Don’t wait until night 投稿者:あかすり 投稿日:4月23日(日)02時47分
「ねぇ、楓ちゃん。君の特技って『猫と仲良くなること』…だったよね?」

「ええ、そうですけど……なにか?」

「いやさ……そのワリには猫と一緒にいるのを見ないなぁ…と思って。」

「仲良くはなりますけど、飼うわけじゃないですから…」

「ふぅん………」

「………」

「………」

「…?…あの…まだなにか?」

「いや…聞こうか、聞くまいか迷ってたんだけどさ…」

「………」

「その…顔とか腕とか……体中についてる引っ掻き傷はなんなんだろうね……って。」

「………」

「あ、あ〜………答えたくなきゃいいんだけどさ…」

「……蚊…です。」

「……『か』?」

「…はい。蚊に挿されて、痒くて痒くて…」

「………」

「………納得してくれました?」

「…あ、ああ…。」

「それじゃ、わたしはこれで…」

「…も、もう一つだけ…いいかな?」

「………どうぞ。」

「そ、その……アレ。……部屋の隅に積んであるアレは…一体…?」


そう言って俺が指差した先には三味線の山があった。


「三味線です。」

「………どこからあんなに…?」

「手作りです。」

「……ざ、材料は…?」

「……………」

「……ざ、材料………?」

「………」

「あ、あの…楓ちゃん?」



しばらくすると楓ちゃんはすっと人差指を口元に持ってくると、ただ静かに「し〜〜〜っ。」と言って立ち去ってしまった。


………三味線弾いてる楓ちゃんって結構ラヴリー……そう思った。