梓が告白した。 「…あ、あたし………今の今まで隠してたけど…実は…『カニ』だったんだ!」 「…へぇ…。」 「…そぉ…。」 「…ふぅ…。」 「…えぇ〜っ!?梓お姉ちゃん、『カニ』だったのぉ!?」 「ゴメン…今まで黙ってて……」 梓は涙ながらに告白した。 「…はぁ…千鶴さん、今日の晩御飯なに?」 「実はまだ決まってないんです…ごめんなさいね、耕一さん。」 「………(ずずっ)。」 「そ、そんな…梓お姉ちゃんが『カニ』だなんて…『カニ』だなんてっ!?」 「さらに言っちゃうと………実は『カニカニ星』の『カニカニ星人』だったんだ!」 梓の告白は最高潮に達していた。 「…そうだなぁ…久しぶりに鍋なんてどうかな?」 「そうですね…久しぶりですね。」 「………(ぷはぁ〜)。」 「嫌だよ…嫌だよ…梓お姉ちゃんがカニ型宇宙人だなんてっ!」 「昨日だって、夜中にコッソリ泡吹いたり、横歩きしたりして喜んでたんだ!!」 梓の告白は続く。 「鍋ってもなぁ……具は何がいいかな?」 「そうですねぇ。」 「………(とぽとぽとぽ)。」 「は、初音が寝てる間にそんなコトしてたなんて!?」 「ホントに今まで黙ってて、ゴメン!あたし謝るよ!」 梓の告白は終了した。 「カニ鍋もイイねぇ。」 「季節ですもんね。」 「………あっ!(がちゃん!)」 「…梓お姉ちゃん…もういいよ、頭上げてよぉっ!」 「あたし…過去を捨てる…スベスベマンジュウガニだった過去を捨てて人間として生きる!」 梓は吹っ切れた。 「スベスベマンジュウガニだってさ、千鶴さん。」 「スベスベマンジュウガニですか…。」 「姉さん、スベスベマンジュウガニは毒入りよ…。」 「じゃあ、食べれないね…。」 …その夜は『カニ』鍋だった。