「お義兄さん、妹さんを僕に下さい。」 「ダメだ!ダメだ!」 「大丈夫です、絶対幸せにしてみせます。」 「そういう問題じゃないんだ!ダメったらダメ!」 「いいじゃないですか、お義兄さん。」 「よくないっ!それに『お義兄さん』って呼ぶな!」 「なんでダメなんですか?僕は瑠璃子さんを愛してるし瑠璃子さんも僕を愛してくれてますよ………多分。」 「違う違う!瑠璃子は僕だけを見ていてくれてるんだ!」 「瑠璃子さんは月島さんといっしょにいても幸せにはなりませんよ。」 「勝手に断言するな!」 「知ってるんですよ、月島さんが毎晩ナースやらスッチーとかの制服抱きしめて「瑠璃子ぉ〜!」って叫んでるの。」 「な、…なぜ貴様が…!?」 「そういうワケだから瑠璃子さんを変態の傍にはおいておけませんよ。」 「ぬぅ…人を変態呼ばわりして…!!」 「仕方ないじゃないですか、本当に変態だし。」 「貴様だって妄想大好きマンじゃないかぁ!」 「なんですか…その妄想大好きマンってのは…。」 「妄想が三度のメシより大好きなダメ人間の筆頭のことだ…というか長瀬君、君のことだ。」 「まったく失礼な人だなぁ…」 「自分のことを棚にあげるのは良くないぞ。」 「聞こえない。」 「ぬぅ…なんて傍若無人な…!」 「ともかく瑠璃子さんはもらっていきます。」 「勝手に決定するな!僕は許さんぞ!」 「くどいようですけど変態の月島さんは瑠璃子さんにとって悪影響です。」 「変態、変態って………長瀬君、僕が君の秘密を知らないとでも思っているのかい?」 「秘密?」 「君が毎晩ノートに『瑠璃子さん大好き』ってビッシリ書き込んでいるのを、そしてそれを朗読しながらウットリしてるのを知らないとでも…」 「な、なんで月島さんが僕のプライベートな時間をっ…!?」 「長瀬君のことはすでに調べ尽くしたよ…。」 「くっ、この変態!」 「変態は貴様だ、このド変態!」 「なっ、…変態に変態と言われるなんて…!」 「いくらでも言ってやる!この変態、変態!」 「………」 「変態変態変態変態」 「………」 「………」 「………」 「………」 「………あの…。」 「………なんだい…。」 「…こういうことは…。」 「………」 「……もう…やめましょうか?」 「………ああ…。」 「………」 「………」 「…むなしいですね…。」 「…ああ……。」 「僕達…変態なんですかね?」 「………」 「………」 「…頼むから「違う」と言ってくれません?」 「………」 「………」 「………ううっ(涙)」 「………ううっ(涙)」