わたしの名前は柏木楓。 恋人もいるし毎日はラブラブだし、そんな高校生活をエンジョイしているちょっと無口な女子高校生だ。 …けど、そんなわたしにも悩みがある。 それは… 「楓ちゃんってさ、高校生にしては胸小さいよね?」 …発育だ。 幸い耕一さんがそういう体形が特別に好きだから問題はないが… …それはそれで悲しい気もする。 …とにかくわたしも『ないすばでぃ』になりたい。 もう千鶴姉さんに「アンタも同類よ…フフ」って感じの視線を送られるのはゴメンだ。 …とんとん… 梓姉さんの部屋の戸をノックする。 わたし達姉妹の中で唯一胸の大きい姉さんだ。 きっとこれでわたしも… …がらっ 「なんだ、楓か。どうしたんだい?」 「ね、姉さん…」 「?…なんだい?」 「その…ち、小さい頃どんなもの食べてた?」 「………」 「………」 「肉。」 「え?」 「肉。」 「にく?」 「そう、肉。」 「………」 「…?…どうしたんだい?」 「…ゴメン、もういい。」 わたしは梓姉さんの部屋を後にした。 ……なんだか旅に出たい気分だ………