―藤田家…夜、 「ま、マルチぃっ!お、オレを犬と呼んでくれぇ!蔑んで罵ってくれぇ!」 「はいっ!わかりましたっ!」 「…はぁっ…はあっ…まるちぃ〜!」 「…犬さん、犬さん。」 「…はっ…はっ…。」 「犬さん、犬さん。」 「………」 「犬さぁ〜〜ん!!」 「………」 「………?…あの…どうかいたしました?」 「マルチよぉ…。」 「はい?」 「『さん』はいらん、『さん』は。『犬』でいい。つーか、呼び捨てにしないと意味がないだろ。」 「はぁ…そういうものなんですか…。」 「まったく…わびさびってモンがわかってねーなー。」 「うう…ず、ずびばせ〜ん…。」 「泣かんでいい。それよりも今度は『豚』だ。オレを『豚』と呼んで罵ってくれ!」 「はいっ!任せてくださいっ!」 「おお!厳しく頼むぜ!」 「ひ、浩之さんのぶた〜、ぶた〜、ぶたぶたこぶた〜…。」 「………」 「ぶった、ぶった、ぶった、ぶった、ぶ〜た〜(踊り始めている)。」 「………マルチ…。」 「ぶ〜た〜!」 「…マルチ…。」 「ぶ〜ぶ〜……え?はい、なんでしょうか?」 「あのさ…もういい。」 「え!?なんでですか!?」 「いやさ……なんか疲れたし…おやすみ(就寝)。」 「そ、そんな…浩之さぁ〜ん!」 教訓:マルチには無理だ。