―姫川琴音は今時珍しい超能力女子高生である。
　彼女は己の忌まわしき超能力をなんとか世界平和のために役立てようと
　今日も良き理解者、藤田浩之と共に努力し続けるのであった…。


「………（集中している）」

「………（がんばれ…琴音ちゃん！）」

「………（かなり集中している）」

「………（ファイトだ…琴音ちゃん！）」

「………（ムチャクチャ集中している）」

「………琴音ちゃん…。」

「…はぁぁぁぁぁっっ…！！」

「………（ごくっ）」

「はああぁぁぁぁぁぁぁっ！！！」

「………おおっ！！」




…ぷゅぅーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ！！！



「…やった…できた…できました、藤田さん！わたし…できました！！」

「よく頑張ったな、琴音ちゃん！」

「はい………でも、これからも努力していかないと…。」

「…そうだな。…ずっと応援してくぜ、オレ。」

「…ありがとうございます…藤田さん。」

「…琴音ちゃん。」

「…藤田さん。」

「………」

「………」

「………それにしても今回の訓練、意外と難しかったなぁ。」

「そうですね…でも『ヘソで茶を沸かす』なんて誰も成し得なかったことですし…。」

「そうだな…。琴音ちゃんは世界で初めて『ヘソで茶を沸かした』女の子なんだな。」

「はい…そうなりますね。」

「格好良いぜ、琴音ちゃん。」

「…藤田さん…嬉しい…。」



―こうして姫川琴音は超能力で『ヘソで茶を沸かす』ことに成功した。
　負けるな、琴音！
　がんばれ、琴音！
　世界の平和は君の手にかかっている！