保とじゃれていて、遅くなってしまった。 とりあえず今日も志保とあかりを置き去りにして、校門をくぐった。 と−− どかっ!! 「・・・・・・!」 「あうっ」 前方不注意だったオレは、前を歩いていた女生徒に、勢いよくぶつかってしまった。 オレは体勢を崩しただけで持ちこたえたが、女生徒の方は派手に倒れてしまった。 「わ、わりぃっ! 大丈夫か!?」 オレは、とにもかくにも、すぐに謝った。 ・・・あちゃ〜、やっちまったぜ。 「ご、ごめん、カンペキこっちの不注意だ」 オレは頭を掻きながら女生徒に近づいた。 「・・・・・・」 「・・・・・・」 最初に目にとまったのは、・・・ガスマスクだった。 「・・・はぁ? 芹香先輩、何やってんだよ?」 「・・・・・・」 「まぁ、確かにそうだけど・・・」 確かに、バレンタインデーのお返しにガスマスクをプレゼントしたのは、オレだ。 しっかし、だからって学校にして来なくっても・・・ 「・・・」 「いや、せっかくですからっていわれても・・・」 「・・・」 「ああっ、そんな泣かなくても・・・」 セバスチャンの「喝ぁぁぁっ!」は避けたいからな。 魔術用のマントをプレゼントすることで、許してもらった。 おまけ 「あかり? ほら、ホワイトデーのプレゼントだ」 「わぁ、ありがとう、浩之ちゃん。 ・・・えーと、これ、何?」 「せっかくやったんだからな? 着けろよ? 明日から」 「え? え? でも、これって・・・」 「着けろよ」 半泣きになるあかりに、無理矢理約束させた。 翌日、あかりのガスマスク姿が、志保にスクープされた。 「ううっ、お嫁に行けなくなっちゃったよぉ」